マーベル最新映画で新キャプテン・アメリカの吹替キャストに
溝端淳平にとって“ヒーロー”とは?俳優として受け継いでいきたいもの、声優業の魅力を語る
2025.02.25 18:00
2025.02.25 18:00
ここからさらにマーベルは広がっていく
──マーベルの歴史の中でも、アメコミ作品そのものも少し変わってきたり、新しいものが生まれたりする中で、溝端さんの感じるヒーロー作品の魅力とは何でしょう?
アイアンマンやスパイダーマンって非現実的な存在じゃないですか。でも、彼らを描く作品にしっかりとした人間ドラマがあって、ちゃんとキャラクターが生きているっていうので、リアリティを感じられると思うんです。
そういうものと一緒で、やはりヒーロー作品はアクションも勿論見ていて楽しいけど、作品の中で生きているキャラクターの葛藤だったり、MCUで繋いでいく人と人との想いだったりってものが継承されているのが、最近のマーベルの面白さだと思いますね。

──『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』では、主人公として活躍するサムのどんな魅力や活躍が見られますか?
今までの“キャプテン・アメリカ”……スティーブ・ロジャースは前に出て人を引っ張るタイプですし、時にはちょっと突き詰めすぎちゃうくらいストイックでした。そして、サムの良さはやはりその優しさですよね。もともと退役軍人のカウンセラーをやっていたこともあり、人の気持ちを察して優しく寄り添える。ただ、ずっと葛藤しているんですよね。
ずっとスティーブ・ロジャースと自分を比べて、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でサノスとの戦いを経験しているから、今後こんな強大な敵に自分が戦えるのか疑問に思って。それでも二代目ファルコンとなるホアキン(・トレス)が明るく励ましてくれたり、周りの人の助けがあったりして……まさに寄り添ってくれるし、僕らも寄り添いたくなるようなキャプテン像なんですよね。そこがサムの “新たなキャプテン・アメリカ”としての魅力だと思います。
本作ではそんな彼の成長も描かれます。たくましくてカッコ良いんだけど、たくましくいなきゃいけないんじゃないかっていう彼の脆さも垣間見えます。あと、今回ロスも面白いんです。

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──予告編で“レッドハルク”に変身していたシーンが話題を呼びましたね。
はい。本作のロスはグッとくるんですよ。サムが葛藤や仲間意識、継承ってキーワードを抱えている中で、本作はロスという一人の男の物語でもあると僕は個人的に思っています。そこにも注目して観てほしいと思います。
──本作はマーベルのシリーズ内でどのような立ち位置になる作品だと感じますか?
これまでの「キャプテン・アメリカ」シリーズに通じて現実味があります。アクションシーンもストーリーも個人的には「キャプテン・アメリカ」シリーズが大好きです。やはり自分たちの現実に近い感じがするからかもしれません。本作もそのシリーズの良さが出ていて、ドキッとさせられるような、“いま”についての物語となっています。だからこそ地に足のついた、今後のMCU全体を支える逞しい地盤になっていくと思います。ここから、いろんな意味でマーベルシリーズが広がっていくんだろうと感じていますね。
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