2025.03.09 17:00
2025.03.09 17:00
現在放送中の日曜劇場『御上先生』で、松坂桃李演じる主人公・御上孝の兄、宏太を演じ話題を集めている新原泰佑。昨年は『インヘリタンス-継承-』や『球体の球体』といった舞台作品、駒木根葵汰とのW主演ドラマ『25時、赤坂で』などに出演し、その実力と知名度を大きく世に広めた注目の俳優だ。2020年に俳優を始めて今年5年目。自身の現在地をどのように捉えているのだろうか。

2024年は消したくない役に何人も出会えた
──3月にカレンダー「新原泰佑 2025.4-2026.3 calendar」が発売されるということで、まずは2024年の振り返りから始められればと思います。2024年は主演ドラマに主演舞台と、主演作も多かった1年だったかと思いますが、ご自身としてはどんな1年でしたか?
激動の1年でしたね。自分にとってターニングポイントになるような作品が多かったし、自分の中にずっと置いておきたい、消したくない役に何人も出会えた年でしたね。
──その役というのは?
舞台『インヘリタンス-継承-』のアダム/レオ、ドラマ『25時、赤坂で』の白崎由岐、舞台『球体の球体』の本島幸司ですね。

──では一役ずつ詳しく聞かせてください。まずは舞台『インヘリタンス -継承-』のアダム/レオから。
舞台『インヘリタンス-継承-』でアダムとレオという2役を演じたことは、自分の人生にとってすごく大きな転機になりました。“演じた”というよりも“生き抜いた”という感覚で。セリフをしゃべっていた記憶がないんですよ。いや、しゃべっているんですけど、そこにセリフという概念が存在しないというか。2役とも田中俊介さん演じるトビーという役に恋をするんですけど、あのとき僕は本気で好きになっていましたし、本気で嫌いになっていましたし、本気で傷ついていました。自殺するシーンでは本当に死んでやろうかと思うくらいボロボロになりました。こんなに入り込める役に今後出会えるのかなと思うくらいでした。それに『インヘリタンス-継承-』の作者であるマシュー・ロペスさんが日本にいらしたときに、「いつでも勇敢に」という一言をくださったんです。その言葉が僕の軸になりました。
──その言葉は、新原さんにとってどのような意味を持つのでしょうか?
僕はビビリで弱虫なんですけど、そんな僕に「勇敢に」という言葉がピッタリだなと思っていて。例えば新しい作品に入るときや新しい世界に飛び込むとき、舞台で言えば毎公演毎公演、違うお客さんに見られるわけで。そういうとき、怖くなったり不安になったりする瞬間があるんです。そんな、ちょっと「行きたくないな」って思ってしまったときとかに、強くしてくれる言葉です。
──素敵な言葉ですね。
はい。その一言をいただいたとき、号泣してしまいました。マシューには、自分が泣かせたのかと思ったようでめっちゃ謝られましたけど(笑)。その前にいろいろお話をさせていただいたのですが、僕は聞きたいことがあって、でも僕が聞くより前にマシューが「君が思っていることはこういうことだよね」って言ってくれたりして。僕の心の中を見透かされているような気がしたんです。そういういろいろなことが重なって思いが溢れて泣いてしまったんですが……通訳さんもパニックになっていました(笑)。でも本当に素敵な言葉をいただきました。

──続いては『25時、赤坂で』の白崎由岐。
今、「何かやって」と言われて最初にパッとできる役が白崎由岐だと思います。
──でも稽古期間があるわけでもないですし、演じていた時期は舞台よりも短いですよね?
はい。たぶん白崎は、今まで演じた役の中で一番自分に近いんです。あと、僕は漫画やアニメが昔からずっと好きだったので、漫画の実写に出られる喜びもあったし。だからこそ演じるために役を噛み砕こうとしたら、あまりにも自分と一緒過ぎちゃって「わかるわかる」「仕事をするうえで、それは生きづらいね」って。
──白崎くんも俳優ですしね。
それもあると思います。そもそも『25時、赤坂で』という作品もすごく好きだし、この作品で僕を見つけてファンになってくださった方も多いですし。それよりも前から僕を応援してくださった方にも、この作品からファンになった方にも、温め続けてほしいなと思う作品です。

──共に主演を務めた駒木根葵汰さんとも、いまだに交流している様子がSNSなどで見られますね。
はい。先日お誕生日でしたよね。おめでとう! ちなみに誕生日の0時ちょいすぎにはLINEしていますから! これからも仲良くしていただけたらうれしいです。
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