Bezzy[ベジー]|アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

NEWS

共演は東出昌大、三浦涼介、大鶴佐助、首藤康之、加藤雅也

宮本亞門×成宮寛貴が25年ぶり再タッグ、三島由紀夫作『サド侯爵夫人』来年1月から上演

2025.09.26 04:00

2025.09.26 04:00

全ての画像・動画を見る(全16点)

三島由紀夫作、宮本亞門演出による舞台『サド侯爵夫人』が2026年1月8日(木)より東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて上演されることが決定。東京公演終了後は大阪・森ノ宮ピロティホール、愛知・とよはし芸術劇場、福岡・福岡市民ホール中ホールにて巡演される。

生誕100周年を迎え、数多くの作品が日本国内にとどまらず世界中で愛されている作家・三島由紀夫。翻訳上演されている作品の中でも『サド侯爵夫人』は、人間の心の奥底に潜む欲望や葛藤を美しくも残酷な言葉で浮かび上がらせる傑作として知られている。また、演出を手掛ける宮本亞門はこれまでも舞台『金閣寺』や『ライ王のテラス』、オペラ『金閣寺』や『午後の曳航』など、その深い洞察により多くの三島由紀夫作品に次々と息吹を与えてきた。

全3幕からなる本作の舞台は18世紀のフランス。第1幕はアルフォンス(サド侯爵)の妻・ルネの母親であるモントルイユ夫人が、数々の乱行と娼婦虐待により当局に追われていたサド侯爵の無罪を勝ち取るため、二人の女性を邸宅に招くところから始まる。一人は敬虔なクリスチャンのシミアーヌ男爵夫人、もう一人は性的に奔放なサン・フォン伯爵夫人。モントルイユ夫人は彼女たちの力を借りて裏工作をしようとするが、ルネの妹・アンヌがイタリアでアルフォンスと性的関係を持ったことを知り激怒。裏工作を取り消す手紙を家政婦シャルロットに託し、国王にアルフォンスの逮捕と投獄を嘆願する手紙を届けに行くことを決意する。

第2幕はその6年後の1778年。ルネの計らいにより脱獄していたアルフォンスがモントルイユ夫人の策略により再逮捕され、再審で釈放が決まるも直後に王家の警官に捕らえられ、より厳重な牢獄へ送られてしまう。これが全てモントルイユ夫人の策略だと知ったルネ夫人は母に激しく詰め寄り、二人の間で激しい言葉の応酬が繰り広げられる。

そして第3幕の舞台は、フランス革命勃発から9ヵ月経った1790年4月のパリ。かつてサド侯爵を激しく嫌悪していたモントルイユ夫人は、革命という時代の変化の中で彼の出所を待ち望むようになっていた。一方のルネ夫人は、夫の釈放が近づく中で修道院に入ることを決意する。それは夫が獄中で書いた小説『ジュスティーヌ』を読み、サド侯爵がもはや悪行を超えた神の領域にまで達したと悟り、修道院で神意を問う決意を固めていたからだった。

本作ではサド侯爵自身は姿を見せず、その周りを取り巻く女性たちの会話劇により物語が展開。さらに今回はオールメール(全員男性)キャストとなり、ミシマ作品を知り尽くした宮本のもと、個性的な俳優たちが集結した。

18世紀フランスを舞台に、悪徳の限りを尽くしたサド侯爵を待ち続ける貞淑な妻・ルネ/サド侯爵夫人役に成宮寛貴、サン・フォン伯爵夫人役に東出昌大、ルネの妹・アンヌ役に三浦涼介、ルネの友人・シミアーヌ男爵夫人役に大鶴佐助、女中・シャルロット役に首藤康之、そしてルネの母・モントルイユ役を加藤雅也が演じる。なお主演の成宮寛貴は、2000年に宮本が演出を手掛けた『滅びかけた人類、その愛の本質とは…』で初舞台を踏み芸能界デビュー。本作で25年ぶりの再会となり、成宮自身12年ぶりの舞台で信頼し合っている2人の宿命ともいうべき再タッグが実現する。

25年ぶりの再タッグとなる成宮寛と、宮本亞門

実力派俳優の競演による物語で炙り出されるのは、愛や忠誠、道徳、そして人間の欲望と倫理の対立。宮本は今回の『サド侯爵夫人』について、「演劇的・装飾的なものを極力排除し、言葉の力だけで紡ぎ出す」と語っている。

