73歳サモ・ハンも全力、谷垣健治が思考を重ねた『トワイライト・ウォリアーズ』メイキング解禁

2025.01.09 18:00

香港で広東語映画作品として歴代No.1の動員数を記録し、アカデミー賞香港代表にも選出された1月17日(金)公開の映画『トワイライト・ウォリアーズ決戦！九龍城砦』からメイキング映像が解禁された。

第77回カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーンおよび第37回東京国際映画祭にて上映され、世界中の映画ファンから大喝采を浴びた本作。ルイス・クーを主演に迎え、香港映画界のレジェンドであるサモ・ハンほか、アーロン・クォック、リッチー・レンなどの豪華俳優陣に加え、レイモンド・ラム、テレンス・ラウ、トニー・ウー、ジャーマン・チョン、フィリップ・ンら若手実力派がアクションシーンを盛り上げている。

監督は、2006年『ドッグ・バイト・ドッグ』で長編映画デビューし、同年にショーン・ユーと魔裟斗の共演作『軍鶏 Shamo』、2012年のジョニー・トー製作『モータ―ウェイ』などのアクション作品を手掛け、2021年『リンボ』で数々の映画賞を受賞した名匠ソイ・チェン。アクション監督には『るろうに剣心』シリーズほかドニー・イェン出演作品を始め、世界中に活躍の場を広げている谷垣健治。音楽は『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』など数多くの劇伴を手掛ける川井憲次が務めた。そして製作費の1／6とも言われる5,000万香港ドル（日本円＝約10億円）をかけて制作された九龍城砦のセットも見どころの一つとなっている。

本作の舞台はかつて無数の黒社会が覇権を争っていた九龍城砦。80年代、香港へ密入国した若者チャン・ロッグワン（レイモンド・ラム）は黒社会の掟に逆らったことで組織に追われ九龍城砦へ逃げ込む。仲間と出会い友情を育くむ中、九龍城砦を巻き込んだ争いが激化しチャンたちは信念を胸に命を懸けた最後の戦いに挑む。

今回解禁されたのは、本作の最大の見どころの一つであるアクションシーンのメイキング映像。九龍城砦を取り締まるロンギュンフォン（ルイス・クー）が突如迷い込んできたチャンを彼のアジトである理髪店で打ちのめすシーンや、ロンギュンフォンがタバコを投げてキャッチするまでの数秒でチャンは気づいたら店の床に叩きつけられているという彼の強さとスピードを表す名シーンは、初日の撮影で行われたという。

「香港の漫画っぽい作品にしたかった。ある程度リアルなアクションに漫画的な動作を多く取り入れた」と言うソイ・チェンに対し、谷垣はかなり試行錯誤を重ねたといい、タバコを投げるシーンは監督・キャスト含めで生み出し、チャン・ロッグワンが鉄柵にぶつかるシーンの回転は、アクションチームのアイディアに谷垣がさらに工夫を凝らし完成した。

さらにベテランチームは伝統的で屈強な武術を扱い80年代90年代のアクション映画を思わせる一方で、若手チームは刀・ナイフといった武器やバイク、パルクールといった特定の武術にとらわれない要素が取り入れられた。ルイスは「アクションに不慣れなキャストが多く、特訓するのは大変だった。幾晩も撮影して完成したシーンは1分。でも、苦労したからこそいいシーンになる」と撮影の凄まじさを語る。

また、映像にはチャン・ロッグワン役のレイモンド・ラム、ソンヤッ役のテレンス・ラウなどが不慣れなアクションに苦労する様子も。テレンス・ラウはナイフの使い手の役だが、メイキングでは何度も手からナイフを落とす様子が収められており、レイモンドは「今回のアクションはフルコンタクトだった。健治さんの要求水準はとても高いんだ。武術に詳しい人が見てもリアルな動きだと感じてもらいたかった」と語る。

このようにキャストたちが困難な状況下で何度もリハーサルを重ね、アクションのみならずキャラクターの内面を深く掘り下げることによって、キャラクターたちの抱える「葛藤」や「絆」がリアルに映し出されている本作。アクション監督を務めた谷垣は、「ルイス・クーもサモ・ハンも全力を出していた。どんな俳優でも同じ、全力を出したかどうかでアクションが決まる。最高に美しいと思うよ」と自信をのぞかせた。

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