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INTERVIEW

俳優としての変化を楽しみながら念願の蓬莱竜太作品へ挑む

どんな役柄でも任せてよかったと言われたい。桜井日奈子が今、さまざまな“顔”を見せる理由

2025.12.12 17:00

2025.12.12 17:00

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最近、桜井日奈子が面白い。従来のような「ヒロイン」を凛と演じていたかと思えば、『マル秘の密子さん』『人事の人見さん』などのドラマでは、振り切ったコミカルな役で印象を残す。同時に舞台作品にもコンスタントに出演し、さまざまな演出家の薫陶を受ける日々。

そんな彼女がこの冬出演する舞台は、蓬莱竜太が作・演出を手掛けるパルコ・プロデュース2025『シャイニングな女たち』。吉高由里子演じる「金田」を中心に、社会人の現在と大学時代に所属した女子フットサル部の過去を描いた作品だ。念願だったという蓬莱作品への出演、俳優として求められることの変化……彼女の「現在地」について伺った。

桜井日奈子

蓬莱さんは観ている人を置き去りにしない

──取材日の今日はお稽古中ということですが(取材は11月上旬)、資料としていただいた脚本が途中まででして……。

そうなんですよ。まだ途中までしかなくて(笑)、ラストがわからないままという。本当に毎日ちょっとずつ届くんですよ。気分としてはジャンプの連載を読んでいるみたいな感じです(笑)。 

──実際演じられる方としてはなかなか大変ですよね? 

そうですね(笑)。「えー、こうなるんだ!?」と「これ覚えなきゃ」が毎日やってきています。 

──稽古に入られる前に、Xで「もう楽しみで仕方ない、早く稽古入りたい」と投稿されていましたね。「楽しみ」の理由は?

蓬莱さんとご一緒したくて仕方なかったんですよ。もともと蓬莱さんの作品をいくつか観に行かせていただいていて、そのたびに「持ち帰れるもの」がたくさんあった。舞台って難しい作品も中にはありますし、自分が置いていかれてしまうような気分になるものもある。でも蓬莱さんの作品は、観ている人を置き去りにしないような作品だと思うんです。自分にも心当たりがある“痛み”だったりとか、そういうものをすごく感じさせてくれる作品が多くて。実は以前、蓬莱さんの作品のオーディションにも行ったことがあるんですよ。その時はダメだったので、だから今回、お話をいただいて「蓬莱さんですか!?」と。このところ年に1本は舞台に出演しているんですけど、今年は難しいかな……と思っていたところにいただいたオファーだったので、私にとってはもう、「今年1年頑張ったご褒美」みたいな作品ですね。

──今回の『シャイニングな女たち』は“女性の世界”の物語ですよね。今、作品に関してどんな印象を持っていますか?

「なんで男性である蓬莱さんがこの台本が書けるんだろう!?」っていう作品です(笑)。女性の人間関係ってちょっと特殊だったりしますよね。今回はフットサル部の話なんですけど、私はずっとバスケットボールをやっていたので、このスポーツ……チーム競技ならではの上下関係とかはよくわかるところがあり。それぞれ役割みたいなのも決まっていきますし。私、今回のお話でいうと、吉高由里子さんが演じる「金田」のようなポジションで学生時代を過ごしていたな……と考えたりとかしていて。私は自分の学生時代を振り返ると、本当に黄金時代だったなって思うぐらい青春を謳歌できていたんです。バスケも得意だったし、キャプテンだったし、みたいな。でも今回の台本だと、金田の周りに我慢している人たちが実はたくさんいるんですね。だから実はそうじゃなかったのかも、周りにとっては地獄のような青春時代だって思っている子がいたかもしれない……とか思いながら台本を読んでいたら、なんだか気分が落ちてきまして……。

桜井日奈子演じる白澤のキャラクター写真

──桜井さんにとっては、割とクリティカルな内容だったわけですね……。

まあ、でも学生時代に関わらず、仕事の現場だったりとか、日常でも、やっぱり自分が調子いい時って必ず誰かが我慢しているのかもなぁとか。そう思うと、その「我慢している人」にフォーカスを当てた作品を書ける蓬莱さんって凄いし、一番繊細な人なんだなとか思ったりもしましたね。

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初めて過ごす女性ばかりの現場の感想

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作品情報

パルコ・プロデュース2025『シャイニングな女たち』

舞台『シャイニングな女たち』メインビジュアル

舞台『シャイニングな女たち』メインビジュアル

パルコ・プロデュース2025『シャイニングな女たち』

東京公演:2025年12月7日(日)~28日(日) PARCO劇場
大阪公演:2026年1月9日(金)~13日(火) 森ノ宮ピロティホール
福岡公演:2026年1月16日(金)~18日(日) 福岡市民ホール 中ホール
長野公演:2026年1月24日(土)~25日(日) サントミューゼ(上田市交流文化劇術センター)大ホール
愛知公演:2026年1月29日(木)~30日(金) Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

作・演出:蓬莱竜太

出演:吉高由里子 さとうほなみ 桜井日奈子
小野寺ずる 羽瀬川なぎ 李そじん 名村辰 山口紗弥加

桜井日奈子

アーティスト情報

1997年4月2日、岡山県生まれ。
2014年に「岡山美少女・美人コンテスト」で美少女グランプリ。2016年に舞台『それいゆ』で女優デビュー。主な出演作はドラマ『ごほうびごはん』、『君と世界が終わる日に Season3・4』、『マル秘の密子さん』、『人事の人見』、映画『ママレード・ボーイ』、『ういらぶ。』、『殺さない彼と死なない彼女』、『魔女の香水』、舞台『富美男と夕莉子』、『138億年未満』など。

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