『THEゴールデンコンビ』で存在感を増す多才派の今に迫る
知る人ぞ知る魅力から、誰もが“知るべき”魅力へ。乃木坂46・林瑠奈が探す自己表現の最高解
2025.12.15 19:00
2025.12.15 19:00
乃木坂46にはお互いのプロデュースが上手な子がたくさんいる
──お笑いに限らず、林さんは音楽・アニメ・映画などを「広く深く」愛されていますよね。1日たった24時間、1週間7日しかない中でお仕事や大学生活をこなしながら、どんなふうにいろんなエンタメを摂取し分けているんですか。
やっぱり生活や、お仕事をする上で絶対必要な時間ってあると思うんですけど、そこでできるだけマルチタスクしようって意識していて。移動中とかも何か観てますし、あとやっぱり私は本当に音楽が手放せない生活というか、常にイヤホンをして何か聴いてたり、家で時間がない時でも朝音楽を流しながら準備しちゃったりとかするので。意識してるわけじゃないんですけど、常に何かに触れていようっていう欲みたいなのがあるかもしれないです。

──音楽は林さんにとってどういう存在ですか。
音楽はもう生活そのものでもあるんですけど……やっぱりこういうお仕事って、自分の言葉がそのまま受け取ってもらえることばかりではなくて。気持ちを素直に伝えられる瞬間が年々少なくなっているような、自分でその幅を狭めているような気がするんです。そういう時に正しい感情を引き出そうとするために、あえて自分の心をえぐるような曲とか涙を誘うような曲を聴いたりして、自分のバランスを保つ存在でもあります。
──そういえば、変わったプレイリストがあるって見ました。「呻き(うめき)」だか「喚き(わめき)」みたいな……
「咽び(むせび)」っていうプレイリストがあって(笑)。もう本当にそうですね、感情をうまく出力できない時は音楽を聴いて、出して、私は今こういうことを感じてるんだっていうのを自分で理解するみたいな瞬間は多いかもしれないです。
──ブログを拝見すると、林さんの青春時代にはもう解散していたり、活動していなかったりするバンドも頻繁に紹介されていますよね。新しい音楽とはどのように出会っているんですか?
私は、好きなアーティストやバンドがどう影響を受けて音楽を作っているんだろう?みたいなことにすごく興味があって。そのルーツを辿ると昔のアーティストだったり、今はもう活動されていない方にたどり着いたりして。聴いたらもちろんその方にもハマるし、戻ってきた時に「あ、やっぱこのサウンドってこういうところから来てるんだ」とか、探っていくと洋楽にたどり着くんだなとか思うので、そういうふうにアーティストの方のルーツを探ったりしてます。あとは映画の主題歌とかもそうですけど、いろんなカルチャーって結びついてるなって感じるので、いろんな瞬間瞬間で出会わせてもらっていますね。

──『ゴールデンコンビ』第一弾配信時には、「この番組を通してインプットの重要性を学んだ」と綴られていらっしゃいました。具体的にどういうことか教えていただいてもいいですか。
私は今大学4年生でもうすぐ大学を卒業するんですけど、所属しているコミュニティだったり自分の抱えているものが多くなってくると、どうしてもアウトプットしなきゃいけない場が増えすぎて、なかなか自分のアイデアがついていかなかったり、自分が成長するチャンスみたいなものを掴みづらくなったりするんですね。そういう中でもいろんなものを摂取して、いろんな人の姿から「自分に出来ることってなんだろう」って考えるのがすごく大事で。
『ゴールデンコンビ』の収録で皆さんの動きとか現場の緊張感から感じたことって、自分で意識はしていなくてもグループの活動に還元されてるなって思います。「MC上手になったね」とか言ってもらえる機会があったり、やっぱり(自分でも)感じることがあるので、学ぶ姿勢を常に持ち続けたいっていう部分での「インプットの重要性」ですね。
──いろんな作品を観るだけじゃなく、現場でプロの動きを観察するのも一つのインプットと捉えていらっしゃるんですね。そういう意味だと『ゴールデンコンビ』第一弾の時にハナコの秋山さんのカツラのピン留めとか、平井さん(男性ブランコ)と堂前さん(ロングコートダディ)コンビのシャツの着回しとか、かなり細かいところに気付かれていたのをTikTokで拝見しました。普段からそういう細かいところに気付くタイプですか。
細かいところ……そうですね。これは自己理解が足りてないので私に対する予想ですけど、逆張り体質なのか、人が見てないところを見たい・見つけたいって思ってしまうところがあって。見て取れる魅力ってもちろん大切だし、いろんな人に伝わる魅力ってすごいことなんですけど、そういうこと以外でも実はこういう良いところがあるとか、こういう発見があるみたいなものもできるだけたくさんキャッチして、伝えられるところは伝えたいなって思うので、いろんな部分を見ようっていう視野の広さを持っていたいなって思っています。

──ちなみに最近、乃木坂46メンバー内で「これ私しか気付いてないんじゃないか」と思うことはあったりしますか?
私しか気付いてない……あ、金川紗耶っていうメンバーがいるんですけど、金川紗耶が最近ご飯をちゃんと食べているっていう。やっぱり体型だったり食べるものに気を使う時期があったりして、特に気にしてた時期を見てたので、最近一緒になる収録とかでお弁当を食べてても「あ、すごいちゃんとお米も食べてる」とか思ったりしました(笑)。食べている姿を見て安心するみたいな気持ちがあるので、それを本人に伝えたら「え、嬉しい!」って言ってくれて。最近料理も頑張ってて、食に対して前向きだみたいなことを言っていたので、なんか私も嬉しくなりました。
──今回、狩野英孝さんが収録を振り返って「コンビって感謝なんだな」とお話されていました。同じように林さんがグループ(乃木坂46)を表すとしたら、何と表現されますか。
そうだなぁ……(少し悩んで)感謝もありつつ、私のグループで言うともう“愛”ですね。すごく大きいものではあるんですけど、やっぱりこれだけ人数がいると、グループとして世に出ていくためには皆で協力しなきゃいけないけれど、グループの中で自分がどう出ていくかとか、どういう部分で活躍できるかっていうことを個人として考えなきゃいけないっていう、そのバランスを取るのはすごく難しかったりするんですよね。
乃木坂46はそこが上手いというか、自分が自分がっていうんじゃなく、相手の魅力を引き出すのが上手い子がすごくたくさんいて。話を引き出すのが上手かったりとか、「この子のこんな一面、多分ファンの人は知らないだろうな」っていうところをポロッと言ったことでそれがその子の新しい魅力につながったり、ファンの方が気になるきっかけになったりとか、そういうお互いをプロデュースするのが上手な子がたくさんいる。だからやっぱり“愛”ですね。
──最高なお答えです。
あはは(笑)。ありがとうございます。
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