新しい学校のリーダーズ10周年を経て模索中の“広げ方”とは
初めて作品に残せた、これまで絶対に見せなかった自分。SUZUKAが“挑戦”に求める破壊と進化
2026.01.23 18:00
2026.01.23 18:00
新しい学校のリーダーズのSUZUKAがアニメ映画で声優、しかも主演?一報を目にした時の驚きは実際の作品で納得に変わった。彼女が声優に初挑戦したのは、『マクロス』『アクエリオン』シリーズをはじめ日本を代表するアニメーション監督・デザイナーの河森正治監督が自身初のオリジナル長編映画として挑んだ『迷宮のしおり』。現実とスマホの中の世界が交錯する、今生きている私たちがまさに直面しているテーマを描いた作品だ。しかもSUZUKA演じる前澤栞は周囲の目やSNSの反応を常に気にして自分のやりたいことを見つけられずにいる女子高生という、意外な役どころ。この挑戦の理由は単純じゃなさそうだ。
リーダーズの結成10周年を昨年迎えた今、何が変わったのか、もしくは変わっていないのか。いくつかの切り口で訊いてみた。

一時期はもうSNSなんて、と思ってました
──単刀直入に伺いますが、SUZUKAさんはなぜこの映画のオファーを受けたんですか?
挑戦をしたいなと思いまして。しかも新しい学校のリーダーズにとっても私にとってもすごく意味があるなと思って受けさせていただきました。
──確かに主題歌も担当しているのでグループへのフィードバックは大きいですね。
そうですね。それがあったからこそ、このオファーをメンバーもしっかりと納得した形で、ひとりの活動という新しい扉に挑戦できたんじゃないかと思います。
──挑戦は過去の自分を壊していくことでもあると思いますが、壊すことは根本的な資質だと感じますか?
感じます。大前提、自分はヤバいやつになりたいという感覚がちっちゃい頃からあって。唯一無二ではない自分を知っているからこそ唯一無二であることへの執着心や好奇心がすごくあったし、自分がヤバくないことを知っているからこそ、そうなるためにどう行動したらいいんだろうとか、自分の中での狭い世界とか狭い脳を壊す作業は今までもいっぱいしてきましたし、今でもずっとしてます。ただ、壊し方は変わってきました。
──SUZUKAさんにとってヤバい表現者ってどういう人ですか。
それこそ山口百恵さんが大好きというのは色々なところでお話しさせてもらってるんですけど、その時代にとっての新しい何かだったり何かを切り開いたり、声をあげたり、そういう方を見るとすごく鼓舞されるというか。

──山口百恵さんは職業歌手であり阿木燿子さん宇崎竜童さんの作品などを歌で表現していたわけですが、今の時代でもちょっとギョッとするような挑戦をされていて。
あのご夫婦が作る、歴史に残る音楽というものを少女の山口百恵さんに提供して、それに負けることなく化学反応を起こせるご自身の力強さ、そして妖艶で柔軟性もあって。当時の中でも異質で新しくて、そして世間のみんなに届けられる存在でいることも私にとってはヤバいことで。衝動的になって壊すんじゃなく、そういう存在でいることができる理性と本能と衝動、いろんな部分を本当に素敵だなと思ってます。
──話を『迷宮のしおり』に戻すと、SUZUKAさん自身はこの作品のテーマはなんだと思いますか?
私目線だと二つあって、今回の映画だと二面性なんですけど、私は多面的な部分の自己理解をどう深めるかという向き合いのきっかけになる映画でもあったと思ってて。もう一つは携帯という人類の歴史で言ったらつい最近できたデジタル機器との付き合い方、向き合い方を見つめ直す機会にもなるシーンがいっぱいあると思うんです。共感できるというか、生々しいというか、「あ、私もそういう感覚でメッセージに対して思ったことあるな」とか。そういうことを客観的に見て意味が無かったことに気づけるきっかけになると思いますし、SNSを含めインターネットの中で会話したり人と繋がったりすることのメリット、デメリットも分かるきっかけにもなると思います。

──SUZUKAさん自身はSNSから距離を置いてますか?
距離を置くときは置いてました。今は距離を置いた時期を踏まえた上で、ちゃんと発信することの楽しさや大切さのようなものを感じますね。この『迷宮のしおり』もありますし、新しい学校のリーダーズもいろんなものをリリースしたり情報があるので、それをちゃんとファンのみんなにも伝えたいし、まだリーダーズを知らない人たちも見れる形でありたいなと思うので。でも一時期はもうSNSなんてとか、アカウント持ってるなんてという気持ちになってました。「私の身体はここにあるんだよ、これが私の正真正銘の個人アカウントや」という感覚になった時は距離を置いてましたね。
──この『迷宮のしおり』も当然、スマホを批難してるだけの作品じゃない。
やっぱ自分の好きな音楽は、心意気のある精神性を持ってる人が多くて、自然と80年代や60年代の方たちが多いんです。となった時に自分が生きているこのデジタルの世界に嫌気がさした瞬間があったんですけど、「いや待てよ?」と。一応このデジタル機器は便利だし、河森監督も言ってたけど「この携帯っていうのはもう巨大なロボットマシーンですごい可能性を秘めている。だけど使い方を間違えると人間の体にとっても心にとってもいろんな部分で良くない影響を与える」と。だから便利さや可能性が広がる上手な付き合い方や向き合い方、楽しみ方をすればすごいものだなって私も改めて感じましたし、どんどんアップデートされていくシステムの中でより多くの人たちに知ってもらったり、発信できる時代は大活用した方がいいなと思うので。それはリーダーズとしてもまだまだ模索中で、進化してる最中ですね。

──それが一旦距離を置いたけど戻れたきっかけでもある?
まだまだ今あるコミュニティ、10年間で出会ってきたファンのみんなとのコミュニティだけじゃなくもっともっと多くの人たちに知ってもらえる機会を作りたいと思ったところがきっかけですね。
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