映画『不死身ラヴァーズ』男性陣が導き出した答えとは
恋愛は人生に何をくれる?佐藤寛太×青木柚×松居大悟監督の「好き」にまつわる本音トーク
2024.05.14 17:30
2024.05.14 17:30
好きなら無視して生きるとか考えられない
──青木さんと松居さんは『アイスと雨音』以来です。
青木 松居さんの作品って、同じ年くらいの今気になる俳優さんが毎作品出てるイメージで。1回ご一緒したから、もう僕は呼ばれないんだろうなと勝手に思っていました(笑)。
佐藤 で、他の人が出ているのを見てシュンとしたりね(笑)。
青木 そうそう(笑)。だから、また出られたことが単純にうれしかったし、『アイスと雨音』が74分ワンカットという特殊なつくり方をしていたので、今回はどういう感じなんだろうと気になっていたんです。そしたら、松居さんは本読みのときもあの頃と変わらず、キャストすごく近い距離でお芝居を見てて。
松居 周りをグルグルしたりね(笑)。
青木 普通、監督って机に座ってるものなのに、松居さんはめちゃくちゃ地べたに座ってるし(笑)。その距離の近さみたいなものが変わらずだったことが印象的でした。
松居 柚とまたやるのはちょっと恥ずかしかったですね(笑)。でも、今回の役は絶対柚にお願いしたいと思っていたから参加してもらえてうれしかったし。柚とは今回この役はどうだとか、この作品はどうだとかはほぼ話してない気がする。
青木 ほぼ話してないですね。
松居 そういうデリケートなところをあえて話し合うのは野暮な気がして。読み合わせのときのお芝居を見たら大丈夫だと思ったから、信頼して見つめていました。
──本作は、想いが通じたら好きな人が消えてしまうお話です。みなさんは、両想いになったら消えてしまう人のことを、りのみたいにずっと好きでいられますか。
佐藤 仕方なくないですか、そんなの。好きになっちゃうんですから。
──でも、好きになってもいなくなるんです。
佐藤 だからと言って、無視して生きるとか考えられないです。好きなんですから。
──まあ、でもその人じゃなくたって、他にも誰かいるかもしれないじゃないですか。
佐藤 (4秒ほど考えて)……え〜〜〜????
一同 (笑)。
佐藤 好きにならざるを得なくないですか。蟻地獄みたいな感じだと思う。だって、目の前に現れるんだよ、突然。俺だったら「うお!」って絶対なるな。避けられない。
青木 ずっと好きでいますと口で言うことはできるけど、本当に想い続けられるかというと、そこまで信じられないかな、自分は。だから、寛太くんも、りのも、自分にないものをたくさん持っていて、すごくいいなって憧れる。
佐藤 でも好きになっちゃわない? 絶対なっちゃうよ?
青木 それで、自分がしんどくなる可能性もあるじゃん?
佐藤 しんどいでしょ。しんどいに決まってるよ。
──こんなに傷つくなら出会わなければよかったという気持ちになります。
佐藤 なりまくります。傷が無数に増えているわけです。
──だったら、その人のところへ行かなければいいじゃないですか。
佐藤 それは無理じゃないですか? だって好きなんですもん。
青木 その先の不安とかは無いの? 好きになったら消えてというループが永遠に続く可能性があるんだよ。
佐藤 そうだよね。でも、好きになっちゃうんだよ!
青木 そこがすごいわ。
──好きって、次第に鮮度が落ちていくものですし。
佐藤 この場合落ちない。だって一目惚れを繰り返すようなものだから。
松居 何度も恋に落ちるっていうね。
佐藤 何度も瞬間的に好きのピークを迎えるわけです。だから、もうどうしようもない。ただ、どれくらいのスパンで現れるかもよりますよ? 4年に1回だったら、それは勘弁してくれって感じだけど。
青木 え? 4年に1回の方が毎回新鮮な気持ちを保てない?
佐藤 え〜〜?? 面白いね、考え方が違いすぎて、同じことを話題にしてるとは思えない(笑)。
松居 僕も柚と一緒で、りのや寛太みたいな人への憧れがあったから、この作品をやりたいなと思いました。プラス、38歳にもなると、りのみたいな人が眩しすぎて。年をとると、好きよりも、生活とか相手の年齢とか、そういうことの方が大きくなって、迷いなく突き進めなくなる。映画でりのが立ち止まるニュアンスを入れたのは、好きという気持ちに向かってまっすぐに突き進むりのの眩しさをより際立てるためでもありました。
──ちなみに佐藤さんも27歳。20代後半を迎えていますが、今、松居さんが言ったような年をとったことによる好きという気持ちへの変化は感じますか。
佐藤 変わってないですね。僕、15くらいの頃から話してることはあんまり変わらないと思います(笑)。
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