コメント一覧

宮本亞門(演出)
念願であった日本演劇界の頂点とも言える、三島由紀夫氏の『サド侯爵夫人』を新たに創り出す喜びに胸が震えています。
成宮君をはじめとする個性あふれる俳優たちと共に、危殆と破壊の縁に立ち上がる高揚を、かつてない舞台として結晶させお見せします。
来年一月――破壊からこそ生まれる美の昂奮を、どうぞご期待ください。

宮本亞門(演出)

成宮寛貴(ルネ/サド侯爵夫人役)
再び舞台という“生”の場所に立てることに、静かな高揚を感じています。
『サド侯爵夫人』という極限まで研ぎ澄まされた世界の中で、人間の愛と狂気、そして内面に潜む声を辿っていく時間になると思います。
今回、12年ぶりに舞台に挑戦します。
三島由紀夫の戯曲に向き合うことは、俳優にとって大きな試練であり喜びでもあります。
鋭く精緻な言葉に呑み込まれるのではなく、自分の身体と声を通してどう響かせられるか──その覚悟をもって臨みたいと思います。
そして演出を務めてくださるのは、僕が俳優デビューした舞台でもご一緒した宮本亞門さん。
あのときから年月を重ね、25年ぶりに再びこのタイミングでタッグを組めることに、運命的な巡り合わせを感じています。
俳優という仕事に再び身を委ねるなかで、今の自分だからこそ触れられる感情や言葉があると信じています。
劇場という濃密な空間で、観客の皆さんと同じ時間を生きられることを心から楽しみにしています。

成宮寛貴(ルネ/サド侯爵夫人役)

東出昌大(サン・フォン伯爵夫人役)
世界の演劇界に燦然と輝く傑作『サド侯爵夫人』に出演出来ますことは、私の俳優人生に於いての誉れです。
また『豊饒の海』の舞台を共に作り上げた盟友、首藤さん、佐助と再びご一緒出来る喜び。
そして、初めてお目見えする宮本亞門さん、加藤さん、成宮さん、三浦さんとの邂逅。全てが楽しみで仕方ありません。
十代後半より三島由紀夫作品を愛読して参りました。
その後役者になり、舞台『豊饒の海』や映画『三島由紀夫VS東大全共闘』などの作品で“三島”に関われる機会に恵まれてきましたが、この令和の世に『サド侯爵夫人』を男性キャストで公演すると聞いた際は、魂の微振動を感知したことを覚えております。
絢爛豪華な美文に負けぬ熱演を致します。

東出昌大(サン・フォン伯爵夫人役)

三浦涼介(アンヌ役)
「サド侯爵夫人」ルネの妹。アンヌ役を演じます。三浦涼介です。
三島由紀夫生誕から100年。そのような新たな歴史のスタートにこのような出演のお話を頂き心より感謝します。
宮本亞門さんとの出会いはずっと願って居た事であり、今回初めてお会い出来る事…僕自身とても嬉しく思っています。
サド侯爵夫人は三島さんの作品の中でも過去に数多くたくさんの方々がこの戯曲の夢を叶えてきた事だと思います。
読むごとに新たな発見を与えてくれる三島由紀夫作品ですが、三島さんの文学をどう紡いでゆき自分の身体や咽喉を使いアンヌの言葉を伝えていけるかワクワクしています。
出演者男性役者での上演。男性が女性を演じる事への美学やエロスも非常に興味深く、この時代だからこそ一歩も二歩も”前のめり”にこの作品の持つ魅力が溢れ出てくるんでは無いでしょうか。そして舞台という魅力も。
僕自身、近年舞台に多く立たせて頂いて居ますが、やはり劇場で生でその全てを目撃して頂きたいと心から思います。
そこには何のフィルターも無く、その場でお客様と共に作品を作り上げる。お客様が着席されて初めて完成する瞬間があります。そう考えると毎日が初日になるわけですが、ドキドキしますよね。そのドキドキを共にその日を心待ちにして頂けます様に。精一杯に心を込めて演じて参ります。

三浦涼介(アンヌ役)

