2025.03.25 18:00
2025.03.25 18:00
目まぐるしく勢力図が塗り替えられていく若手俳優の世界で、着実にポジションを固めているのが綱啓永だ。
『君の花になる』で人気に火がつき、『恋愛のすゝめ』で連続ドラマ初主演。昨年は『未来の私にブッかまされる!?』でNHKドラマ初出演にして初主演を務めた。注目の2025年は、Kōki,主演で話題の映画『女神降臨 Before 高校デビュー編/After プロポーズ編』に出演。情熱的な御曹司・五十嵐悠を演じ、渡邊圭祐演じる神田俊と恋のデッドヒートを繰り広げる。
ブレイク街道を邁進する一方、そのチャンスを掴むまでにはもがき苦しむ時期もあった。雌伏の時から今も変わらず綱啓永が大切していることとは、果たしてなんだろうか。

自分のことを真ん中の人間だと思っていない
──タイプの違う男子のどちらを選ぶかはラブコメ映画の王道設定です。その一翼を担うというのは、どういう気持ちでしたか。
超うれしかったですね。いつかこういう役をやってみたいと思っていたし、そろそろやらないととも思っていたので、このタイミングでできたことがうれしかったです。
──俊に負けない魅力を出していかないと、という意気込みも?
ありましたね。また圭祐さんがカッコ良すぎるんで。俊が氷なら、悠は炎。情熱的で感情がわかりやすいところが可愛らしいですよね。人間味のある人って愛されると思うので、そこは意識していました。
──確かに悠は麗奈に対する恋心をちゃんと言葉や行動で表現しますね。
悠の性格はわりと僕自身に近いなと思います。ここまでのストレートな言葉は使わないですけどね。スタンスとしては近いところがあるのかなと。
──じゃあ、たとえば想いを寄せている相手の心が別の男性のほうに傾いていたら?
僕だったら負けないように頑張ります。本当に好きな人ができた場合、告白してちゃんとフラれるところまでいかないとあきらめられないんですよ。だから、きっぱり無理ですと言われるまではいっちゃうかも。
──そこで注目したいのが、『Before 高校デビュー編』最大の山場である学園祭のシーンです。あそこで悠は、麗奈と俊が一緒にいるのを前にしながら歌うわけですが、実際に演じている身としてはどういう感覚でしたか。
あそこは俊と悠の友情が見えるめちゃくちゃいいシーンなんですよ。だけど、まあ、悠としては複雑な気持ちですよね。また歌詞がすごくリンクしていて。撮りながら、もう寂しくなっちゃって。すげえ、タイミングバッチリじゃんと思いました。
──『-50kgのシンデレラ』の綱さんのお芝居が好きで。今回もそうですが、切ない恋心を抱えた役が抜群に似合いますね。
本当ですか。うれしい。自分でもそう思います(笑)。こういう役を綱にやらせたいと思ってもらえる武器が一つあると強いと思うので、切ない役柄もできるぞというところをこの映画を通して伝えたいですね。

──自分ではなぜこういう役がハマるんだと思いますか。
僕は自分のことを真ん中の人間だと思っていないんですよ。自分が圭祐さんの位置の人間ではない、となんとなく思ってるところがあって。自覚してるからできるのかな。わかんないですけど。
──真ん中に行きたいなという気持ちは?
もちろん行けるなら行きたいですよ。でも、自分がいるべき位置というのはわかっているつもりなので、そのポジションでどう見せるかを大事にしています。
──そんな悠の見せ場となるのが、歌唱シーンです。
すっげえ気持ちよかったです! 人前で歌うのが好きなんだなって改めて思いましたね。僕自身が心から楽しんでやれたので、そこが悠の表情につながったのかなと。

──劇中で披露される『特別なんて』は3月26日にリリース。今回は五十嵐悠 starring 綱啓永名義ですが、いずれ綱さん自身の名義で音楽活動をするというビジョンもよりクリアになってきたのではないでしょうか。
いつかという思いはずっと持っていたので、その気持ちが増しましたし、何より僕はバンドが好きなんだなと改めて実感したというか。バンドならではの楽器の音が好きなので、いつか仲間とバンドをやりたいなという夢がますます強くなりました。
──めちゃくちゃ武道館似合いますもんね。立ってる姿が容易にイメージできます。
本当ですか。じゃあ、いつか立ちます(笑)。
──バンドが好きなのって音もそうですけど、綱さん自身が仲間を大切にされているじゃないですか。だからバンドならではの仲間感みたいなものに惹かれている部分があるんじゃないでしょうか。
それはあると思います。一昨年からバースデーイベントをやっていて、そこで生バンドをやっているんですけど、リハーサルと本番の2日間しかないのに終わった後の仲間感がすごいんですよ。それはバンドメンバーがみなさんいい方ばかりだからというのがあるんですけど、これを友達でやれたらどれだけ気持ちいいんだろうってずっと思っています。俳優仲間でバンドやりたいって言ってる人がいっぱいいるので、いつか実現できたらとひそかに夢を抱いています。

──そのときのポジションはやっぱりボーカル?
もちろんです!(笑)
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