4人からコメントも到着、2026年全国公開へ
川上未映子の小説『すべて真夜中の恋人たち』が岸井ゆきの×浅野忠信で映画化、監督は岨手由貴子
2025.10.09 10:00
©2026『すべて真夜中の恋人たち』製作委員会
2025.10.09 10:00
川上未映子の初の恋愛小説『すべて真夜中の恋人たち』が岸井ゆきの主演で2026年に映画化されることが決定し、原作者・監督・キャストからコメントが到着した。
人との関わりを拒み孤独に生きてきた主人公・冬子が年上の男性・三束と出会い、自らの孤独や感情と向き合う姿を描く本作。『乳と卵』で2008年に芥川賞を受賞し、『夏物語』が世界40ヵ国以上で刊行された川上未映子による原作は、2011年の発行以降、女性から圧倒的な共感を集め国内累計発行部数40万部を突破、米・TIME誌の「2022年の必読書100冊」にも選出された。さらに川上は本作で全米批評家協会賞小説部門に日本人で初めてノミネート。そんな国内外から熱い支持を得る川上にとって、自身の長編小説が映像化されるのは今回が初となる。

メガホンを取るのは、『あのこは貴族』(21)がフランスでも大ヒットし、シスターフッドと徹底した人物描写で話題を呼んだ岨手由貴子。女性の心の機微を丁寧に描いてきた岨手監督が、鋭くも柔らかい繊細な物語を徹底したこだわりと深い敬意で映し出す。
『ケイコ 目を澄ませて』(22)で第46回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など国内の主演女優賞を総なめにし、最近ではドラマ『恋は闇』(日本テレビ系)で主演を果たすなど目覚ましい活躍を見せる岸井ゆきのが演じるのは、フリーの校閲者で人との関わりを避けながら孤独な生活を送る主人公・入江冬子。作品のオファーを受ける前から原作小説のファンだったという岸井が、一人の男性と出会い自らの孤独や初めて芽生えた感情と向き合う等身大の女性を演じる。
そしてひょんなことから冬子と出会い交流を深める物理教師・三束役には、配信ドラマ『SHOGUN 将軍』(24)で第82回ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞し、その名を世界に刻んだ日本を代表する俳優・浅野忠信。日本映画界を牽引する2人の初共演が実現し、日常で偶然出会いささやかな幸せを共有しあう冬子と三束の繊細な距離感を表現する。
岸井ゆきの コメント
川上未映子さんの小説が大好きで、様々な媒体でお話しさせていただくほどでした。
『すべて真夜中の恋人たち』は、私の中であまりにも完成されていて、映画になることもその主人公を担うのも不安が大きく難しいと感じましたが、この物語が映像として立ち上がるとき、冬子として立っていたいと思いました。
大好きな原作の文字のイメージから抜け出すのには試行錯誤しましたが、目の前にいる監督やスタッフと今そこに在るものを信じて、16ミリフィルムに閉じ込めることが出来ました。
原作を愛するすべてのみなさまにもう一度冬子に出会っていただきたく、まだ冬子を知らないみなさまには、この世界を知ってほしいです。
浅野忠信 コメント
『すべての真夜中の恋人たち』公開決定!とても嬉しいです!
三束さんという役を演じるにあたり、彼の秘密をとことん考えました。
しかしこの役をより確かなものにできたのは岸井ゆきのさんが演じる入江冬子さんがいたからです。
そして岨手由貴子監督に自分の作った三束さんを理解していただき共にフィルム撮影できる事でより深く作品を表現できたと思っています。
岨手由貴子(監督・脚本)コメント
はじめて原作小説を読んだときのこと、岸井さんや浅野さんにお会いしたときのこと、ロケハン中や夜の会議室であれこれ構想したこと。そんなひとつひとつの断片が確かな線を結んで、ようやく一本の映画が完成しました。
映画をつくるたびに感じるのですが、企画段階から完成に至るまでに交わされたあらゆる会話が、いつも重要な気づきを与えてくれて、どこへ向かうべきかの道しるべになってくれます。
この素晴らしい原作に魅せられたスタッフ、キャストとの出合いが、映画『すべて真夜中の恋人たち』をつくりあげました。
公開までまだ少しありますが、多くの方に観てほしいし、この物語について話してほしい。
その日が待ち遠しくて仕方がありません。
川上未映子(原作)コメント
世界中の読者から、この作品への心のこもった感想を受けとるたびに、まるで青白い炎にふれているような気持ちになります。岨手監督によって、そして岸井ゆきのさん、浅野忠信さんが演じる冬子と三束さんによって、その静かな熱はさらに濃く深くなり、文章では見ることのできなかった、知ることのできなかった、たくさんの感情や記憶に出会いました。みなさんに観ていただける日が今から楽しみでなりません。