2026.03.22 17:00
2026.03.22 17:00
「HANABI」を聴いて、不器用でもいいんだと思った
──中川さんといえば、Mr.Childrenの大ファンとして知られています。『リブート』の主題歌はミスチルの新曲「Again」。ご自身の出演する作品のテーマソングを、大好きなアーティストが担当するというのは、どんな気持ちですか。
中高とミスチルさんの曲を聴いて、ミスチルさんから道徳を教わったような人間なので、うれしかったです! しかもこの「Again」には、久しぶりに小林(武史)さんが参加されていて。また小林さんが参加したミスチルさんの曲を聴けることがうれしかったです。
しかもこの間の『CDTVライブ!ライブ!』で「Again」をパフォーマンスされたんですけど、小林さんもいらっしゃって。ミスチルさんと一緒に小林さんがいる構図に感動しました。 曲の感じも、自分的にはちょっと懐かしい感じがして。また毎回ドラマのいちばんいいタイミングでこの曲が流れるんです。1話の視聴後に「この曲が毎回ドラマで聴けるんだ!」と思って、もう喜びしかなかったです。

──何がきっかけでミスチルにハマったのでしょうか。
最初はミスチルさんの名曲集みたいなところから入ったと思うんですけど、まずメロディに惹かれたんです。そのあとに歌詞に惹かれました。「名もなき詩」とか、中学生の繊細な心に響く歌詞が多くて、こんなふうに生きたいなって思ったことを覚えています。
──ミスチルは王道のアップテンポから、世相を風刺したようなシニカルでディープなロックナンバーまで、いろんなジャンルがあります。どのミスチルが好きですか。
いや〜、どちらも好きです。どちらも好きなんですけど、この「Again」は、「フェイク」とか、あのあたりの楽曲に通じるような、ちょっとダークな世界観だと個人的に思っていて。その上で最後に少し希望を感じられるところとか、僕の大好きなミスチルさんの曲だなと思います。
──ミスチルの歌詞が刺さっていた中学時代の中川さんは、どんなことを考えていたのでしょう。
「HANABI」の「考えすぎで言葉に詰まる自分の不器用さが嫌い でも妙に器用に立ち振舞う自分はそれ以上に嫌い」という歌詞を聴いたときに、あ、不器用でもいいんだなと思ったんです。そういうことを考えている子どもでした。あまり明るく元気という感じではなかったです。どちらかと言うと、教室の後ろのほうで本を読んでるタイプでした。
──そんな中川さんが芸能界に入ったのは、2016年、大学1年生のときにMEN’S NON-NOのオーディションでグランプリを受賞したのがきっかけでした。その後、2019年の2月に事務所に入って、その年の4月に『俺のスカート、どこ行った?』で初めて連ドラレギュラー出演を果たします。
当時は撮影の前の夜は眠れないくらい緊張していました。台詞を言うことも声が震えるくらいで。あの頃は、監督に怒られたり、下手だと思われることに怯えていて。お芝居どうこうというより、とにかく自意識ばかりが頭の中にあったんだと思います。
──冷静に考えて、他人の気持ちになって台詞を言うって不思議な行為ですもんね。
何かを演じることを勉強したことがなかったので、「役になるってどういうこと?」みたいな、未知の領域でした。役になって涙を流す人がいることが信じられないくらい摩訶不思議な世界に飛び込んだなという感じで。そんな時から作品に参加させていただけたことは、今思うと本当に有難いことだったなと思います。その後、緊張よりも楽しさを感じられるようになったのは、『仮面ライダーゼロワン』から。1年間、ライダーを演じることで俳優としていろいろなことを勉強させてもらいました。

──最初は用意した台詞を言うことで精一杯だったと思うんです。ちゃんと相手とキャッチボールができたなと感じられるようになったのは、どのタイミングくらいからですか。
『仮面ライダーゼロワン』の第30話で主人公の或人に気持ちをぶつけるシーンがあって、(或人役の)高橋文哉くんとやりとりをしている中で、いきなり涙が出てきたんです。お芝居で泣いたのは、そのときが初めてで。「役になって涙を流す」ってこういうことだったんだと思えて。僕の演じた役はヒューマギア(人工知能搭載人型ロボ)なのでカットになりましたが(笑)。そのあたりからお芝居の楽しさに目覚めていったと記憶しています。
──個人的には、『モアザンワーズ/More Than Words』のお芝居が印象的でした。
僕も好きな作品で、自分の俳優人生における転換点となった作品だと思っています。リアルで生っぽいお芝居での演技を行い、作品として形になったことで、自信になったというか。
──すごく映画っぽいリアルなお芝居でしたよね。
はい。リアルなお芝居も好きなんですけど、今出演している『リブート』のような重厚でエンターテインメントど真ん中なドラマもすごく好きです。『リブート』では『モアザンワーズ』とは違った演じ方をしているのですが、どちらの演じ方でも説得力のあるお芝居をもっとできるようにしていきたいです。

──やっぱりちょっとギアが違うんでしょうか。
僕もまだ探っている最中なので、うまく説明できないのですが、ドラマって人それぞれ様々な視聴の仕方がある中で、家でご飯を食べながら、何か作業を行いながら視聴される方もいらっしゃると思います。様々な観方がある中で、画面に釘付けにするには、リアルだけではない、パワフルなエネルギーも必要なんだろうなと。まだまだ自分には足りていないと痛感しました。いつか『リブート』のような作品でメインを張れる役者になりたいと今回の経験を通して思いました。そのためにも、もっともっと人を惹き込む力強いお芝居ができるようになりたいです。
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