2024.06.07 18:00
2024.06.07 18:00
「ジャンル前田佳織里」を目指している
──「常識外れヒューマン」はTVアニメ『⽉が導く異世界道中 第⼆幕』第2クールEDテーマです。トリッキーかつユーモラスでありながらギャグではなく、スタイリッシュさも兼ね備えているという絶妙なラインの楽曲だと感じました。
まさに自分が「そう受け取ってくれたらいいな!」と思ってたとおりです(笑)。一見混ざり合うことのない「かっこいい」と「面白い」を両立させたかったんです。そのためにどれくらいの温度感で歌うべきなのかを考えて、最終的に弾けるところは弾けて、クールなところはクールに引き締めるというメリハリを効かせたら聴きやすくなったかな。「シュールだけどかっこいいよね、クールだよね」みたいなところがすごくクセになる曲だと思います。
──ユーモラスでクールでキュート。前田さんそのものですね。
自分で言うのもなんですけど、結構皆さんからもそう言ってもらえます(笑)。確かにわたしだから違和感なく歌えるところもあるのかな。
──ちなみにですが、前田さんは『ツキミチ』に声優として出演しているわけではないんですよね?
そうなんです。だから今回は音楽面から作品を盛り上げます!という気持ちで取り組みました。それがちゃんとできたのも、1st EP『未完成STAR』の経験があったからだと思うんです。やっぱり1st EPはアーティストデビュー作だったので、自分の歌声を探している最中だったんですよね。でも今回は、それがわかったうえでレコーディングに臨めたんです。アーティストデビューをしてみて、自分がもともと持っているがむしゃら感や芯の強さ……って自分で言うの恥ずかしいんですけど(笑)。
──(笑)。実際そうですから。
歌でもそういうものを曲に投影しやすいのかなとも思ったんです。だからほかの声優アーティストさんよりもちょっと強く歌って、ロックな部分を表現できたらなって。でも強いだけじゃなくてキュートなところも出して、どこか憎めない、強すぎない歌にできたらなと思っていますね。『ツキミチ』はコミカルな要素があるし、キャラクターもみんな個性的で一筋縄ではいかないので、そこがうまくリンクしたらいいなと思いながらレコーディングしました。
──ミュージックビデオではどんどん「常識」を破っていくシーンも印象的でしたが、前田さんの破りたい常識とは?
「ジャンル前田佳織里」を目指しているので、新しいことやほかの人がやっていないことをしたい欲求は強いですね。0から1を作るのは大変だけど、それができたら唯一無二になれると思うんです。そのためにも個性と流行はどちらも取り入れていけたらいいなって思います。
──おっしゃるとおり、時代の流れを自分なりに取り込んでいくと、不特定多数の人々に個性を好意的に受け取ってもらえる確率は上がりますね。
音楽からわたしのファンになってくれた方もいらっしゃるんです。わたしとしても幅広く知ってもらいたいですし、個性が立ちすぎて応援してくださる方を置いてきぼりにすることはしたくなくて。うまくバランス取りながら、自分の唯一無二を確立させていきたいですね。
──そんな前田さんならば、歌詞の通り《未来は問題ナイ》ですね。
小さい頃からずっと先のことを考えながら行動するタイプなので、どうにもならないくらい先のこと、それこそおばあちゃんになるまでの道のりを考えて「わたしこの先どうなるんだろう」と考えることもいっぱいあります(笑)。もともと「○歳までに絶対デビューする」と決めて、ノートに毎日やることリストを作ってたんです。でも突拍子もないきっかけで声優になっているので、人生予想通りにいかないことばかりですね(笑)。
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