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原作ファンを裏切らないキャスト・スタッフ陣の魅力を解説

“解釈一致すぎる”鬼太郎父と水木コンビに胸が熱くなる、舞台『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』開幕

2026.01.13 19:00

2026.01.13 19:00

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スタッフ陣にも象徴される原作リスペクト

鈴木拡樹の俳優としてのデビュー作は2007年のテレビドラマ『風魔の小次郎』だが、この作品で初主演を務めていた人物こそ村井良大。2人はこの作品のあと何度か共演を重ねるが、よく知られているのは2011年から放送されていた歴史をパロディにしたテレビ番組『戦国鍋TV』。歴史上の人物がアイドルやミュージシャンとなり音楽番組に出演するというパロディコントでこの2人は村井が織田信長、鈴木が森蘭丸に扮した「信長と蘭丸」というユニットで出演しており、非常に人気を博していた。なお今回の舞台のキャスティング発表の際、コントで披露していた楽曲名「敦盛2011」になぞらえて「敦盛2026」がSNSでトレンド入りするという珍事も起こっている。

その後、2012年から15年までは舞台『弱虫ペダル』シリーズに2人とも出演しているが(村井が原作の主役である小野田坂道役、鈴木はライバル校である箱根学園の荒北靖友役)近年は目立った共演がなかった。お互いに演劇界でキャリアを重ね、大舞台での主役を任されるようになり、そして久々の共演がこのバディものである『ゲ謎』である。彼らを追ってきた往年のファンからすると、興奮するなと言う方が難しい。ビジュアル的にも原作映画に非常に近く、2人で並んだ姿はまさに2.5次元舞台ならではの醍醐味があるし、本格的にバディ感が出てきても説得力を持つ。キャラの関係性にキャストの背景が透けて見えるのは本来は正当な見方ではないかもしれないが、より大きなカタルシスを生む結果になっているのは間違いない。

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』囲み取材より鈴木拡樹、村井良太

また、彼らを固める他のキャストも素晴らしい。特に今作のヒロインとも言える龍賀沙代役を演じた岡本姫奈の存在感が際立つ。2022年に乃木坂46に加入、舞台経験は2024年の『乃木坂46“5期生”版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2024』のみで、外部の舞台は初出演となる彼女。しかし本格的にバレエをやっていたというキャリアも関係するのか、立ち姿が非常に美しいし、何より声がとても良く通る。龍賀の一族に囚われながら、外の世界に憧れる沙代という役柄はこの作品のキーマンでもある難役だが、見事に演じている。ファンならずとも、今後の舞台分野での活躍が楽しみになった人も大いのではないだろうか?

龍賀沙代役の岡本姫奈(乃木坂46)

そして2.5次元作品がファンに受け入れられるか否かの肝は、舞台を手掛けている側がどれだけ原作をリスペクトし、解像度高く挑むかにかかっている。そういう意味では、この舞台ほど全力でそれに挑んだ布陣もないのではと思うのだ。たとえばキャストは前述のメインキャストだけでなく、龍賀乙米役の沢海陽子は映画でも乙女役を声優として演じていることもあり、乙女そのもの。良知真次演じる村長・長田やしゅはまはるみ演じる丙江も非常に再現度が高く、そこに加藤啓や三上市朗、岡内美喜子といった小劇場界のベテランが脇を固めることで舞台をぐっと引き締める。

長田幻治役の良知真次

スタッフ陣もそうだ。音楽は、映画の劇伴も手掛けた川井憲次。脚本を手掛けたのは2.5次元舞台の脚本・演出も数多く手掛け、鈴木拡樹とも何度もタッグを組んできた毛利亘宏(少年社中)。演出は近年だけでも『PSYCHO-PASS サイコパス』や『ワールドトリガー the stage』など2.5次元作品の演出が相次ぐ中屋敷法仁(柿喰う客)。2.5次元作品ファンだけでなく小劇場ファンからも定評がある、盤石の布陣だ。また、映画を観ている人は妖怪の描写などをどうするか疑問に思う人もいるかもしれないが、実際の造形物と映像を駆使し、“この世ならざるもの”との邂逅へ観客がすんなりと入り込める構造になっている。ダンスや抽象的な身体表現も多く、演劇的な手法をふんだんに使っているのは中屋敷演出ならでは。

初日前の会見で中屋敷は「脚本の毛利さんが非常に演劇愛、人間愛に溢れる方。その毛利さんの手によって、憎しみや悲しみにまみれていたこの作品が、劇場空間では喜び、慈しみ、愛おしみといった、とても幸せなメッセージまでを内包しているようになった」と語ったが、驚くほど原作映画の面白さや内容はそのままに、舞台版として成立させ、それでいて中屋敷が言うところの「舞台版ならではのメッセージ」がきちんと伝わるような作品となっている。

演出の中屋敷法仁(柿喰う客)

初日の1月9日19時開演回(※終了)、東京千穐楽の25日17時開演回、佐賀大千穐楽の2月8日13時開演回はライブ配信が、また千秋楽公演は全国の映画館でもライブビューイングも行われるなど異例の布陣となっている今作。劇場に足を運べる人はもちろん劇場に、難しい人はぜひ映像で今作を味わって欲しい。映画でハマった人も、舞台版ならではの『ゲ謎』の面白さを存分に浴びることができるはずだ。

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作品情報

舞台『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

舞台『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』

2026年
1月9日(金)〜1月25日(日) 東京:サンシャイン劇場
1月29日(木)~2月2日(月) 大阪:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2月7日(土)・ 2月8日(日) 佐賀:鳥栖市民文化会館 大ホール

ライブ配信(U-NEXT):
1月25日(日)17:00〜 東京千穐楽(特典映像:キャストインタビュー映像)
2月8日(日)13:00〜 佐賀大千穐楽

ライブビューイング:2月8日(日)13:00〜 全国映画館にて
Blu-ray:9月9日(水)発売 ※限定予約版はスペシャルディスク付き

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

原作:水木しげる
原案:映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
脚本:毛利亘宏 (少年社中
演出:中屋敷法仁(柿喰う客)
音楽:川井憲次

出演:
鈴木拡樹 村井良大
岡本姫奈(乃木坂46) 沢海陽子 しゅはまはるみ 岡内美喜子
コッセこういち 加藤啓 中田翔真 橋本偉成
三上市朗 良知真次
沖育美 齋藤明里 佐々木穂高 田中廉 中嶋海央 藤本裕真 細川晃弘 光永ヒロト

声の出演:白鳥哲

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