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英国メタルのレジェンドはロックの栄誉に興味はないと語る

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、アイアン・メイデンの殿堂入りを懇願

2024.09.06 21:00

2024.09.06 21:00

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政治的なメッセージとラップやメタルを融合させた革新的なサウンドで、1990年代を代表するミクスチャーロックバンドとなったレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。バンドの設立メンバーで、独特のギタープレイでも知られるトム・モレロが、レジェンドのメタルバンド、アイアン・メイデンのロックの殿堂入りを懇願している。

これまでにトム・モレロは、ロックの殿堂入り候補として見落とされがちなハードロックとヘヴィメタルのアーティストを擁護し続けており、2014年にはKISS、2021年にはオジー・オズボーン・バンドのギタリストだった故ランディ・ローズの殿堂入りを式典の檀上で任命する役割を担い、両アーティストがロック業界に遺した業績と遺産を称えた。一方でレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンも、2023年に殿堂入りを果たしている。

そんなトム・モレロは、2005年から殿堂入りの資格があり、2021年と2023年に候補になりながらも、その栄誉を逃したアイアン・メイデンこそロックの殿堂入りに相応しいと、米ポッドキャスト配信サービスPaltrocastの番組『Paltrocast With Darren Paltrowitz』で語った。

「メイデンはすごいぞ!しばらくバンドは、私の(ロックの殿堂入り)リストのトップにいる。私は任命者に選ばれて本当に恵まれていると思う。どれほど彼ら(トム・モレロが殿堂入りを任命したアーティスト)が幸運に感じているかは分からないが、ランディ・ローズにKISS、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、ラッシュ、ジューダス・プリースト、MC5に対する自分の想いを述べさせてもらえたことは本当に幸運だったと思う。だけど、次はアイアン・メイデンだ」

実際に、アイアン・メイデンは2025年ロックの殿堂入りの有力候補で、米クリーブランド州にあるロックンロールの殿堂博物館に設置された投票マシンでは、ブリンク182やモトリー・クルーといったバンドを抑え、アイアン・メイデンがナンバーワンにランクインしている。

しかし、アイアン・メイデンのフロントマン、ブルース・ディッキンソンは、バンドの殿堂入りに興味を示していない。以前にブルース・ディッキンソンはロックの殿堂について、「ロックンロールが顔に当たっても分からないような、尊大ぶったクソなアメリカ人に運営されている」と発言。さらに、「俺たちが殿堂入りしていなくてマジで嬉しいし、絶対に入りたくない。もし、候補になっても拒否するね。奴らは俺の死体を置こうとはしないだろうから」と語っていた。

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの大ヒット曲「Killing In the Name」
1984年にリリースされたアイアン・メイデン「Aces High」

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トム・モレロ

アーティスト情報

トム・モレロは、ロックンロールの変革パワーそのものを表す生きた証である。革新的なギターソロと轟音のようなコードで知られるモレロは、ソロキャリアにおいても、ロックバンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとオーディオスレイブのオリジナルメンバーとしても画期的なアーティストである。この2つのバンドは、複数のグラミー賞を受賞し、全世界でのアルバム総売上は、3,000 万枚となっている。彼のトレードマークである弾むようなスラップ、独特な雰囲気のあるディストーション、ターンテーブルのスクラッチ音のようなエフェクトは、90年代後半のレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのラップメタルのソニックアタックの重要な要素であり、モレロとバンドをグラミー賞受賞に導く要因となった。マルチ・プラチナムの成功を収め、ローリング・ストーン誌によって「史上最も偉大なギタリスト100人」の1人として認められるに至った。その影響力のある活動以外に、モレロの特徴的なギターは、スーパーグループ、プロフェッツ・オブ・レイジやストリート・スイーパー・ソーシャル・クラブでも聞くことができる。さらに、モレロは声高な政治活動家であり、ソロアーティストでもあり、2021年のコンパニオンアルバム『The Atlas Underground Fire』や『The Atlas Underground Flood』などのプロジェクトで本名を使用する前までの初期は、ザ・ナイトウォッチマンという名義で活動をしていた。

アイアン・メイデン

アーティスト情報

1975年にロンドンで結成、80年代初頭に起こったニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル・ムーヴメント(NWOBHM)を牽引し、80年代後半から90年代のメタル・ブームの立役者としてシーンに多大なる影響を与え、新世紀に入ってからもヘヴィ・メタル最大のアイコンとしてシーンに君臨し続ける、最も成功したメタル・バンドがこのアイアン・メイデンだ。

1980年に発表したデビュー作『鋼鉄の処女』を発表して以降、15枚のスタジオ作品と11枚のライヴ作品、その他ベスト・アルバムやボックス・セットなどを発表し、累計アルバム・セールスは9,000万枚を超え、ケラング!アワーズやメタル・ハマー・アワーズといったメタル系の賞はもちろんのこと、グラミー賞やブリット・アワードといったジェネラルな音楽賞も合わせおびただしい数の賞を受賞している。

オリジナル・ヴォーカリストであったポール・ディアノが『鋼鉄の処女』(80年)『キラーズ』(81年)の2枚のアルバムを発表した後に脱退、その後ブルース・ディッキンソンをヴォーカルに迎え、82年に3rd『魔力の刻印』を発表、この作品は全英1位に輝き、その後の快進撃に続いていく。83年には『頭脳改革』、84年に『パワースレイヴ』、86年に『サムホエア・イン・タイム』、88年に『第七の予言』とコンスタントの作品を発表、名実ともに「ヘヴィ・メタル」の最強バンドとしての地位を築き上げる。その後も90年に『ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイイング』、92年に『フィア・オブ・ザ・ダーク』を発表、その人気と実力を揺るぎないものとするが、ここでブルース・ディッキンソンがバンドを脱退、シーンに大きな衝撃を与えた。

その後バンドはブレイズ・ベイリーを新たなヴォーカリストに迎え、95年に『Xファクター』を、98年には『ヴァーチャルXI』を発表するが、ブルース在籍時の勢いはなく、しばしの低迷期を迎える。

新世紀を迎える頃、ブルース・ディッキンソンとギタリストのエイドリアン・スミスが復帰し、トリプル・ギター編成となったバンドは、2000年に『ブレイヴ・ニュー・ワールド』、03年には『死の舞踏』、06年に『ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス~戦記』とコンスタントに作品を発表し、新旧メタル・ファンを熱狂させ、ファンの世代交流を現実のものにする存在へと登り詰めていく。10年に発表した『ザ・ファイナル・フロンティア』は全英のみならず世界各国で1位を記録、全米でも4位、日本でも総合チャートで5位を記録し、その凄まじい人気を見せつけた。15年には16枚目のアルバムとなる『魂の書~ザ・ブック・オブ・ソウルズ~』をリリース。2週連続で全英1位、日本でもオリコン洋楽チャートで1位を記録、翌年4月には両国国技館公演で来日、公演日2日間とも即日完売の大盛況に幕を閉じた。18年にはワールド・ツアー「レガシー・オブ・ザ・ビースト」をスタート、これまで10年以上ライブ・パフォーマンスされていなかった楽曲を織り交ぜたプレイリストに世界中を熱狂の渦に巻き込んでいる。

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