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INTERVIEW

『インサイド・ヘッド2』吹替版キャスト2人の自然体トーク

表現者として必要な感情を一つ選ぶなら?大竹しのぶ&多部未華子が実践する自己肯定術

2024.08.02 19:00

2024.08.02 19:00

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大人になるということは素敵なことだと改めて思った

──本作では、ティーンエイジャーになったライリーに<大人の感情>が芽生えはじめます。今まで味わったことのない感情に振り回されるのは多くの人にとって通過儀礼。大竹さんや多部さんも思春期の頃にそんな経験をしたことはありますか。

大竹 私は16歳くらいからこの仕事を始めていたんですね。周りにはたくさん大人がいたので、いい子でいなくちゃとか、人からよく思われたいとか、理想の自分を頭の中でつくって、それに自分自身が縛られるみたいなところはあったかもしれない。

多部 ちょっと背伸びしたい年頃だったのは覚えています。周りの大人たちから質問されたことに対して、こう答えたらカッコいいかなって考えてみたり。映画の中でライリーが部活の先輩から好きな音楽を聞かれて、このバンドの名前を出したら子どもっぽく思われるかなとか、いろいろ考えるじゃないですか。あの感覚は私もよくわかるなと思いました。

大竹 そうなんだ。私は全然考えたことなかったから。

多部 もう細かくは覚えていないですけど、そういう日常の中の何気ない感情の揺れというのがあの頃にはあったと思うし。今振り返ってみると、そのすべてが成長の過程の一つだったんだなって、ちょっといとおしくなりますよね。

大竹 うん。感情の種類が増えて複雑になった分、面白いと感じることも増えた気がする。だって、本当に小さな頃は心配ごとなんて何もなかったし、人を羨むこともなければ、自分を恥ずかしいと思うこともなかった。でも、そういう感情が自分を豊かにしてくれる。だから大人になるということは、悩むこともあるけれど、素敵なことなんだと映画を観て改めて思いました。

──多部さん演じるシンパイは、最悪の将来を想像して、あたふたと必要以上に準備をしてしまうキャラクターです。お二人にもこうしたところはありますか。

大竹 私はまったくないんです。確かに将来のことなんて何もわからないけど、なるようになるさって思っちゃう。それは小さいときからずっとそうです。

多部 私は逆です。こうなったらどうしようというのをあれこれと考えてしまうタイプで。

大竹 えー。そうなの?

多部 でも最終的に面倒くさくなって、ダリィってなります(笑)。そうなったらもうあとは何とかなるかって開き直る。

大竹 それでいいと思う。わからないことがあったらわからないって言えばいいし、できないことを言われたらできないって言えばいいもの。

『インサイド・ヘッド2』より多部未華子が演じたシンパイ

──クランクインの前の日とか、稽古初日の前夜とか、眠れなくなるなんてことは……?

大竹 ないです(笑)。

多部 寝られますけど、心配だし、不安です。

大竹 あー、逆だ。私はずっとワクワクしてます(笑)。

多部 さすが大竹さんです。

大竹 じゃあ、多部ちゃんはそういうときどうするの?

多部 言っちゃいますね、共演者の方に。「すごい緊張してます」とか。口に出して伝えてしまうと、ちょっと気持ちが楽になれるというか。

──大竹さんみたいにポジティブになるにはどうしたらいいでしょうか。

大竹 え〜? 楽しいことを考えたらいいんじゃないかな。生きてると楽しくないこともあると思うんですけど、そういうことをやるときも何か一つ楽しいことを見つけてみる。それは結構得意かもしれませんね。

──舞台の本番で台詞が飛んだらどうしようとか考えません?

大竹 ないですね。

大竹しのぶが演じたカナシミ(左)とヨロコビ

──よく役者さんは台詞が飛んだ状態で舞台に立つ夢を見る、なんて言いますけど。

大竹 見たことないです。

多部 本当ですか?

大竹 え? ある?

多部 あります。でも確かに大竹さんはずっとルンルンされている印象があります。本番前も袖とかでずっとルンルンされてる(笑)。

大竹 1回だけそういう夢を見たことがあるんですけど、そのときはさあ舞台に出ようと思ったら、お姑さんが来たっていう夢で。出番まで5分前なんだけどなと思いながら、お姑さんにお茶を入れて。すみません、ちょっと出番なんで行ってきますって舞台に飛び出したら、歌舞伎だったの(笑)。

多部 あはは!

大竹 これ歌舞伎じゃん、と思って。どうしよう、お稽古してないし、歌舞伎なんてできないよ〜と思いながら見得を切るっていう夢を見て。図々しすぎるなと、起きてから反省しました(笑)。

多部 大竹さんは、見る夢のクオリティが私たちと違いますね(笑)。

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毎日を“ヨロコビ”で生きるためには

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作品情報

インサイド・ヘッド2

©︎2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

©︎2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

インサイド・ヘッド2

2024年8月1日(木)全国劇場公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

監督:ケルシー・マン
製作:マーク・ニールセン(『トイ・ストーリー4』)

日本語版声優:大竹しのぶ(カナシミ)、多部未華子(シンパイ)、横溝菜帆(ライリー)、村上(マヂカルラブリー/ハズカシ)、小清水亜美(ヨロコビ)、小松由佳(ムカムカ)、落合弘治(ビビリ)、浦山迅(イカリ) 、花澤香菜(イイナー)、坂本真綾(ダリィ)

日本版エンドソング:「プレゼント」Performed by SEKAI NO OWARI

大竹しのぶ

アーティスト情報

東京都出身。75年 映画「青春の門 -筑豊編-」のヒロイン役で本格的デビュー。その鮮烈さは天性の演技力と称賛され、同年、朝の連続ドラマ小説「水色の時」に出演し国民的ヒロインとなる。以降、気鋭の映画監督、舞台演出家の作品に多数出演、主要な映画・演劇賞を数々受賞。世代を超えて支持され続けている名実ともに日本を代表する女優。
近年の主な作品に、舞台「スウィーニー・トッド」 (24)、「ふるあめりかに袖はぬらさじ」「ヴィクトリア」「GYPSY」(23)、「女の一生」「ピアフ」(22)。映画「わたくしどもは。」(24)、「ヘルドックス」(22)。また「君たちはどう生きるか」(23)、「漁港の肉子ちゃん」(21)で声の出演がある。ドラマ「PICU 小児集中治療室」(22)、「海のはじまり」(24)など他多数。2011年に紫綬褒章を受章。2021年に東京2020オリンピック閉会式に出演。
著書に「ヒビノカテ まあいいか4」(幻冬舎)がある。NHK-R1「大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”」(毎週水曜21:05~)が好評放送中。11月には主演舞台「太鼓たたいて笛ふいて」を控える。

多部未華子

アーティスト情報

1989年1月25日、東京都生まれ。
2002年に女優デビュー。05年公開の映画『HINOKIO』『青空のゆくえ』でブルーリボン賞新人賞を受賞して注目を集める。09年にNHK連続テレビ小説『つばさ』のヒロインを務め、10年には『農業少女』で読売演劇大賞優秀女優賞・杉村春子賞、エランドール賞新人賞などを受賞。映画、ドラマをはじめ、舞台、CM、声優と多方面で活躍。近年の主な出演作に、ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(20年)、『マイファミリー』(22年)『いちばんすきな花』(23年)、映画『空に住む』(20年)、『流浪の月』(22年)、『遊撃/映画監督 中島貞夫』(23年)、舞台 NODA・MAP『兎、波を走る』(23年)などがある。

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