最大規模ワンマンに挑む注目シンガーが語る音楽活動への想い
「来てくれるみんなの“きっかけ”になれたら」SNSで火がついたSoalaが生のライブにこだわる理由
2025.01.20 18:00
2025.01.20 18:00
「すれ違い」のヒットでありのままでいいんだと思えた
──芸能の高校に通っていたということですが、そもそもアーティストや歌手を目指したきっかけは何だったのでしょうか?
歌を始めたきっかけと、歌手になりたいと思ったきっかけは違って、歌を始めたきっかけは小学生のとき。親友がいて、その子がなんでも比べたがりの子だったんです。私より顔が小さいとかそういうことをいろいろ言われていたので、その子に勝てるものが欲しいなって、小学生ながらに思った。その子はすごくかわいかったし、足も細いし、足も速いし、すごくうらやましかった。その中で、その子に勝てるものは何かないかと考えたときに、私は歌うことが大好きだったから、その子より歌が上手くなりたいって思いました。それをお母さんに相談して、お母さんの知り合いがやっているボーカル教室に通い始めました。それが歌を始めたきっかけです。
──それが小学生のとき?
ボーカル教室に通い始めたのは中学生になってからだったと思います。その教室の発表会では生徒の親御さんの前で歌ったのですが、そこで、私の歌を聴いて泣いてくださっている方や笑ってくださっている方がいるのを見て、歌で誰かの感情を動かせるってすごく素敵なことだなと思って。そこからいろんな音楽を聴くようになりました。その時期にテレビで見たAAAさんにすごく衝撃を受けて「歌って踊れるアーティストさん、カッコいい!」って思って。そこで自分でMVを見てダンスを覚えて、文化祭で友達と一緒に歌とダンスを披露したんです。そしたら、見ていた親友が泣いてくれて。そこで「私は、この子を感動させられるくらいになれたんだ」と思って、本格的に音楽の道を目指すようになりました。ただ……中学生のときに不登校になってしまった時期があって。
──そうだったんですね。
その時期に、森源太さんというシンガソングライターさんと、ロックバンドおかんというアーティストさんと出会って。彼らの、きれいに歌うことよりも、魂を込めて叫ぶように歌うライブに心がしびれて「私はこういう歌が歌いたい」ってすごく思いました。それまでは歌って踊るアーティストさんになりたいと思っていたけど、自分はこういうアーティストになりたいんだって。自分の中でそう定まってから自分の殻が剥けた。それがSoalaの原点です。
──Soalaさんは対バンライブの主催をするなど、ロックバンド的な活動をしてきている印象があったのですがルーツを伺って納得しました。
Soalaとして最初に所属した事務所で「かわいい系統のほうがいいと思うよ」と言われたんです。でも私はそれまでかわいいと言われたことなんてなかったし、「カッコいい」と言われるほうがうれしかったから、ちょっと戸惑ったんですけど……それはそれでやってみたいなと思って挑戦していました。その中で、パルクールの大会のテーマソングとして「Glorious」という曲をリリースさせてもらいました。とある人に、「一つの音楽ジャンルに囚われなくても良いのでは?」と言ってもらい、そこで、私自身が自分で縛っていたのかもと気づいたんです。「Soalaってこういう路線でいかなきゃいけないんだ」って自分で決めつけていたんだって。そこから自分はありのままでいいんだって、自分の方向性を見つけることができたなと思います。
──路上ライブを始めたときから、ずっと模索をしてきて、そこでようやく一つご自身で答えが見つかったと。
はい。
──そんな中で、2023年7月に発表した楽曲「すれ違い」がバイラルヒットしました。当時、ご自身ではそのヒットをどのように受け止めていましたか?
5ヵ月連続リリースの第一弾が「すれ違い」でした。連続リリースのためにたくさん曲を書いている時期で、「すれ違い」は、“絶対バズるだろう”とか“これは絶対にたくさんの人に聴いてもらえる”と思っていたわけではなかったんです。この曲は実体験をもとにしていて、自分の感じたことをそのまま書いたものだったんです。自分が思っているだけで、多くの人に共感してもらえるかはわからなかったけど、自分が実際に思ったということは、私以外にも、一人はこの思いをしている子はいるんだろうなと思って曲にしたんです。だから、まさかこんなにたくさんの方に聴いてもらえるとは思っていなかったですし、今でもたくさんの方に聴いてもらえているという実感があんまりなくて。だから嬉しいですけど、びっくりしたというほうが大きかったかもしれないです。
──そうだったんですね。気負うことなく、出てきたままに書いた曲がヒットしたというのは、自信にもつながったのでは?
はい。本当に自分のありのままを映した楽曲が、たくさん愛されたんだなと思うと、このままでいいんだって思えました。
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