この1年間の自己評価は?手応えを確信した『セフ恋』を語る
「やればやるほど成長できるから、これからの自分が楽しみ」山下美月が忙しさに満足しない理由
2025.09.30 18:00
2025.09.30 18:00
「私なんて」は人に気を遣わせるだけの言葉
──川端先輩は、一樹のどこに惹かれたんでしょうね。
いち視聴者の目線から見ると、甘えですよね(笑)。安定した結婚がしたいけど、まだまだ異性からモテるんじゃないかという女としてあきらめきれない気持ちがあって。大人になると、どんどん刺激より安定みたいな思考になっていくと思うのですが、まだ川端さんは腹が括れていない。そこが彼女の未熟さなのかなって。

──人生イージーモードっぽい川端先輩が「私なんて」と言うところがすごく引っかかりました。
あれだけやることやっといて、最後にその言葉を言うのは本当に無責任だと思います(笑)。
──山下さんは「私なんて」って言ってしまうことはありますか。
私も自己評価は低いし、自己肯定感とかも全然ないのですが、「私なんて」って人に言うのは違うなと思っていて。結局それって「そんなことないよ」って言われ待ちじゃないですか。そこがズルいですよね。人に気を遣わせるだけだし、そうやって他人の優しさを無駄遣いすることが許せないので、私はあまり人に「私なんて」という言葉は使わないようにしています。
──なんでそう思うようになったんですか。
それこそ10代の頃は結構言っちゃってたんですよ。「自分なんて全然ダメなので何もできません」みたいなことを。でも、それで解決したこととかメリットになったことが一つもなくて。結局そんなことを言っているうちは前に進めない。自分の自信のなさは自分で解決する問題だから、人にそれを伝える必要はないなって考えるようになりました。

──わかる気がします。ずっと弱音を吐いて傷口を舐め合っていても発展性がないなって感じるときがあるので。
友達や親友に「最近落ち込んでて」とか「自分のこういうところがダメなんだよね」と聞いてもらうレベルだったら全然いいと思うのですが、でも最終的な解決は自分でしなきゃなって思います。
──自己評価が低いとおっしゃいますが、自分で自分を称える瞬間はありますか。
ファンのみなさんや周りの方々から「頑張ってるね」「忙しいのにすごいね」と言っていただくことがあって。その温かい言葉を否定するのは絶対に違うと思うから、1回受け入れるようにしていますが、心のどこかで「全然頑張ってない」「何にもすごくない」と思っちゃう自分がいますね。でもだからこそ、また次もそう言っていただけるように、もっと頑張ろう、もっと努力しなきゃと思える。
自分に厳しくて、なかなか自分を好きになれない人っていっぱいいると思うのですが、それを短所だと捉える必要はないんじゃないかなって。現状に満足しないことは、むしろ長所。そうやって発想を変えてみるだけで、自己評価は低いままでも、ちょっと気持ちが楽になれるんです。

──ちなみに、そんな山下さんが心にダメージを食らったときは、どうやってネガティブな気持ちを発散させるんでしょうか。
夜寝る前にお香を炊きながら泣きます(笑)。
──自分と向き合う時間をつくるわけですね。
はい。ヒーリングミュージックをかけながら、すっと一筋の涙を流して(笑)。ストレス発散と自己評価の低さってあまりつながらないというか。自分を好きになれないことと普段の仕事のストレスはまた別じゃないですか。自分が自分として生きていく上で、自分が嫌いというのはいちばんの問題。その問題は単にストレスを発散させるだけでは消化できない。ひとまずできることは夜一筋の涙を流すくらいしかない気がします。
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