2024.09.05 22:45
photo by Anton Corbijn
2024.09.05 22:45
サイケデリックなサウンドと電子音を駆使した演奏でファンを魅了し、英国を代表するプログレッシヴ・ロックバンドとして君臨したピンク・フロイド。そのギタリストとして知られるデヴィッド・ギルモアが、バンドのカタログを売却するとしてもその理由はお金ではないと語った。
ここ近年、大物アーティストのカタログ売却が次々に報じられている。ブルース・スプリングスティーンは5億ドル、キッスは3億ドルを超える巨額でカタログを売却して大きな話題となったが、ギルモアの目的は違うという。
そんな中、Rolling Stoneのインタビューでギルモアはカタログの売却について、「バンドを継続するための意思決定や、議論から解放されることが私の夢なんだ。経済的なものには興味がない。長いこと陥っていた泥沼から抜け出したいだけだ」と語った。
ギルモアが言及した“泥沼”とは、ピンク・フロイドの元メンバーであるロジャー・ウォーターズとの確執を意味しているものと思われる。2023年には、ギルモアの妻Polly Samsonが、ソーシャルメディアでウォーターズのことを「ユダヤ人嫌いのプーチン擁護派で女性蔑視派」と呼び、ファンをも巻き込んで大炎上に発展した。
2022年、ピンク・フロイドはカタログの売却を初めて検討したが、バンドメンバー間の内紛とウォーターズによる一連の扇動的な発言により話し合いは決裂。カタログの買収を計画していた企業は、交渉から撤退した。カタログが売却された場合、その価格は5億ドルに及ぶ見込みだったと伝えられている。
ギルモアは、2010年にチャリティライブに一緒に出演するほど仲が良かったウォーターズと、なぜ口も利かないほど仲が険悪になってしまったのかとの質問にも答えている。
「それはいつか話すことで、今はそのつもりはない。退屈だし、もう終わりなんだ。前にも言ったけど、私が30代の時に彼はグループを脱退したし、今や私は老いぼれだからね」
なお、ギルモアは通算5枚目となるソロアルバム『Luck and Strange』を9月6日にリリースする。