監督の求める「パブリックイメージにない役」をそれぞれ体現
異なる母親像に挑んだ真木よう子、名取裕子、根岸季衣、村川絵梨 映画『金子差入店』場面写真解禁
2025.05.12 17:00
©︎2025「金子差入店」製作委員会
2025.05.12 17:00
5月16日(金)公開の丸山隆平主演映画『金子差入店』に出演する真木よう子、名取裕子、根岸季衣、村川絵梨の新場面写真が解禁された。
第29回釜山国際映画祭のコンペティション部門〈NEW CURRENTS〉に出品された本作は、刑務所や拘置所への差入を代行する「差入屋」の物語。厳しい審査や検閲がある差入のルールを熟知し、面会に行くことができない人たちに代わって面会室に出向く「差入屋」を営む家族の絆と、彼らが巻き込まれる不可解な事件を描く。
キャストには差入店の店主・金子を演じる丸山のほか、真木よう子、三浦綺羅、川口真奈、北村匠海、村川絵梨、甲本雅裕、根岸季衣、岸谷五朗、名取裕子、寺尾聰が集結。監督はオリジナル脚本も手掛けた新鋭・古川豪が務め、主題歌は古川監督が助監督を務めた『東京リベンジャーズ』シリーズで結ばれた縁でオファーされたSUPER BEAVERの「まなざし」に決定している。
今回解禁されたのは、生き様や母としてのアイデンティティなど全く異なった母親役を演じた真木よう子、名取裕子、根岸季衣、村川絵梨それぞれのカット。真木よう子が演じる差入屋を営む金子の妻であり一児の母の金子美和子は、監督曰く「美和子は、場面によって、気弱になったり強気になったり、気持ちの振り幅が大きな性格」。感情の起伏の激しさに共感ができなかった真木は、「明日のあなたと今のあなたは違う、それが人間というものですよね」という監督からの助言で腑に落ちたという。差入屋を営む金子の妻として、時には強く叱咤激励しながらも、毎日美味しいご飯を作り、優しく家族を包み込む美和子。写真には、生まれたばかりでまだ小さい息子の和真を愛情いっぱいに抱きかかえる美和子の姿が写し出されている。
名取裕子演じる金子容子は、差入屋を営む金子の母。夫はおらず、女手ひとつで育て上げた容子だが、男癖が悪く、若い男性に貢ぐために息子家族に金を無心する。金子はそんな母を煙たがるが、妻の美和子は「生きている間にしか会えないよ」と繋ぎ止める。今回解禁された場面写真は、息子家族から無心した金で貢いでいる若い男性と仲良く歩くカット。男性の腕を抱き笑顔で見つめる容子の表情からは恋心が窺える。息子の金子からすればどうしようもないような母親を演じた名取は、今回の役柄を「50年以上の役者人生の中で初挑戦」と公言。本作のキャスティングのテーマが「パブリックイメージにない役をやってもらうこと」だという監督の思惑通り、今までに見たことのない名取の姿を見ることができる。

根岸季衣演じる小島こず江は、本作の核ともなる少女殺害事件の犯人・小島高史の母で、容子と同じシングルマザー。『変な家』(24)や『サユリ』(24)などホラー映画での怪演に定評のある根岸が、今回の母親役でもインパクトのある演技を見せる。今回の場面写真は、これまでに解禁された場面写真とは打って変わって、フルメイクで綺麗な装いをしたこず江の姿をとらえたもの。このシーンでは、母親としての想いや苦悩を金子に吐露する。

村川絵梨演じる徳山詩織は、小島に殺害された少女・花梨の母。夫と娘の3人家族の比較的裕福な家庭で、娘にはいくつかの習い事に通わせていた。事件当日もいつも通り、学校帰り習い事に直行したはずの娘が帰ってこず、美和子や近隣の住民、警察へと助けを求める。そして翌日、無惨な姿となった娘と再会することとなってしまう。場面写真には、娘の遺体を前に泣き叫ぶ、心が引き裂かれるようなシーンが写されている。

映画『金子差入店』場面写真 ©︎2025「金子差入店」製作委員会