2022.08.25 12:30
2022.08.25 12:30
「NANA MIZUKI LIVE HOME 2022」これほどまでにエモいツアータイトルがあるだろうか。
“ライブこそが、ツアーこそが、私たちのホームなんです!”的なある種の常套句とも取れるこの様な意味合いの一文であるが、何だかやはりこの人が言うと重みが違う様な気がしてしまうのだ。
それもそのはず、2000年に歌手としての活動をスタートさせてから2019年に行われた「NANA MIZUKI LIVE EXPRESS 2019」最終公演の千葉・ZOZOマリンスタジアムにてワンマンライブ通算200公演を達成。こちらは勿論、言わずと知れた人気アニメの数々や海外ドラマなどの吹替も含む声優活動並びにナレーション、そしてラジオパーソナリティ(文化放送『水樹奈々 スマイルギャング』は2021年5月30日をもって放送回数1000回を達成)としての活動と並行して、のお話である。何と驚嘆すべきキャリアだろうか。
そんな水樹奈々が”ツアーが帰ってきた!自分たちの居場所が帰ってきた!”という思い、そして本ツアー中に自身初の茨城県での公演が開催された事により、ライブ開催地47都道府県を制覇=日本を一周してホームベースを踏むという意味が込められたツアーに「HOME」というタイトルを冠した。
そんな特別な意味合いも含まれているであろう本ツアー。2022年8月7日、さいたまスーパーアリーナ公演2日目の模様をお届けしたい。
水樹奈々が「HOME」へ降り立つロードムービー調のオープニング映像。オーディエンスのペンライトが美しく会場を青色に染め上げている中、カウガール風の衣装に身を包んだ本人が登場。
「New Sensation」にてライブはスタート。続く「POWER GATE」では早くもステージの右へ左へと疾走しながらの血液型別コールアンドレスポンス(オーディエンスは拍手で応える)が飛び出す。「Go Live!」では最強バックバンドCherry Boysギター陣によるソロリレーが今宵も実に伸びやかで、パワフルな水樹の歌声に加えて繰り広げられるのだから、何と贅沢な音楽体験かと思わず唸ってしまう。
“水樹奈々、鬼と言われるかもしれません!”と初っ端からアンコールかと思うくらいのライブ定番曲を連射する容赦ないセトリに対する覚悟をオーディエンスに宣告し、「ROMANCERS’ NEO」、「スパイラル」をシアトリカルに歌い上げる。
Cherry Boysのコミカルにしてテクニカルな自己紹介ソングを挟み、キビキビと動くダンサー(team YO-DA)と振りを合わせながらの「HOLY TALE」は疾走感の中にゴリゴリとしたベースラインを中心にキメまくる演奏がたまらない1曲だ。ファンク、フュージョン風味の「LOOKING ON THE MOON」でサックス、パーカッションをフィーチャーし、MCへ。「着替えてきました!」とパステルカラーの衣装に触れ「回っちゃうよ!」とキュートにターン。Cherry Boysが即興の演奏でBGMをつけるのがニクい。
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