NHK大河に続き昨年末のドラマ2作も話題な今旬俳優の素顔
原点は演じることへの“憧れ”と“楽しさ” 南沙良が出演作を重ねて変わったこと、変わらないこと
2025.01.04 12:00
2025.01.04 12:00
2024年は大河ドラマ『光る君へ』の藤原賢子役でも注目された南沙良。年末にはドラマ『わかっていても the shapes of love』『外道の歌』と2作の出演作が配信されるなど、まさに今“旬”といえる存在だ。前者では、傷つくとはわかっていても恋に落ちてしまう女性を、後者では、家族を殺害されたことから“復讐屋”に関わることになった引きこもり、という全く印象の違う役柄を演じている。
作品を重ねるごとに新たな表情を見せてくれる彼女が語る、演じることの面白さとは。
表現には「自分自身と向き合うこと」が必要
──『わかっていても the shapes of love』はもともと、リメイク元になった韓国版ドラマを観られていたとか。
そうなんです! 本当にたまたま、コロナ禍のときに観ていて、すごく素敵な作品だなと思っていたんですね。韓国ドラマが好きな方って、本当にたくさんいらっしゃるじゃないですか。なのでお話をいただいたときは、そういう方にも受け入れてもらえる作品になればいいなと思いました。
──自分が観たことがある作品の日本版に参加することで、プレッシャー的なものはなかったですか。
ありました。すごく映像も綺麗で素敵でしたし、そもそも韓国ドラマってすごく完成度が高いですよね。だから自分が日本版を演じることで、もとの作品を好きな方に受け入れてもらえるのか、そういう不安はどうしてもありました。
──南さんが演じられた美羽という役は、美術大学の助手として働く女性でしたね。演じられていかがでしたか?
個人的には、あまり……共感はできなくて(笑)。
──この作品に関するトークイベント等でも、そのお話はよくされていましたよね(笑)。
魅力的な子だな、とは思います。美羽はいろいろなものを諦めていそうで、実は全然諦めがついていない子だと思っているんですね。そういった面ではすごく人間らしくて好きだな、と思うんです。共感できないのは、主に恋愛面だけで……私、昔から恋愛マンガを読んでいても「当て馬タイプ」が好きというか。現実でも漣のような「ど真ん中のそっちには行かないだろうなー」というタイプなんですよね(笑)。
──横浜流星さんが演じる漣は宣伝等で「好きになったら痛い思いをするとわかっていても惹かれてしまう『沼男』」とも言われていましたが、多くの女性が「絶対行ったらダメだな」と本能的にわかるタイプですよね……。
そう、そうなんですよ! 何なら観た人は全員「そこは行ったらダメ!」って思いますよね(笑)。でも、恋愛に限らず「わかっていてもどうしようもないこと」って人には多かれ少なかれあって、私にも確かにあるんですよね。だからそういう感情を思い出しながら演じていました。
──舞台が美術大学ということで、創作への苦しみや葛藤みたいなところもきちんと描かれているのが印象的でした。
そこは今回、韓国版よりも深く描かれている部分じゃないかと思います。美羽の創作や自分の才能に関して「諦めているようで諦めきれていない」感じもそうですし、浅野竣哉さんが演じる颯のセリフで「表現は己と向き合うこと」という内容のものがあるんですけど、これは本当に共感しましたね。颯は仏像を彫るという形で表現していますけど、演じることも「自分自身と向き合わないと出せない表現」というのは必ずあるので。
──先ほど言われていましたけど、南さんが「わかっていてもやめられない」ことって何ですか?
……私、夜中にお腹が空くタイプなんですよ。「体に悪いなあ」と思いながらカップラーメンとか食べちゃうんですよね。しかも、スープにご飯とかも入れちゃったり。美味しいんですよね……やめられない。
──それはなかなかですね(笑)。
あと、「掃除しなきゃ」とか、「洗濯ものをたたまないと」思っててもできないとか。ご飯作って食器そのままだな……とか。今朝もそんな感じで……この話、していても大丈夫ですかね?(笑)
──大丈夫です!(笑)。でも南さん、作品を観ていると割と「クールビューティー」的なイメージを持っている方が多いと思うんですよ。なので今、伺った私生活とのギャップに驚いてます。
いや本当に、私生活はダメなんですよ……何もできない人なんです(笑)。休日も、朝早くは起きるんですよ。朝のうちにいろいろ済ませたほうがいいのはわかってるんですけど、現実は昼過ぎくらいまでノロノロして、夕方くらいにようやく家事に手を付けだして、みたいな感じです。
──でも、作品に入ると生活にエネルギーが割けないとか、そういうタイプなのでは?
それはあるかもしれないです。作品の方に集中しちゃうんでしょうね……そういうことにしておいてください(笑)。
次のページ