舞台『まつとおね』に懸ける想い、二人の友情に感じたことは
「正解がないことだから、考え続けたい」蓮佛美沙子が信じるエンターテインメントの持つ力
2025.01.29 18:00
2025.01.29 18:00
新垣結衣ちゃんは「実家」みたい(笑)
──まつとおねの友情にはどんなことを感じましたか。
お互い境遇が似ていたり、昔、隣同士に住んでいたこともあって、何でも話せる唯一無二の関係性だったと思います。きっとああいう情勢で、そんな友達関係を築けるのってすごく難しいことで。状況によって、時に憎しみを向けることにもなるけど、二人の間に嘘は一つもなくて、嘘偽りのない関係を結べたところにはちょっと羨ましさも感じますね。
──蓮佛さんは友達をつくるのは得意ですか。
全然得意じゃなくて。以前、『あさイチ』という番組に出させていただいたとき、視聴者の方に何か聞きたいことはありますかと言われて、友達のつくり方を聞きたいですと答えたくらい苦手です(笑)。
──とても明るくて健やかそうに見えるから意外です。
人と話すことはできるし、会話に困ることはないんですけど、そこから先一歩踏み込むのが苦手で、ご飯に行きましょうとか連絡先を教えてくださいとか、なかなか自分から言えなくて。どうしても窺っちゃうんですよね、相手は嫌じゃないかなとか、どのタイミングで言ったらいいんだろうとか。昔に比べたら、多少大人になって今はそういうハードルもわりと飛び越えられるようになったとは思いますけど、それでもつい気にしちゃうので、全然得意ではないです。
──じゃあ、いつもどうやって友達をつくっているんですか。
運良く誘っていただくパターンが多いですね。いちばん姑息な手法として、一緒に写真を撮って「画像送りたいから」ってLINEを教えてもらうやり方があったんですけど、最近は大体AirDropでってなっちゃうので困っています(笑)。
──「画像を送りたい」は「連絡先教えて」の言い換え表現として世に広まってほしいですね(笑)。
本当に(笑)。最近は図太くなったのか、作品終わりのタイミングを狙って聞けるようになりましたけど、それでもLINE教えてって言う瞬間だけ心拍数が上がっている自分がいますね。
大人になればなるほど友達の定義って難しくなるじゃないですか。学生の頃は週5で会ってると仲がいいって感じだったけど、今は月1でも十分仲がいいと思うし。そういう意味では、友達のハードルがちょっと下がった感じがして、そこは気持ちが楽になりました。
でも、友達はまだ言えるけど、親友はなかなか使えないですね。自分がそう思っていても、相手がどう思っているかわかりませんし。だからすぐ親友って言える人はすごいなと思います。
──そんな中であえて聞きますが、芸能界で仲の良い友達といえば?
新垣結衣ちゃんとはずっと仲が良いですね。何が良くて何が嫌かという常識的な部分がすごく近しい気がして。だからと言って全部が同じわけじゃないから、何か相談事をしたときは自分とは違った視点で話をしてくれるので、なるほどなって思うことも多いし。話し出したら朝までずっと話してることもあるんですよ。それでも最後にはまだ話し足りないねって感じになるから、なんでだろうねって二人でよく言ってます(笑)。
──お互いなんて呼び合うんですか。
最初は結衣ちゃんが年上なので、「ガキさん」と呼んでいたんですけど、「敬語じゃなくていいよ」と言ってもらってからは「ガキぽん」になって。今は「ぽんちゃん」って呼んでいます。もう原型がなくなってる(笑)。結衣ちゃんはいつも「蓮ちゃん」と呼んでくれますね。
──友達に救われた思い出ってありますか。
それこそ結衣ちゃんに助けられたことがありました。何年か前にすごく辛いことがあって。結衣ちゃんとは10年近い付き合いなんですけど、初めて結衣ちゃんの前で泣きながら話をしたんですね。そしたら結衣ちゃんが「辛かったね」っておもむろに頭を撫でてくれて。その手が、大丈夫だよって伝えたいけど、言葉だけじゃ足りないから撫でる、みたいな感じだったんですよ。大人になって、頭を撫でられることってないじゃないですか。だからうれしくて。結衣ちゃんは、友達というより、最近は「実家」みたいな感じです。
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