芸人結成物語 by やついいちろう 第1回
三四郎(小宮浩信&相田周二)前編──部活が続かないふたりが見つけた「笑い」
2022.09.08 12:00
やついいちろう × 三四郎
2022.09.08 12:00
はじめてのふたり舞台
やつい で、高校でお笑い始めたんだ?
小宮 そうですね。部活も一緒だったんで。
やつい 何やってたの?
小宮 最初はサッカー部で、サッカー部辞めて一緒にテニス部入って。
やつい 辞めて入り直す時期も一緒?
相田 一緒ですね。その時にはもう仲良かったので。

小宮 で、高校でグランドホッケー部っていうマイナーな部活に一緒に入ったんですけど。
やつい 色々な部活渡り歩くね。
小宮 テニスも中二から始めても中々レギュラーも取れなくて。
やつい サッカー部途中で辞めてるような奴らだしね。
小宮 中途半端なんで(笑)。それでレギュラーになれる部活がいいと思って、みんな高校から始めるような部活に入って。そしたらグランドホッケー部の先輩が文化祭でネタやってて。
相田 かっこよかったよね。
小宮 マイナーな部活の人でも人気者になれるんだなと思って。テレビも好きだったんでやってみようかなって。
やつい そのときはふたりで?
相田 僕と小宮のふたりですね。
やつい 小宮君からしたら組むなら相田君だもんね。
小宮 ですね。
やつい あの爆笑王と組んだらと思うもんね。
小宮 はい(笑)。
やつい そのときには三四郎?
相田 名前は三四郎ではなかったですね。
小宮 小宮と相田みたいな感じでやってましたね。それで文化祭でやってウケて。
やつい ウケたんだ?
相田 知り合いしかいないんで(笑)。

やつい ネタはどうやって作ったの?
小宮 M-1やオンバトを観たりして、漫才コントみたいなのを作りました。
やつい ネタはふたりで考えたの?
小宮 いや、僕が考えました。
やつい 急に小宮君が?
小宮 相田が底が浅いってのはバレてたので。モノマネとかパロディばっかりで、オリジナリティがないことにはその時にはわかっていたので。
相田 僕は再現はできるんですけど、0から1を作るのは無理なので。
やつい 小宮作れよと?
相田 まぁでも元から小宮のことは面白いと思ってたんで。

やつい 最初に作ったネタは覚えてる?
小宮 告白のネタでしたね。漫才とかショートコントとかの概念もわからなかったので、漫才コントやって間にブリッジ入れて。
やつい ジャンガジャンガみたいな?
小宮 そうです(笑)。それで成城学園付近のゲームセンターの名前を入れたり。
やつい ご当地のね。
相田 みんな知ってるんでウケるんですよね。
小宮 それで「ウケたなぁ」と思ってたら、文化祭が終わったら怖い体育の先生から呼び出されて。僕は勉強も運動もできないんでよく怒られてて、また怒られるのかなと思って行ったら、お笑いの道を勧めてくれて。「いつまででも見れるから」って。親が厳しいから難しいって話をしたら三者面談をしてくれました。
やつい 高校の先生がお笑いの道勧めるなんていなくない?
相田 芸能人の子供とかも多かったので芸能界は身近だったんですよね。
やつい 芸能の道の土壌はできてたんだ。
小宮 三者面談で僕の一個前が山口百恵さんだったこともありました。担任の先生も最初の10分はその話でした。「ここに山口百恵さんがいたのよ!」って。
やつい そしたらふたりは山口百恵さんの息子さんと同級生なんだ?
相田 あ、僕と小宮は同級生じゃないですよ。
やつい え?
相田 小宮留年してるんですよ。
やつい え、いつの間にか留年したの?(笑)
小宮 すいません、ショートバージョンで話してました。
やつい じゃあ三者面談の時には相田君はいないってこと?
小宮 1回目の三者面談のときはいたんですけど、2回目のときにはもういなかったです(笑)。

やつい なんで留年しちゃったの?中学受験したってことは頭良かったんじゃないの?
相田 燃え尽きちゃうんですよ、一回入ると。
小宮 小学校の頃は毎日12時間勉強してたんですけど、こんなのパンクしちゃうよって思ってて。そしたら親も中学受験終わったら「もう勉強しなくていいよ」ってなって、ほんとに勉強しなかったら留年しました。
(高校卒業後、養成所に入り「三四郎」になるまでを振り返る後編に続く――)