大鶴佐助(シミアーヌ男爵夫人役)
サド侯爵については初め性的倒錯者としての印象が強かったのですが、宗教や道徳などの固定概念の全面的否定や徹底的な自然主義など、本人の絶対的な美学の上での行いだった事を知り、自分の中で見方が少し変わりました。
「サド侯爵夫人」は全編女性の会話劇ですが、女性達の中に常にサド公爵が存在しているからかなのか、三島由紀夫の美学とサド公爵の美学が似ているからなのか、男性が演じると考えても台詞に違和感を感じませんでした。
三島由紀夫作品は「豊饒の海」以来ですが、戯曲を演じるのは初めてですので、三島の書いた台詞をどう立ち上げていくか今から楽しみです。

大鶴佐助(シミアーヌ男爵夫人役)

首藤康之(シャルロット役)
今回、宮本亞門さん演出舞台『サド侯爵夫人』に関わる事ができることを嬉しく思います!
私のキャリアはフランス人振付家モーリス・ベジャールさんが三島由紀夫さんをモチーフに創作した作品『M』からはじまりました。
未だミステリアスかつ不可解な事が多いこの作家の真実や愛に少しでも近づけることを願いながら、素晴らしい共演者の方々と丁寧に稽古をしてまいりたいと思っております。

首藤康之(シャルロット役)

加藤雅也(モントルイユ夫人役)
私が45歳で初めて舞台に挑戦してから、早いもので17年が経ちました。
これまで携わってきたのは、どちらかといえばエンターテインメント性の強い作品が多かったのですが、心のどこかで「いつかは三島作品やシェイクスピア作品のような芸術性の高い舞台にも挑戦してみたい」と願っておりました。
もしかしたらそのような機会は自分には訪れないのかもしれない……と半ば諦めかけていたところに、今回のお話をいただきました。
驚きと喜び、そして「果たして自分ができるのか」という不安がよぎりましたが、思わず「やります!」と即答してしまいました(笑)。
台本を手にした瞬間、セリフの多さに「これは大変なことになったぞ(笑)」と覚悟を決めると同時に笑みがこぼれ、まだ稽古もしていないのに早くも“セリフが出てこない夢”を見る始末。
夢に見るぐらい不安を抱いている自分に少し可笑しさを感じました。
もう後戻りはできません。全力でモントルイユ夫人と向き合い、皆さまに楽しんでいただける舞台をお届けできるよう励んでまいります。
全身全霊でモントルイユ夫人を演じきりたいと思っております。
温かく見守っていただけましたら幸いです。

加藤雅也(モントルイユ夫人役)

全ての画像・動画を見る(全16点)

作品情報

舞台『サド侯爵夫人』

舞台『サド侯爵夫人』

【東京】2026年1月8日(木)~2月1日(日)
紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

【大阪】2月5日(木)~8日(日)
森ノ宮ピロティホール
主催:関西テレビ/キョードー大阪/サンライズプロモーション

【愛知】2月13日(金)・14日(土)
穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
主催:サンライズプロモーション

【福岡】2月17日(火)・18日(水)
福岡市民ホール中ホール
主催:TNCテレビ西日本/サンライズプロモーション
協力:キャナルシティ劇場
後援:福岡市

チケット発売:2025年10月25日(土) 一般発売
チケット料金:11,000円/U-25 6,600円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書)

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

作:三島由紀夫
演出:宮本亞門
美術:久保田悠人/衣裳:ツグエダユキエ/照明:佐藤 啓/音響:鹿野英之/ヘアメイク:山本絵里子/演出助手:木村孔三/舞台監督:千葉翔太郎

出演:成宮寛貴 東出昌大 三浦涼介 大鶴佐助 首藤康之 加藤雅也
企画製作:tsp (トータルステージプロデュース)

