美と危うさを秘めたポスターを永瀬正敏が撮り下ろし
井浦新×水原希子共演、甲斐さやか監督が現代に突きつける命の問題作『徒花』予告編解禁
2024.08.29 07:00
©︎2024「徒花-ADABANA-」製作委員会 / DISSIDENZ
2024.08.29 07:00
甲斐さやか監督の最新作で、10月18日(金)に公開される日仏合作映画『徒花-ADABANA-』の予告編とポスタービジュアルが解禁された。
長編映画デビュー作『赤い雪 Red Snow』(19)が第14回 JAJFF(Los AngelesJapan Film Festival)最優秀作品賞を受賞するなど、繊細かつ圧倒的に作りこまれた世界観が国内外問わず高く評価される甲斐さやか監督。本作のタイトル『徒花(あだばな)』は「無駄な花」を意味する言葉で、甲斐監督はここではないどこかの物語を描くことで、今ここにある「怖さ」を突きつける。
主演は近年『こちらあみ子』(22)、『福田村事件』(23)、『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』(24)など、日本映画に欠かせない俳優・井浦新。井浦はプロットが出来上がる前から本作の出演を熱望したといい、同じく本作の世界に惚れ込んで参加を即決したのが、2021年に『あの子は貴族』で第35回高崎映画祭 最優秀助演女優賞を受賞した水原希子。さらに『ドライブ・マイ・カー』(21)での演技が国内外に高く評価された三浦透子、『三度目の殺人』(17)でブルーリボン賞助演女優賞、『最初の晩餐』(20)で第34回高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞した斉藤由貴、日本アカデミー賞を4度受賞した経歴を持つ永瀬正敏といった錚々たる実力派俳優陣が出演を熱望し、甲斐監督の最新作に集結した。
本作は甲斐監督が20年以上をかけ構想し書き上げたオリジナル作品で、満を持して現代に解き放つ命の問題作。「僕はあなたの一部ですから」とつぶやく、それ。「それ」とは、病にむしばまれた人間に提供される、もう一つの身体である。ウイルスの蔓延で人口が激減し、延命措置として上層階級の人間だけに「それ」の保有が許された。死が身近に迫る新次(井浦新)は、臨床心理士まほろ(水原希子)に自分の「それ」に会わせてほしいと懇願する。新次の「それ」は自分と同じ姿をしながらも、異なる内面を持ち、純粋で知的だった。「それ」と対面した新次は、次第に「それ」を殺してまで自分は生きながらえるべきなのか、心が乱されていく。
予告編と併せて解禁されたポスタービジュアルは、すでに解禁済みの第一弾キャラクタービジュアルと同様に永瀬正敏が撮り下ろした写真でデザインされている。なお、本作は75年の歴史の中で深田晃司監督『淵に立つ』『よこがお』や早川千絵監督『PLAN75』などが選出されたフランスの国立映画映像センターCNCの対象作品となっている。