ドキュメンタリー映画で顕在化された規格外バンドの凄さとは
「あと25年はフルスイングできる」TAKUYA∞が誇る、UVERworldの“一番の武器”
2025.12.15 18:00
2025.12.15 18:00
僕らは本当に、メンバーにはなんでも言う
──海外の滞在中、メンバーどなたかがやらかしちゃったエピソードなどありますか?
もう数えきれないやらかしがあります。ベースの信人が……結構そういう感じなんで(笑)。彼は英語があまりわからないんですけど、でもわかるふりしてドアマンの人と喋ってたら、「こいつ何も英語わかってない」って言われてたりして。それでもニコニコしてましたけど、後でそれを知って怒っていました(笑)。
僕らは元々6人で共同生活していたので、海外に1週間ほど行く時は一軒家を借りて6人で泊まったりするんです。だから、一緒に生活するのは全然苦じゃないです。
──皆さんの食事のシーンで、重要な一言を発してくれるのも信人さんだったり。「次の25周年に向けて」みたいな発言が僕はすごくグッときました。
あいつは本当に素直で可愛い奴ですね。食事に関して言うと僕はちゃんと今みたいなパフォーマンスができるような生活習慣を25年しっかり心がけて、ステージのための人生を全うしたいなと思っています。

──今回のオーストラリアでの体験や見た風景などが、今後の活動や楽曲に生きることもありそうですか?
基本的にミュージシャンって、曲作りの期間はスタジオにガーッと籠ってほぼ数週間メンバー以外に誰とも会わない、みたいなこともよくあると思うんです。でも、今回みたいに沢山の所に行けて、沢山の出会いをくれるチャンスをUVERworldっていうものがいつも持ってきてくれるので、しっかりそれを活かして曲作りもライブも、海外とか色んな所でやっていきたいですね。スタッフも一緒に皆で海外に行って、“UVERworldがいたからこそ見ることができる景色”をどんどん増やしていきたいなと思います。
──映画の中で、曲作りや制作の過程で感じる孤独は実は孤独ではなかったことに「EPIPHANY(気づき・ひらめき)」できたとおっしゃっていましたが、何かきっかけや具体的なタイミングがあったのでしょうか。
やっぱり反面教師的なところもあって。自分たちよりも何倍もの規模で世界ツアーを回っているアーティストのインタビューを観ていた時に、「さっきまで10万人ぐらいの前でライブをしていたのにホテルに帰ると自分は1人きりになって寂しい」みたいな感じで泣いていて、「あー、これあるあるだな」と思ったんですね。僕も感じたことがありますし。ライブの後にコンビニなどでお弁当とかを買っていて、「どっちが本当の自分なんだろう」みたいなことは色んなアーティストが感じると思うんです。
でも、それを俯瞰で見た時に「いや、あなたのライブを観た後にみんなが『今日のライブのどこどこが良かったよね』って話したり、食事をしたりしながらストリーミングで曲を聴いてるのに、それのどこに孤独があるの?俺と代わってよ」とか思って。それを自分に向けていったって感じです。自分が曲作りで数週間人に会わなかった時間も、ファンの人たちは今までリリースしたものを聴きながら新しいものを楽しみにしてくれている。その時間を僕たちが孤独と感じるのは、捉えようによっては「見えてないなぁ」みたいに思ったんですよね。

──UVERworldはメンバー同士、そういったそれぞれの孤独も6人で共有するタイプですか?
もう僕らは本当に、メンバーには思ったことをなんでも言うんで。言わなくていいことも言っちゃうぐらい。なんでも共有するから「それは違うよ」って時もあるし、1人の気づきが残りの5人に伝わる時もあります。
──今回の滞在経験を経て、海外でのマーケティングをどのように見てらっしゃいますか。
マーケティングしていくつもりはあんまりなくて。自分たちが得意な角度で、得意なスイングを常に満振りしておけば、いつか世界だろうが日本だろうが時代の流れがど真ん中に来ると思っているんです。だから狙いに行ったりするのをやめよう、と。「このスイングが格好良いよね」って思うものをあと25年間振るぐらいの体力がありますし、根拠のない自信がそこにはあって、希望を持っています。
──そうですよね。ライブシーンのインサートでは、満面の笑顔だったり、顔をぐしゃぐしゃにしながら号泣しているお客さんがすごく多くて。やっぱり今おっしゃったフルスイングが刺さってるなっていう感覚はありますか。
そうですね。彼ら、彼女たちの心には刺さってるなと思います。
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