2026.03.01 15:00
乃木坂46「5th ALBUM MEMORIAL LIVE『My respect』」より ©︎乃木坂46LLC
2026.03.01 15:00
乃木坂46 5th ALBUM MEMORIAL LIVE『My respect』。
それはアルバムタイトルにちなんだ“リスペクト”がふんだんに散りばめられた、グループのライブとしてはある種異例なものでもあり、またそれゆえにメンバーにとっても我々ファンにとってもそれはそれはとても素敵で、そして特別なものになったのだと思う。ここでは2日目、2月23日公演の模様をお届けする。

異例、という言葉をあえて使わせてもらったのは、てっきりライブの内容は『My respect』のDISC1に収録されている「Actually…」から「ビリヤニ」までのシングル表題曲を公演中に散りばめつつ、その他の曲、それこそ2月21日・22日に行われた「Coupling Collection 2022-2025」で披露されていた楽曲たちとで2022〜2025年までのグループが歩んだ軌跡を補完していくものだとばかりに思っていたからだ。
浅はかであった。上記の予想は完全に、そして華麗に裏切られたのだ。まさかDISC1以外に収録された期別楽曲たちをこんなにもフィーチャーする構成で、「Coupling Collection 2022-2025」で披露されていた楽曲たちを一切封印した形での構成となっていたとは。こんなことがあるから、やはり乃木坂46のライブはやめられない。
最初に登場したのはまさかの6期生。というのも『My respect』にはそれぞれの期別楽曲が新曲として収録されているが、その中の6期生楽曲「全力ラップタイム」以外の6期生楽曲3曲はアルバム未収録であるにも関わらず、「OVERTURE」後にパフォーマンスされたのがそんなアルバム未収録曲で、6期生初の期別楽曲であった「タイムリミット片想い」だったのだ。のちのMCでも語られたライブ当日の2026年2月23日をもって15年目が始まるグループの1番手として、まだそのお披露目から1年も経過していない6期生にその開幕宣言を任せてしまうとは。その采配、そしてそちらを一手に担ってみせた6期生のカッコ良さと頼もしさたるや、である。

そんな6期生は爽やかで甘酸っぱい恋心を軽快なビートに乗せた「タイムリミット片想い」から、青春を全力で駆け抜ける思いを「なぜ 僕たちは走るのか?」で表現。続いての披露は乃木坂46ファーストシングル「ぐるぐるカーテン」の6期生バージョンである。シングル発売から実に14年が経過しているのだが、一切色褪せることのない洒脱な歌謡フレンチポップスにまた新たな輝きと先輩メンバーに対するリスペクトをたっぷりと加えてのパフォーマンスだ。
その後のMCではメンバーそれぞれが本公演への意気込みを“全力”で高らかに宣言。その決意や覚悟にオーディエンスの熱量も急上昇だ。そこで披露されたのは、そんなMCが実は前口上となっていたなんて粋な采配に熱量が臨界点を超えてしまいそうな「全力ラップタイム」。その歌詞には“ドラムを叩いていた”なんて一節が登場するので、本稿ライターでドラマーでもある筆者の熱量はことさらであったことも蛇足ながら追記しておく(笑)。6期生パートのラストは、それまでの清涼感あふれる曲調とは打って変わってのヘヴィなビートとスピーディーな譜割りで攻め立てる「市営ダンスホール」。“そう待ち人はきっと来ない方がロマンティック”だなんてペシミズムやニヒリズムに対するえも言われぬ憧れを、クールな表現で魅了してくれた。

続いての登場は5期生。その冒頭を飾ったのは次シングル表題曲でセンターを務めることが発表された池田瑛紗センター楽曲「心にもないこと」。サビ頭の透き通り、突き抜けていくファルセットの響きが実に美しい。その美しさや儚さは続く「「じゃあね」が切ない」でより一層の情感を帯びていく。こちらもサビのファルセットがなんとも印象的な楽曲であり、大自然をバックに表情や動きでこちらへと雄弁に語りかけてくるようなMVも素晴らしい出来となっているので、今さらながらではあるが是非ともチェック、または再見を強くオススメしたい。ちなみにこちらの楽曲でセンターを務める五百城茉央は次シングル表題曲のフロントメンバー。この2曲が続けられる配置となっていることにはそういった繋がりというか、次作での大切なポジションを務める両人に対するこれもリスペクトなのだろうと筆者は受け取った。

オルガンやブラス風シンセがリフにバッキングにとグルーヴィーかつスタイリッシュに飛び交い、歌謡的なメロディがスピーディーかつエネルギッシュに展開される「熱狂の捌け口」で前の2曲にうっとりと聴き惚れていたオーディエンスを叩き起こすと、次は次シングルのアンダーセンターを務めることも発表された岡本姫奈センター楽曲「相対性理論に異論を唱える」がライブ初披露。グループ15年目初日にしての初披露というのも、これまた一つのリスペクトが垣間見える瞬間だ。5期生パートラストは5期生初の期別楽曲「絶望の一秒前」。当曲のパフォーマンスもまた深みを増すばかりであった。

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