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INTERVIEW

主演作『アフター・ザ・クエイク』で焚きつけられた感情とは

願いはどの作品も丁寧に。鳴海唯の心を生かす時間

2025.10.05 17:00

2025.10.05 17:00

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ジャーナリングを始めて、頭がすごくクリアになった

──改めて、この『アフター・ザ・クエイク』という作品は、鳴海さんの心にどんな感情をもたらしましたか。

世の中で起きている自然災害とか事件は、直接的に被害を受けた人や加害をした人しか名前が世に出ないけど、実際に直接的に関わってなくても私たちに与えている影響ってすごく大きなものがあると思っていて。この作品に出てくるキャラクターは、ほとんどが直接被災したわけではない人たち。でもこんなにも地震というものがこの人たちの人生に、すごく歪んだ形ではあるけど影響を与えているっていうことをこの作品は教えてくれています。だから、間接的ではあるんだけれども世の中に起きている事件とか災害というものは常に私たちの人生に侵蝕しているというか、そういうことを感じさせてもらえる映画になっている思います。

──「人生のゴールは死ぬこと」っていう考え方あるじゃないですか。僕はそれを三宅の話から受け取って、毎日ちゃんと生きようと思いました。言葉にすると安っぽくなってしまうのですが。

それすごく嬉しいです。ありがとうございます。

──鳴海さんが普段「私、今生きてる」って実感するのはどんな時ですか。

えー、何だろう。生きてるって実感……すごく仕事を頑張った後に友達と呑みに行ったりとかする時間の、「働いたぜ! お疲れ自分!」みたいな緩急ですかね。大変さとリラックスが良いバランスで1日を終えられた時、「生きてるな」って思えます。

──それは寝る前とかに?

寝る前とかに思いますね。それで良い疲れで寝られたりとかすると「最高!」って1人で言います、普通に。

──普通に、声に出して……?

えぇ、大きいです。ごめんなさい、再現したらうるさいぐらい大きいです。

──じゃあ友達と呑みに行ったりすることがいいリフレッシュになってるんですね。

でも全然ずっと家にいる時もあるので、そういう日はちょっとでも外に出たほうがいいなと思って近くのカフェに行ったり、美味しいカフェラテとパンを買ってお散歩したり……

──散歩、いいですね。

それで公園で食べたりとか、本当にそんな些細なことでいいんですけど。すごく忙しい時間が増えれば増えるほど、そういう些細なことで「生きてる」って実感するじゃないですか。それにいっぱい働いた日はコンビニでジャンクフードを買いたくなるんですよね。ポテチとか炭酸ジュースとかめっちゃ買いたくなるんです。「生きてる!」って思いながら買って食べる(笑)。

──最近パン召し上がってるんですか? 以前グルテンフリーされてるって見ましたが。

そうなんです。ずっとグルテンフリーやってるんですけど、夏は嫌でも痩せちゃうんですよ。だからあえてジャンクなものを摂ったりしてバランスを取るようにしていて。一度グルテンフリーの体が出来上がっちゃうと、なかなか戻らないんですよね。だから最初がめちゃくちゃきついんですけど、そこの体作りができたら後は調整できるんです。

──パンとか小麦食べて拒絶反応起きなかったんですか?

起きないんですけど、でも普段摂ってないからめっちゃ眠くなります。なので極力大事な仕事の前後とかの時は摂らないですけど、休みの日にガッツリと摂ったりします。

──内面ではいかがですか? 三宅にとっての焚き火みたいに、鳴海さんが自分と向き合うために日々している習慣があれば教えてください。

ジャーナリングです。自分の思ったこととかを何も気にせずにひたすらブワーって文字に起こして日記に書くんですけど、今年の4月くらいから始めて、最近ずっとやってますね。思考がうわーってなっている時に、「よし書く!」って。

──それは手書きで?

手で書いてます。大屋夏南さんのYouTubeがめっちゃ好きで、大屋夏南さんみたいな女性になりたいんですけど、彼女がジャーナリングしてるって言っていて、ずっと気になってたんです。で、たまたまそのタイミングですごく面白いアクティングコーチの人とワークショップで出会って。ジャーナリングは海外では主流だっていう話を聞いて、始めたらすっごい頭がクリアになって。誰かに見せるものじゃないから本当に書き殴るような感じなんですけど、やっぱり頭と手って繋がってるから、手を動かすことでめちゃくちゃクリアになるのが面白いなと思います。

──読み返してみて「なんかいいこと言ってんじゃん」みたいなこともあります?

なんか“人は誰しもみんな孤独だ”みたいなことを書いてて。どこかでその考えになってから、明るいコメディ映画を観ても「本当に監督が言いたいことは、人ってみんな寂しいってことなんだな」とか、そういうとこまで観れるようになってきました(笑)。そんなことをバーって書いてるんですけど。読み起こすと「そうだよなぁ、この時この感情を発見出来たんだなぁ」とか思います。大体仕事のことばっかり書いてるんですけど。

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大先輩を相手に堂々と演技ができる理由

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作品情報

アフター・ザ・クエイク

©2025 Chiaroscuro / NHK / NHKエンタープライズ

©2025 Chiaroscuro / NHK / NHKエンタープライズ

アフター・ザ・クエイク

2025年10月3日(金)よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほかにて全国ロードショー
配給・宣伝:ビターズ・エンド

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:岡田将生 鳴海唯 渡辺大知/佐藤浩市
橋本愛 唐田えりか 吹越満 黒崎煌代 黒川想矢 津田寛治
井川遥 渋川清彦 のん 錦戸亮/堤真一
監督:井上 剛
脚本:大江崇允
音楽:大友良英
プロデューサー:山本晃久 訓覇圭
アソシエイトプロデューサー:京田光広 中川聡子
原作:村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫刊)より
製作:株式会社キアロスクロ、NHK、株式会社NHKエンタープライズ
制作会社:株式会社キアロスクロ

1998年生まれ、兵庫県出身。2019年にNHK連続テレビ小説『なつぞら』でドラマ初出演。
その後もドラマTBS『Eye Love You』(24)、『あのクズを殴ってやりたいんだ』(24)や
サントリー「JIM BEAM」の広告にも多数出演し活躍の幅を広げている。
『偽りのないhappy end』(20/松尾大輔監督)では映画初主演を務めた他、
近年の主な出演作として2025年度前期連続テレビ小説『あんぱん』では主人公・のぶと共に戦後初の女性記者となった小田琴子を演じている。
現在、ABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』がNetflix世界同時配信にて配信中。
2025年10月6日(月)23:06〜OA予定のテレビ東京系ドラマプレミア23『シナントロープ』にて室田環奈役で出演している。

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