互いに頼り合いながら憧れの『マリー・キュリー』で親友役に
星風まどか&石田ニコルが“濃い”毎日で深めた絆 共演続く2人が語る「挑戦できる喜び」とは
2025.11.04 18:00
2025.11.04 18:00
強くかっこいい女性に憧れていたので、マリーの生き方は響きます
──石田さんは、デビュー前に放射線技師を目指していたそうですね?
石田 そうなんです。1年だけなんですけど、この業界に入ると決めて辞めました。小さい頃から「病院で働きたい」とずっと思ってたんですね。それはマンモグラフィーを担当する放射線技師さんは、被爆するからという理由で女性技師が少ないらしく。でもそれが理由で乳がん検査を避ける人もいるという問題があると当時聞いて。今はいろいろな検査方法がありますけど、そのときは「じゃあ私がやる!」と思って。
星風 カッコいいー!
石田 放射線学科に通っていたんです。だから教科書にはマリー・キュリーが出ていました。偉人の中では一番近い存在だったので、これもご縁だなと思いながら、その友達役ができるのは嬉しいです。

──女性の立場から見て、この作品についてどう思いますか?
星風 私自身は女性ばかりの世界にいたというのもありますし、社会で働くという感じではなく閉ざされた世界で生きてきたので、そういう経験はあまりなかったように思うんです。でも、強く生きる女性、信念を貫いて生きる女性には憧れています。石田さんの、さっきの「じゃあ私がやるわ」で放射線技師に、という話もすごくかっこいいなと思いますし。
石田 いやいや(笑)。
星風 そういう方、大好きです。私自身にはそういう勇気がないからかもしれませんが、そういう強いかっこいい女性に憧れていたので……このマリーの生き方は、響きますね。
石田 ……私は日本生まれ日本育ちですが、ハーフなので、この作品のマリーが経験することが「わかるよ」という部分もありますね。女性が主人公で、女性の意思が強く表れるような演劇作品がそんなに多くない中で、こういう作品を見てくださる方が元気になってもらえたらいいなと思います。特にアンヌは先陣切って行くような役なので(笑)、見ている人にがスカッとしてくれたらいいな、と思いますね。
──ところでお二人は、来年1月からの『PRETTY WOMAN The Musical』でも共演されるんですよね?
石田 そうなんですよ! 私たち2025年の下半期、ずっと一緒なんですよ。
星風 下半期の人です(笑)。
石田 キャスト表見たときに「え?」って。いるいる!って(笑)。
星風 こんなに深い役をさせていただいた後に、またお友達役なんですよ。本当にそちらも楽しみですし、ありがたいですね。

──お二人のお互いの印象はいかがですか?
石田 一番最初にお会いしたとき、ご自身は「豆腐メンタル」という話をしていたんですけど、すごく芯があるし、すごく可愛いなという印象です。ふとした時に本当に可愛い顔をするんですよ、目が合うたびに癒されています(笑)。すごく頼っている部分もありますし、引っ張ってくれていますね。
星風 石田さんは「初めまして」の時からお互い人見知りという共通点があり(笑)、でも稽古が始まったら「本当に頼もしいかっこいいお姉ちゃん」という感じです。本当に安心しきっていますし、私の方がもっと頼っていますよ。アンヌの役が本当にぴったりで、私が入り込めるようにいてくださるから、なんだかもうオンなのかオフなのかわからなくなるくらい。あと、セリフの中のわからない数式も教えてくれます(笑)。

──この作品、まずミュージカルではでてこないような用語が多いですよね。
石田 本当にそうなんです! 覚えるのが脳トレみたいな感じで……「自分の言葉」として言えるようにならなければ、と思っています。
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