演出家。1958年東京・銀座生まれ。
2004年には東洋人初の演出家としてオンブロードウェイにて『太平洋序曲』を上演し、同作はトニ
ー賞4部門にノミネート。
ミュージカル、ストレートプレイ、 オペラ、歌舞伎などジャンルを問わず幅広く作品を手掛ける。
2022年には、映画『ベストキッド』をミュージカル化した『カラテキッド』をセントルイスで開け、そのあとオンブロードウェイを目指す予定。
近年の作品として2025年6月、30年ぶりにメガホンを取った、北陸能登復興支援映画『生きがい
IKIGAI』監督・脚本・企画。
8月、戦後80周年祈念として沖縄で初めての舞台『生きているから〜対馬丸ものがたり〜』企画・
脚本・演出。
10月舞台『新 画狂人北斎』-2025-を演出する予定。
またこれまで演出した三島由紀夫作品は、舞台『金閣寺』、『ライ王のテラス』。オペラ『金閣寺』、『午後の曳航』がある。
近著『上を向いて生きる』(幻冬舎)。 テレビドラマ初出演としてNHK朝ドラ『ブギウギ』に作詞家の藤村役を演じた。

2000年、宮本亜門演出の舞台『滅びかけた人類、その愛の本質とは…』で俳優デビュー。
以降、ドラマ・映画・舞台に数多く出演し、幅広い役柄を演じてきた。
主演を務めたABEMAオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』で8年ぶりに俳優復帰を果たし、本作は12年ぶりの舞台出演となる。

1998年生まれ。埼玉県出身。2012年『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。『クローズEXPLODE』で映画初主演、近年の作品に、映画『デスノートLightup the NEW world』『聖の青春』『関ヶ原』『散歩する侵略者』『OVER DRIVE』、テレビドラマ『コンフィデンスマンJP』など。『聖の青春』では、第40回日本アカデミー賞優秀助演男優賞をはじめとする数々の賞を受賞。2023年、森達也監督の映画『福田村事件』に出演、歴史の闇に迫る骨太な社会派作品で再び存在感を示した。近年は俳優業と並行して関東近郊の山中に拠点を移し、自給自足に近い生活を送りながら猟師としても活動。この山での暮らしは、ドキュメンタリー映画『WILL』(24年)があり、彼の生き方そのものが注目を集めている。

1987年2月16日生まれ。東京都出身。
2002年、俳優デビュー。2010年より『仮面ライダーオーズ/OOO』アンク役で注目を集める。
主な代表作として、蜷川幸雄作品『私を離さないで』『ヴェローナの二紳士』、小池修一郎作品『1789 -バスティーユの恋人たち』、石丸さち子作品『マタ・ハリ』『オイディプス王』、藤田俊太郎作品『手紙』『Take Me Out』等がある。

1993年11月14日生まれ、東京都出身。
2005年、12歳の時に映画『ガラスの使徒』でデビュー。劇団ヒトハダ座長。近年の主な出演作に、舞台:『十二夜』(演出: 森新太郎) 『少女仮面』(演出: 渡辺えり) 『ヴェニスの商⼈』(演出:森新太郎)、劇団ヒトハダ第2回公演『旅芸人の記録』(演出:鄭義信)、『ハムレットQ1』(演出:森新太郎)、『ジャズ大名』(演出:福原充則)、NODA・MAP第26回『兎、波を走る』(演出:野田秀樹)、『サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー』(演出:白井晃)、『気づかいルーシー』(演出: ノゾエ征爾)、『パンドラの鐘』(演出: 杉原邦夫)など。

1971年11月11日生まれ、大分県出身。
15歳で東京バレエ団に入団、19歳で主役デビュー後、多くの古典作品や現代振付家の作品に出演。
2004年に同団を退団しフリーランスとなり、国内外で活動を続ける。
俳優としても多数の舞台に出演、演出も手がけている。
最近では映像分野にも進出し、その活動の場を広げている。
第62回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

1963年生まれ、奈良県出身。モデル活動を経て、1988年『マリリンに逢いたい』で俳優デビュー。現在は、俳優以外にFm yokohama「加藤雅也の BANG BANG BANG!」のラジオDJをつとめ、写真家としても活動の場を広げている。2025年の映画出演作品は、『REQUIEM~ある作曲家の物語~』、『長崎―閃光の影で―』、『僕の中に咲く花火』、『男神』、『By6am 夜が明ける前に』がある。今後の公開予定作品は、『爆弾』(10月31日公開)、『栄光のバックホーム』(11月28日)、『楓』(12月19日)がある。

RANKINGランキング

RELATED TOPICS関連記事

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram

COLUMN & SPECIAL連載&特集

ALL SERIES

RANKINGランキング

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram