物語の深層へ誘う佐藤浩市との対話シーンも解禁
「これは一筋縄ではいかない作品」声で出演したのんが映画『アフター・ザ・クエイク』の魅力を語る
2025.10.02 14:00
©2025 Chiaroscuro / NHK / NHKエンタープライズ
2025.10.02 14:00
10月3日(金)に公開される岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市4人の主演映画『アフター・ザ・クエイク』から本編映像が解禁された。
本作の原作は、2000年に刊行された村上春樹の傑作短編連作『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫刊)。同著に収録されている4編をベースに一部時代設定を変更し、2025年4⽉に放送されたNHKドラマ『地震のあとで』と物語を共有しながらも、4⼈を結ぶ新たなシーンを追加するなどして1995年から2025年にわたるひと続きの物語として再構築された。マジックリアリズムの手法を使いながら別々の時代・場所に生きる4人が時空を超えて繋がっていく、希望の物語を描く。
佐藤浩市が演じる主人公の1人・片桐は、漫画喫茶で暮らしながら東京でゴミ拾いを続ける警備員。2025年のある日、片桐はゴミ捨て場で奇妙な存在・かえるくんに「30年前、あなたと⼆⼈でみみずくんから東京を救いました。再び僕を助けてください」と告げられ、戸惑いながらも再び戦いに挑むことになる。今回解禁された本編映像は、そんな片桐とかえるくんの対話シーン。片桐が暮らす漫画喫茶の一室に招かれたかえるくんが「30年前、神戸で大きな地震があったのは覚えていますか」と問いかけ、地下深くで東京に大地震を起こそうとした“ミミズ”との戦いを片桐に語り始める。
そして片桐の目に映るのは、珈琲カップがふわりと宙に浮かび白い箱へと姿を変えるという現実とも幻想ともつかない光景。かえるくんは続けて「世界はどんな風にも変えることができます。その箱の中も、あなたの想像力次第で何にでも変えることができるということです」と物語の深層へと観る者を誘うように語りかける。
奇妙でありながらどこか親しみやすいかえるくんと、戸惑いながらも対峙する片桐の姿は、物語が動き出す予感を漂わせる。かえるくんの声を演じたのんは、そのユーモラスでチャーミングな存在感に独自の温かみを吹き込み、映像に新たな生命を宿した。完成した作品を観たのんは「不思議な世界観を掌握する絶妙な余白に、ぐいぐい涙腺が刺激されました。素敵すぎて」と佐藤浩市との“声”を通じた共演に感動。さらに「分かりやすい映画だけでなくていい。見た人が感覚的に、肌で感じ取る映画が生み出されたことに心から感動しています」とコメントを寄せた。
のん コメント全文
ファンタジックなムードの中に、抗えない脅威に対する人の動き社会の動きを潜ませていて、これは一筋縄ではいかない作品だととてつもない緊張を感じました。
ですが言葉のつながりが心地よくて、観ていくうちにもっともっとこの作品の意味を知りたくなる。
片桐を演じていらっしゃる佐藤浩市さんの表現する切なさに、不思議な世界観を掌握する絶妙な余白に、ぐいぐい涙腺が刺激されました。素敵すぎて。
分かりやすい映画だけでなくていい。見た人が感覚的に、肌で感じ取る映画が生み出されたことに心から感動しています。