マーベル最新映画で新キャプテン・アメリカの吹替キャストに
溝端淳平にとって“ヒーロー”とは?俳優として受け継いでいきたいもの、声優業の魅力を語る
2025.02.25 18:00
2025.02.25 18:00
大ヒット公開中のマーベル映画最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』。スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)が背負っていた“キャプテン・アメリカ”の称号を、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で受け継いだサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)の物語が本作から本格的に始動する。
アメリカ大統領に就任したサディアス・ロス役を新たにハリソン・フォードが務めることでも話題を呼ぶ本作。誰が敵か味方かわからない中、巨大な陰謀とミステリーに巻き込まれるサムの吹き替えを務める溝端淳平に、役への思い入れやシリーズの魅力を語ってもらった。

わからないことが沢山あるから声優は楽しい
──サム・ウィルソン役を演じてもう10年以上になりますが、その時間を振り返ってみて感じるものとは?
やはりずっとアンソニーさんが演じるサムを見守りつつ、自分も演じてきましたが、ここ10年は大きな変革期でしたね。新たなキャプテン・アメリカとなり、しかも独り立ちしなければいけない。そして今回、彼の単独作品ができました。ちょうど昨年シンガポールで初めてアンソニーさんとお会いする機会があり、その時にお話をして色々伺うことができたんですけど、やはり並々ならぬ覚悟の上で演じられていることがわかりました。
(声優は)本当に特殊な仕事だし、特殊技能だと思います。それを10年以上という、年数で言えばすごく長い期間ですが、一作において沢山のシーンや何十行もの長いセリフ、台本一冊丸々をやったことは今回が初めてです。経験としてはまだまだかもしれませんが想いは強いです。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)は僕もずっと観ていたし、サムの今後をずっと期待していました。
本作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のお話をいただいた時は嬉しい思いと、やはりいざやるとなると背負っているものが大きいからこその難しさも感じました。収録をしながら、「自分は本当に駄目だな」と思いながら日々葛藤の連続でした。
──ご自身のお芝居と声の演技の違いや、挑戦的に感じた点を具体的にお聞かせください。
やはりお芝居っていうのは表情や空気感があるうえで、自分のセリフや演じる声を一つの表現方法とするんですけど絵を見ながら音に合わせるっていうのは、単純に技術として難易度が高いと感じました。映像と同時に秒数を見ながら、しかも生身の人間のお芝居に合わせてアプローチしていく作業って普段やっていないことなので、難しい。日本語訳を聞きながら、英語訳を聞きながら、「秒数を聞いていいの?字を追っていいの?」とか……そういうところにまず四苦八苦していました。
やはり思うのはこれまでお芝居をやってきたうえで、自分が今まで培ってきた技術──“俳優としての筋力”をどんなふうに使ったらこういう風に見えるって、日々調整しつつも、蓄積があるから何となくわかるんです。ただ、声優業に関してはまだわからない。どんな風に自分の体を使って、声で表現していいのか。これくらいの声で良いのか。普段話す時の声はこれで良いけど、マイクを通して絵の中に入ると、やはり自分のこのアプローチの仕方じゃダメだ、とか。そういうことが沢山ある分、挑戦自体はとても楽しいですね。

──ファンの一人として、そして長年シリーズに携わってきた立場から、ここ10年のマーベルを振り返ってどう感じますか?
僕が携わったのがまだ『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の前だったから、まさか世界中を巻き込んでここまで大きな存在になるとは思っていませんでした(笑)。期待もどんどん膨らむばかりですが、遂にあのサムが“キャプテン・アメリカ”としてスクリーンに帰ってくることに凄くワクワクしています。
今後の作品もいくつかすでに発表されていますが、例えばロバート・ダウニー・Jr.が戻ってくるって聞いて「どうなるんだ!」と思いました。大人になってここまでワクワクさせてくれるものって、なかなかないと思います。携われていることがとてもうれしいです。
次のページ