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INTERVIEW

家族思いの26歳が映画『栄光のバックホーム』で感じたこと

伊原六花が語る心の満たし方と休め方 過去を誇りに“今”を楽しむ活力源とは

2025.12.05 18:00

2025.12.05 18:00

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バブリーダンスは今でも私の誇りです

──ちなみに今は取材なので標準語でお話しになっていますが、YouTubeとかを観ると普段は大阪弁なんですね。やっぱり大阪人というアイデンティティは大きいですか。

大きいと思います。相手が標準語だと合わせられるのですが、標準語と大阪弁ってちょっとリズムが合わなくて、自分の中でノッキングが起きるときがあって。あと、標準語と大阪弁のときでちょっと性格が変わるんですよね。

──自分も大阪人なのでわかります。大阪弁のときはちょっと雑になりますね。

そうなんです。なので、特に家族と大阪弁で話すときは無意識に甘えられるというか。甘えられるからこそ、ちょっと雑なところも許されるのが家族。そこはすごく助けられています。 

──つい大阪人マインドが出てしまうときはありますか。

関西の人が活躍していたり、大阪からすごい人が出てきたというニュースを見たときは、ちょっと自分まで誇らしい気持ちになりますね(笑)。

──東京のたこ焼きにいちゃもんをつけたくなったりは?

まったくないです。基本的にLOVE&PEACEなので(笑)。中には、東京のたこ焼きは揚げたこ焼きだとおっしゃる大阪の方もいるじゃないですか。私は全然こだわりがないタイプなので、なんでもいい。むしろ東京でもたこ焼きを食べてくれてありがとうという気持ちです。

──横田さんは高校時代も甲子園目指して野球に打ち込んでいたわけですが、伊原さんといえば高校のダンス部でのご活躍が有名です。何かに打ち込んだ経験が今の自分を支えてくれていると思うことはありますか。

めちゃくちゃあります。人生でいちばんというくらいの挫折も、夢みたいなことも経験して。人生の波をギュッと凝縮したのが、私にとって高校3年間。そこで鍛えられた経験値は大きいですし、今でもお芝居をするときに高校時代に経験したことが使えるなと思うことはあります。

映画『栄光のバックホーム』より

──部活でいちばんキツかったことはなんですか。

3年のときにキャプテンをやらせてもらったのですが、それまで大会(日本高校ダンス部選手権)で2連覇していたんです。でも、私の代では準優勝で……。そのときの何もなくなった感はキツかったですね。

──バブリーダンスが大きな注目を集めましたが、実は大会の結果は準優勝だったんですよね。部員のみなさんにとっては悔しかったですか。

私は悔しかったです。先輩方が今まで積み上げてきたものに泥を塗ったような気持ちでした。キャプテンである以上、責任は私にある。申し訳なさを感じていたし、高校生活のすべてが終わったなって。今思えば準優勝という結果も素晴らしいことなのですが、当時はそう思えるだけの余裕がなく。何もなくなった、というのがいちばん正直な気持ちでした。

──でもそんなバブリーダンスが日本中を揺るがす大ブームとなりました。

私たちの作品を素晴らしいと言ってくださる人がいて、どんどん世の中に広まっていって。勝敗という意味では負けてしまったけれど、いいものはいいと言ってくれる人がいる、面白いものは面白いもので見つけてくれる人がいるんだなと。そこに、当時の私は救われていました。

──と言いながらなんですけど、もう8年も前のことをこうしていつまでも聞いてしまうのは失礼なのかなと思ってしまう気持ちもあって。バブリーダンスとの距離感って、今、伊原さんの中ではどんな感じでしょうか。

私にとっては誇りですし、こうして聞いてくださるのはうれしいです。確かにこの仕事を始めたての頃は、早く結果を残して、バブリーダンスの子ではなく、一人の女優として見てもらえるようになることにこだわっていた気はします。

でも、バブリーダンスから私を知ってくださった方が多いのは事実。そこを変に上書きする必要はないなって。何よりこうしてお仕事を続けていくうちに、最近では逆に「伊原六花ってバブリーダンスの子だったんだ」と後から知るパターンも増えてきたみたいで。そういうこともあって、バブリーダンスのイメージから離れたいみたいな気持ちはなくなりました。むしろバブリーダンスの子だって言われたら「そうなんです! そうなんです!」ってなります(笑)。  

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最近練習中の「自分へのブレーキ」

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作品情報

栄光のバックホーム

©2025「栄光のバックホーム」製作委員会

©2025「栄光のバックホーム」製作委員会

栄光のバックホーム

2025年11月28日(金)全国公開
配給:ギャガ

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

製作総指揮:見城 徹/依田 巽
原作:「奇跡のバックホーム」横田慎太郎(幻冬舎文庫)
「栄光のバックホーム」中井由梨子(幻冬舎文庫)
脚本:中井由梨子
企画・監督・プロデュース:秋山 純

出演 :松谷鷹也 鈴木京香
前田拳太郎 伊原六花・山崎紘菜 草川拓弥
萩原聖人 上地雄輔
古田新太 加藤雅也 小澤征悦
嘉島 陸 小貫莉奈 長内映里香 長江健次 ふとがね金太
平泉 成 田中 健
佐藤浩市 大森南朋
柄本 明/高橋克典

主題歌:「栄光の架橋」ゆず(SENHA)
ゼネラルプロデューサー:三田真奈美
プロデューサー:小玉圭太
協力:阪神タイガース
特別協力:東宝 電通
配給:ギャガ
制作:ジュン・秋山クリエイティブ

1999年6月2日生まれ、大阪府出身。2017年、大阪府立登美丘高校ダンス部のキャプテンとして披露した“バブリーダンス”が大きな話題となる。2018年、「チア☆ダン」(TBS)で連続ドラマに初出演。ドラマ「明治東亰恋伽」(19/U-NEXT)では初主演を務め、同作は同年映画化され引き続き主演した。以降、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)、「神様のカルテ」(21/テレビ東京)、「夕暮れに、手をつなぐ」(23/TBS)、「ブギウギ」(23/NHK)など多くのドラマに出演。「肝臓を奪われた妻」(24/日本テレビ)、「パラレル夫婦-死んだ“僕と妻”の真実-」(25/関西テレビ)「恋愛禁止」(25/読売テレビ)では主演を務めている。映画では『地獄の花園』(21年/関和亮監督)、主演を務めた『リゾートバイト』(23/永江二朗監督)、『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(24/中田秀夫監督)、『少年と犬』(25/瀬々敬久監督)などに出演。

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