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INTERVIEW

舞台『みわこまとめ』主演と演出家が目指すエンタメ像とは

山西竜矢×大西礼芳の同世代トーク 新しくも古くもない、自分たちだからできること

2024.08.29 17:00

2024.08.29 17:00

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大西さんはユーモラスに見せるのが上手

──夢を追うフリーター。仕事のできるサラリーマン。売れかけのホスト。実和子は、次々とダメな男と恋におちます。

大西 嫌ですよね。自分だったら近づかんといてって思いますけど(笑)。

山西 あはは。近づかんといて(笑)。

大西 でも、弱さを見せられると、自分の中で正義感が生まれて、その人から離れることが罪のように感じてしまう。その気持ちもわかるので、実和子は優しいなって思います。

──こういう男は信用しちゃいけないという恋愛訓はありますか。

大西 え。難しいな。何だろう…。

山西 でも、根本的にあんま信用しちゃいけないと思います。

大西 あはは。

山西 恋愛関係になる前って、仕事場とか社会的な場所で一緒にいることが多いじゃないですか。そこにいるときと、個人と個人になったときって、同じ人間やけどやっぱり別人で。恋愛面がダメでも、職場ではあの人仕事しっかりしててレス早いんだよねみたいな側面がおそらくあると思うんです。そういう意味では、男女に関わらずどんな人もすぐ信用すべきではないというか。疑い深過ぎるかもしれないんですけど。

大西 信用しちゃいけない人かあ。……お金貸してくれって言ってくる人?

山西 それは絶対ダメやな(笑)。

大西 そこだけかな。

山西 そこだけなの? 騙されるで、そこだけやったら(笑)。

──とはいえ、恋におちる手前まで進んでいると、簡単に引き戻せないのも事実です。今のお話を聞く限り、大西さんはそこで勢い任せに恋に落ちられるタイプではなさそうですね。

大西 違いますね。10代の頃とか、初めて恋愛すると興奮状態に陥って、もうこの人しかおらんってなっちゃうかもしれないけど、今はわりと冷静かもしれないです。

──実和子のすごいところは、アラサーになっても恋愛のエネルギーが衰えないところです。

大西 すごいと思います。ずっとマジックがかかってるというか。

──山西さんの10代の頃はいかがでしたか。

山西 僕は中学生の頃、あゆ(浜崎あゆみ)が超好きで。マインドは意外とギャルなのかもしれないです。あゆってよく「僕たち」という歌詞を書くんですけど、あの「僕たち」に自分も含まれていると思っていました(笑)。

──大西さんが1990年生まれ。山西さんが1989年生まれ。この世代特有のカルチャーのバックグラウンドだったり共通の匂いをお互いに感じる部分はありますか。

山西 これは世代に関係ないのかもしれないですけど、役と役者さんの距離があるみたいな芝居のほうが好ましいなみたいな話をしていて、それは二人の中でわかるってなりました。そういう好みみたいなものはそんなに遠くはないやろなとは思うんですけど。

大西 あと、山西さんがもともと芸人さんをやってらっしゃって。私も小さい頃芸人なりたいなって思ってる時期があったので、コメディとか笑いに対する憧れや興味みたいなのものは似てるのかなと思います。

山西 お笑いしたかったんや。やってればよかったのに。というのも、大西さんすごく面白いんですよね。前回の『とりわけ眺めの悪い部屋』に出ていただいたときも、見てて面白かったから、ここ笑いになったらいいなみたいなくだりを大西さんにいっぱい書いていて、それが公演中ずっとウケ続けていたんです。ちょっと人とテンポが違うというか。話し方とか、声の雰囲気とか、表情とか、ユーモラスに見せるのが上手なんです。だから、見たかったかもしれないです、大西さんのネタ。

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作品情報

ピンク・リバティ『みわこまとめ』

『みわこまとめ』メインビジュアル

『みわこまとめ』メインビジュアル

ピンク・リバティ『みわこまとめ』

日程:2024年8月29日(木)~9月8日(日)
会場:浅草九劇

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

作・演出:山西竜矢
音楽:渡辺雄司(大田原愚豚舎)
出演:大西礼芳 三河悠冴 村田寛奈 うらじぬの 長友郁真 大石将弘(ままごと/ナイロン100℃) 池岡亮介 稲川悟史(青年団) 斎藤友香莉 山本真莉

1989年香川県生まれ。同志社大学法学部卒。
数年の俳優業を経たのち、独学で脚本・演出を学び、2016年演劇ユニット ピンク・リバティを旗揚げ。映像作品も手がけ、21年に初の長編映画『彼女来来』を公開。同作は若手監督の登竜門MOOSIC LABにて準グランプリ含む三冠を達成したほか、北米最大の日本映画祭 JAPAN CUTSで新人部門最高賞の「大林賞」を受賞するなど、高い評価を得る。その後も短編映画『テン・ストーリーズ』『母と牛と』監督・脚本、メイキングドキュメンタリー『生まれゆく日々』監督・構成、ドラマ『今夜すきやきだよ』『SHUT UP』脚本、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ジャズ大名』脚本など、ジャンルの垣根を超えて精力的に活動している。

1990年6月29日生まれ、三重県出身。
2013年に演技未経験ながら高橋伴明監『MADE IN JAPAN―こらっー』で主演でデビュー。
その後、土屋貴史監督『花と雨』では東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門正式出品、
鈴木卓爾監督『嵐電』では第11回TAMA映画祭最優秀作品賞/高崎映画祭最優秀作品賞を受賞した。
主な出演作品は、BS時代劇『あきない世傳 金と銀』(2023/NHK)、『夜明けまでバス停で』(2022)、映画『鯨の骨』(2023)『めぐる未来』(読売テレビ/2024)、映画『見知らぬ人の痛み』(2024)、映画『初級演技レッスン』(2024)。

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