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ヒップホップで社会を生き抜く! 第4回

インディーズ・アーティスト必見!エド・シーランともコラボしたインディペンデント・ラッパー、ラスのカムアップを紹介

2022.08.21 12:00

Russ「Losin' Control」

2022.08.21 12:00

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世界で最も成功したインディペンデント・アーティストと言ったとき、誰を思い浮かべるだろうか?近年のヒップホップファンであれば、Russ(ラス)の名前を思い浮かべる人も多いだろう。ヒップホップ業界には多くのインディペンデント・アーティストがいるが、ラスは地道な活動で名を広め、最も成功したインディペンデントアーティストの一人と言っても過言ではないだろう。2022年の9月に30歳になる彼は、2011年から今までに15枚のアルバムをリリースしており、全てのアルバムを自身のレーベル〈DIEMON〉と〈Russ My Way〉からリリースしている。

2015年にSoundCloudでリリースした「What They Want」がBillboard Hot 100で83位、そして「Losin’ Control」が62位にチャートインし、ヒップホップファンの間で徐々に話題になったラス。アルバム『There’s Really a Wolf (2017)』、『Zoo (2018)』、『Shake the Snow Globe (2020)』ではインディペンデントアーティストとしてコロンビアと流通パートナーシップを組み、3作品ともビルボード10位以内に入るヒット作となった。

また、今年の7月にはSpotify月間リスナー数世界1位を誇るエド・シーランとのコラボ曲「Are You Entertained」をリリースし、インディペンデントアーティストとして快挙を成し遂げた。そんなラスがいかにして、ここまで巨大なファンベースを築いたかを紹介したい。

活動とKPI

2011年から2014年までの間に、アルバム11枚をリリースしたラス。その3年間で大量にアルバムをリリースしたにも関わらず、思ったような結果が出なかった彼は、戦略を変えて活動することに決めたと明かしている。彼はそこから毎週SoundCloudに曲をアップし、3年間かかさずそのペースで曲を公開し続けたのだ。その3年間でアップした曲のなかには、数年後に100万枚のセールスを記録するものもあった。当時の活動について、彼は2017年のインタビューにてこのように語っている。

3年ぐらいの間、毎週1曲をSoundCloudで公開していたんだ。そこから徐々にいい感じになったかな。最初の20週ぐらいは、本当に何も起こらないんだ。誰も曲を聞いてくれなかったけど、そんな状態でもプロジェクトをリリースし続けた。特に大きくなったきっかけとかはなく、本当に徐々にビルドアップしていった。

3年間毎週1曲をコンスタントにリリースするなかで、特にキャリアが飛躍的に成長したきっかけなどはなく、徐々にファンベースが広がったと語る。アルバムを11枚リリースしても満足がいく結果が出なかった彼は、曲を小出しにしていくことにより、アルバムをリリースしたときにもらえるほんの少しの反響を長続きさせることにフォーカスしたのだ。その結果、彼の人生を応援するコアなファンベースができあがったと語っている。

これは気合いなどの精神論ではなく、ビジネスでいうところの「KPI」に当たると言えるだろう。KPIとは、「Key Performance Indicator/重要業績評価指標」という意味であり、ざっくり説明すると「最終的な目標を達成するために、現状を分析し、毎日達成する数字を決める」という、目標達成に向けた行動を細かくブレイクダウンした数字的指標のことである。例えば「月に〇〇件の仕事を受注したい場合は、週に〇〇件、1日〇〇件のテレアポをする」といった、仕事の進み具合を判断するための指標である。スポーツにおいては、このKPIという概念が「トレーニングメニュー」として具体的な数字に落とし込まれているとも言える。ラスは「リリースをするとリスナーが〇〇人ぐらい増える。目標のリスナーまで成長させるにはを毎週1曲を公開する」というKPIを無意識にたてていたのだろう。

地道な活動でカムアップしようとしているインディペンデントアーティストからすると、彼の例はとてもインスパイアリングであろう。2010年代であったため、SoundCloudで曲を公開することが彼にとっての正解となったが、自分にとって最適なプラットフォームに置き換えることにより、活動の参考になるだろう。

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2015年にSoundCloudでリリースした「What They Want」がBillboard Hot 100で83位、そして「Losin' Control」が62位にチャートインし、ヒップホップファンの間で徐々に話題になったラス。アルバム『There's Really a Wolf (2017)』、『Zoo (2018)』、『Shake the Snow Globe (2020)』ではインディペンデントアーティストとしてコロンビアと流通パートナーシップを組み、3作品ともビルボード10位以内に入るヒット作となった。
また、今年の7月にはSpotify月間リスナー数世界1位のエド・シーランとのコラボ曲「Are You Entertained」をリリースし、インディペンデントアーティストとして快挙を成し遂げた。

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