14年目を迎えたi☆Risで描くビジョン、個人の野望も語る
久保田未夢のポジティブ思考を支えるメンタル術、声優とアイドルの両立がくれる自己肯定感とは?
2025.12.11 18:00
2025.12.11 18:00
声優ではガチのライバルだからこそ、仲間としてみたら心強い
──では、ここからは久保田さんのパーソナルな部分にスポットを当てて、これまでのキャリアを振り返りながら話を聞かせてください。久保田さんが、小さい頃にアニメや声優に興味を持った一番の始まりはいつ頃でしたか。
私は小さい頃からアニメは見てましたけど、オタクみたいな目線でアニメを見始めたのは小学校6年生の頃です。仲よくなった子たちが、キャラがどう、ストーリーがどう、作画がどう、あの声優さんがみたいな話をする、どちらかというとオタク寄りな子たちだったんです。それもあって、私も夕方のアニメや深夜のアニメとかいろいろ見るようになっていきました。

──久保田さんが一番刺激を受けた作品は何ですか。
ずっと好きなのは『デュラララ!!』って作品なんですけど、高校生の頃さらにどハマりして、平和島静雄ってキャラクターが生涯で一番好きですね。いろんな作品の好きなキャラクターはたくさんいますけど、たぶん一番どっぷりハマりました。
──では、声優を目指したターニングポイントは?
私、もともとは声優に憧れてたわけではなかったんです。将来的に自分の好きなものに関わるお仕事がしたいなって思ったときに、やっぱりアニメ関連だなって思ったんですね。アニメーターとかアニメ雑誌の編集とかもいいし、そういうひとつとして声優もいいなって感覚だったんですよ。声優さん自体に興味が出たのは、自分が高校生の頃に「ジャンプフェスタ」っていう、冬にやってる週刊少年ジャンプの大きいフェスがあって、それに行ったときでした。昔やってた『べるぜバブ』ってアニメがあって、赤ちゃんの役を沢城みゆきさんがやられてたんです。沢城さんはどちらかというとセクシーなお姉さんの役をやられてる印象があって、しゃべってる姿もすごく素敵なお姉さまなんですよ。それが、生アフレコした瞬間に赤ちゃんになって、それにすっごい衝撃受けて。声優さんってすごいな、面白そうだなって、がっつり声優を目指すオーディションを受け始めたのはそれがきっかけでした。

──では、自分の心の支えになってるアニメのセリフとかありますか。へこたれたときに、そのセリフを思い出して頑張ろうって思うようなものって。
う〜ん、まず私があんまりへこたれないんですよ(笑)。だから、自分を励ますセリフみたいなのもあまりなくて。でも、すごく素敵なワードだなって思ったのは、自分が演じてる『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』TVアニメ1期の朝香果林のお話の中にあった、「仲間だけどライバル、ライバルだけど仲間」ってセリフです。
──理由も聞かせてもらえますか。
『虹ヶ咲』はラブライブ!シリーズの中で珍しく、ソロのスクールアイドルとして活動する作品なんです。みんなで一緒にステージに立つこともあるけど、でもひとりひとりスクールアイドルやってるときはライバルだよねって、ソロで活動するからこそ生まれた言葉だと思うんです。でも、今思えばi☆Risもすごく近いなと思って。i☆Risとして5人で活動してるときは仲間だけど、おのおのが声優になったときってライバルなんです。声優さんってひとつの役をオーディションで大人数で取り合うじゃないですか。だから、メンバー同士で何の役を受けたとかは言わないんです。でも、あの役あの子が受かったんだってことも実際あるんですよ(笑)。だからそのワードは、i☆Risにも近いなと思いました。
──まさに声優とアイドルを両立させているi☆Risならではの話ですね。
ちょっと特殊ですよね。普通のアイドルグループでライバル関係になることもあるけど、それはお客さんをいかに自分のファンにするかみたいなところだと思うんです。でも、おのおのが声優とか個々の活動をやってるからこそ、あそこの現場ではガチのライバルみたいなことが発生するのはi☆Risならではだと思います。でもそこで、私も頑張らなきゃって思うし、逆に仲間としてみたらすごく心強いなってことも思いますね。

──なるほど。では、声優として役柄に向かう久保田さんなりのスタンスってどんなものがありますか。
声優としてもなんですけど、私はアニメのキャラクターとしてステージでパフォーマンスすることもすごく多いんです。それこそ『虹ヶ咲』だったり、i☆Risメンバー全員が出てるプリティーシリーズだったりで、その役として歌を歌うことが多くて。そういうときは、踊り方や手の握り方とかも、その役に合うように考えたりはすごくしてます。
──生で役を演じる、ミュージカルに近い感覚ですか?
そういうイメージです。なのでリハーサルのときに、この子はどういうグーの握り方をするんだろう?みたいなことはすごく考えますね。声優というお仕事の話になっちゃうんですけど、声優って声でその役を作るみたいなイメージあると思うんです。でも、体も使った方が私はいいなと思ってて、セリフの場面を動いて演じながら録ったりするんです。
──声優としてアフレコの現場でも、声だけ表現だけではなく全身の演技を実践している。
はい。役の演技をしていて、たまたま声だけ録ってるって認識の方が自分はやりやすいなって最近思うようになりました。声優としてそれが大事だと感じるようになってから、ライブでパフォーマンスする際にもそこは意識します。

──では、声優をやっていて感じる楽しさと難しさについて聞かせてください。
楽しさは、ほんとにいろんな役柄を性別問わずできるってところは楽しいし、いろんな声優さんとの掛け合いができるのはすごく面白いです。難しいなって思うのは、やっぱり一番はオーディションですね(笑)。
──役をいただくのはやはり大変であると。
はい。運よく受かるときもあれば全然落ちちゃう時期もあるし。もちろん役を掴む努力はしますが、先方のイメージもあるでしょうし、こればかりはどうしようもできないことなので。そこは、これからも付き合っていかなきゃいけない難しさだなと思いますね。オーディションに受かるコツがあるなら教えてほしいです(笑)。
──(笑)。あと、声優とアイドルでは表現の仕方が違うと思うのですが、自分の中で意識してスタンスを変えてる部分はありますか。
先ほどの話に通じますけど、キャラクターでライブをやるときに、パフォーマンスでは完全にその役柄になり切って、なるべく自分の素は出さないようにっていうのは意識してます。でもi☆Risで自分自身としてライブしてるときは、何も気にせずとにかくお客さんと遊ぶぞってことだけを考えてます(笑)。
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