兄役は峯田和伸で妻役は夏帆、コメントと特報も解禁
甫木元空監督最新作『BAUS 映画から船出した映画館』来年3月公開決定、主演は染谷将太
2024.11.27 12:00
©︎本田プロモーション BAUS/boid
2024.11.27 12:00
甫木元空監督最新作『BAUS 映画から船出した映画館』が2025年3月21日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開することが決定し、メインキャスト情報とティザービジュアル、特報が一挙に解禁された。
本作は、多くの観客と作り手に愛された映画館「吉祥寺バウスシアター」の約90年に渡る物語。同映画館は映画上映だけに留まらず、演劇、音楽、落語など「おもしろいことはなんでもやる」という無謀なコンセプトを掲げ、多くの観客と作り手に愛されながら2014年に閉館するまで30年の歴史を築いた。そこから遡ること約90年、1925年に吉祥寺に初めての映画館”井の頭会館”がつくられ、1951年にはバウスシアターの前身となる”ムサシノ映画劇場”が誕生。この映画では、時流に翻弄されながらも劇場を守り続け娯楽を届けた人々の長い道のりを描く。
主演を務めるのは染谷将太。兄・ハジメと思いつきで青森県から上京し、成り行きで吉祥寺にできた初の映画館“井の頭会館”に勤めることになるサネオ役を演じる。兄のハジメ役にはロックバンド銀杏BOYZの峯田和伸。さらに井の頭会館で手伝いとして働くうちにサネオと出会い、のちに妻となるハマ役を夏帆が演じる。
活弁士として奮闘しながら、常に突拍子もないアイデアを持ち込むハジメ。そんな兄を堅実にサポートしながら、ある日突然劇場の社長に任命されさらなる発展を目指し始めるサネオ。そして二人をそっと見守りながら、持ち前の芯の強さで家族を支えるハマ。実力派俳優たちが生命力に満ち溢れた演技を見せる。
監督を務める甫木元空は、バンドBialystocksのボーカルとしても活動し、映画『はだかのゆめ』では小説も出版するなど、各界で活躍中。本作では『吉祥寺に育てられた映画館 イノカン・MEG・バウス 吉祥寺っ子映画館三代記』(本田拓夫著/文藝春秋企画出版部発行・文藝春秋発売)を原作に青山真治が着々と温めていた脚本を、2022年3月の逝去を機に甫木元が引き継ぎ執筆した。なお劇中の音楽は、吉祥寺バウスシアターや青山真治とも縁深い大友良英が担当する。
解禁されたティザービジュアルは、映画館の舞台に腰をかけるサネオの佇まいが印象的。大きなスピーカーが吉祥寺バウスシアターを彷彿とさせ、“「あした」は暗闇から始まる。”と添えられたコピーとサネオの表情とが相まって、まだ見ぬ未来への希望や静かな熱狂を感じさせる内容となっている。また、特報映像は井の頭会館に目を輝かせるサネオとハジメから始まり、懸命に活弁をするハジメや入り口で客を呼び込むサネオなど、映画館を中心に忙しない日々を送る様子が収められている。
併せてメインキャスト3名と甫木元監督からのコメントも到着。さらなる追加キャストは今後発表となる。
染谷将太(サネオ役)コメント
バウスシアターは私にとって青春の場所でした。いつも映画をみに行くと誰か友人がいて、語り合う、爆音映画祭に皆で集まり、心踊る。忘れられない劇場です。
そして敬愛なる青山真治さんの最後の本がバウスの映画だったという、この事実に脳天を殴られたような衝撃を喰らいました。プロデューサーの樋口さんが私に言うのです「青山の呪いに乗っからないか?」と。私にとっては最高な呪いでした。呪いにかかったその先に待ってくれていたのは甫木元空氏。最高な男なんです。最高な男の元に集まるスタッフと共演者の方々は勿論最高で、現場はまるで夢の中に飛び込んでいるようでした。その夢の時間を甫木元監督の寛大な心で全て包み込んでくれ、魂に火を灯してくれ、最高な映画を生み出してくださいました。映画が好きな方も、そうでない方も、いつかの記憶の旅をしに、劇場まで来てくださったら幸いです。
峯田和伸(ハジメ役)コメント
僕は吉祥寺バウスシアターで色んな映画を観ました。あの時、もしかしたら暗闇の空間で、僕も映画に見られていたかもしれない。映画は僕に歌い、映画は僕と踊った。バウスは生き物で、その時代その時代を生き抜いた。貧しさと寝て、戦争に食べられそうになり、吉祥寺という町で沢山のひとに愛された。この映画は、まさしくバウスがその長い人生を尽くす際にみた最後の夢。メリーゴーランドのような走馬灯。ぜひ体験してみてください。
夏帆(ハマ役)コメント
約 90 年にわたる長い物語、だれかの記憶の断片のなかで生きているような、なんとも不思議な感覚になったのを覚えています。
なくなってしまった何かに思いを馳せながら、淡々と穏やかに進んでいく撮影現場は、たくさんの映画愛で溢れていて、きっとそれが本編にも滲み出ているのではないかと思います。ぜひ公開を楽しみにしていただけたらうれしいです。
甫木元空監督 コメント
人と人とが暗闇の中で同じ光を見つめる。世界中どんな街にも存在する映画館という場で生きた何気ない家族の物語です。映画館が生まれ、大きくなり、そしてなくなるまでの物語。この普通で争っているのか睦み合っているのかわからない、けれどもそこにかすかな自由と幸福を見つけようと懸命に生きた、無数の(無名の)人々の思いがささやかな一本の映画になりました。たった一歩でも生きてる者と死んでる者とが前に進むために、喪失から生み出される死者を光でつなぎ止めて認識する。心から尊敬するキャスト・スタッフと共に、まるでこの物語を友人に紹介するように映画が作れた事がとても嬉しいです。