「テイクを重ねて届く感じがあった」こだわりの遊園地シーン
映画『私はあなたを知らない、』新場面写真解禁、中野量太が坂口健太郎に託した“複雑な感情”とは
2026.08.18 15:00
©IDKYPs./Pyramide Productions
2026.08.18 15:00
8月28日(金)より公開される坂口健太郎主演映画『私はあなたを知らない、』から、遊園地で撮影された新たな場面カット3点が解禁された。
本作は中野量太監督が『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)以来10年ぶりに完全オリジナル脚本を手がけた、日仏共同製作のヒューマンサスペンス。中野監督と初タッグとなる坂口健太郎が演じるのは、天涯孤独の身として決められたルーティンを淡々と繰り返す日々を送っていた青年・西山夕平。寂しさすら自覚していなかった彼の日常は、職場で出会ったシングルマザーの紗月(堀田真由)、そして紗月の5歳の娘・朝子(倉田瑛茉)との出会いによって一変する。だがその幸せを狂おしいまでに追い求めた末、夕平は愛する紗月を殺めてしまうという重い罪を犯してしまう。
今回解禁された場面カットは、都合がつかず行けなくなった紗月の代わりに、夕平が朝子を連れて訪れた遊園地でのひとときを捉えた3枚。ソフトクリームが食べたい朝子だが、疲れて動きたくない様子で、夕平が「いっしょに行こう」と言っても「ひとりで待てるもん!夕平なんか必要ない」とそっぽを向いてしまう。動かず待っているように諭してソフトクリームを買いに行き、ひとり待つ朝子のもとへ戻ろうとする夕平。しかし、その足は止まり、遠く離れた場所から朝子の姿を見つめ続ける。しばらくすると夕平の名を呼び、泣き出す朝子。ポタポタと垂れるソフトクリームを手に我に返った夕平は、慌てて駆け寄っていく。

一見すると受け取り方が分かれるこのシーンについて、中野量太監督は「あのシーンは完全に僕の経験から生まれたものです。息子に対して愛しているからこそ意地悪したくなるときがあったんです。『自分がいなきゃダメでしょ、離れたら困るでしょ』って。基本的に人には意地悪をしないのに、息子に対してはなんでこんなことをしているんだろうという、父親になって経験した初めての感覚を描きたかったシーンですね」と、自身が親になって初めて抱いた愛ゆえの複雑な感情が投影されていることを明かした。誰とも交わらず孤独に生きてきた夕平が、初めて触れた“家族”という温もり。朝子に対して芽生えた「朝子には自分がいなきゃダメなんだ」と信じたい思いを、朝子はどう感じていたのか。

撮影において中野監督は、本シーンの演出で妥協なくテイクを重ねたという。監督は主演の坂口について「テイクを重ねることで良くなるタイプの俳優さん。決め込んだ芝居はしてこない方で、テストをして話し合って、またテイクを重ねて到達点に届く感じがありました。こうしてほしいと言ったら『わかりました。やってみます』と。ふたりで何度も考えながら答えにたどり着く(演出でした)」と振り返る。監督と坂口が、密にコミュニケーションを取りながら突き詰めたシーンのひとつだという。本作を語るうえで欠かせない印象的なシーンとなっている。
また、中野監督が登壇するティーチイン付き上映イベントの開催も決定。8月29日(土)・30日(日)に都内4劇場で行われ、本作について監督の口からたっぷりと語られるほか、観客からの質問にも応じる貴重な機会となる。
なお、映画公開に際して本日8月18日(火)より8月31日(月)まで本作の広告が京王電鉄井の頭線をジャックする。1編成の5両がまるまる『私はあなたを知らない、』仕様となり、車内には全14種類の「知りたくなかった過去」エピソードを集めた広告が掲出される。

場面写真、広告写真 ©IDKYPs./Pyramide Productions
