映画『不死身ラヴァーズ』男性陣が導き出した答えとは
恋愛は人生に何をくれる?佐藤寛太×青木柚×松居大悟監督の「好き」にまつわる本音トーク
2024.05.14 17:30
2024.05.14 17:30
人間の持つ感情の中で「好き」ほど尊いものはないかもしれない。理由なんていらない。ただ好き。その純粋な気持ちは、人を元気にするし、今日をもっと楽しいものにする。
そんな「好き」の尊さを全身で浴びられる映画『不死身ラヴァーズ』が5月10日に公開。主人公・長谷部りのには“運命の相手”がいた。だけど、この恋が他の恋とちょっと違うのは、両想いになると“運命の相手”が消えてしまうこと──何度失っても、必ずもう一度見つけ出し、出会い直し、恋をする。りののまっすぐな「好き」のエネルギーは、きっと観る人の心をポップに彩るはずだ。
“運命の相手”甲野じゅんを演じるのは佐藤寛太。りのの親友・田中を演じるのは青木柚。そして監督は松居大悟。この3人による「好き」にまつわるボーイズトークをお届けしたい。
鎧を剥がすところからのスタートだった
──今回現場を一緒にしてみて、それぞれ相手への印象が変わった部分はありますか。
青木 寛太くんは変わらないなあ。
佐藤 俺も柚、あんまり変わらないかもしれない。
青木 お会いする前は、もっと寡黙な印象があったけど、実際に話してみたら生命力に溢れた人だなと。撮影のときもそうだけど、普段ご飯に行ったりするときも、すごく真っ直ぐ。でも、時々何考えてるんだろうって思うときがあって。
佐藤 そんなことある?
青木 僕が相談事とかすると、モードがパッて変わるというか。俯瞰で物事を捉えてる感じ。知れば知るほど、もっといろんな面があるんだろうなと思う。
松居 そういうところはあるね。寛太はいつも落ち着きがないから(笑)。
佐藤 落ち着きがないのは間違いないです。小学校のときから言われていました、落ち着きなさいって(笑)。
松居 こんな感じで、天然で、無邪気に見えるけど、実は結構本を読んでいて、知識も豊富だし、思考も深い。でもそれを初対面では感じさせない人ですね。
佐藤 僕にとっての松居さんは、作品を通しての印象しかなくて。だから本人に対して何かイメージがあったわけじゃないですけど、本当、友達のお兄ちゃんみたいな感じで、すごく接しやすかったです。
──じゃあ、現場もあまり緊張せずフランクな感じで?
佐藤 (クランク)インする前は緊張しましたね。松居さんは僕から見てレベルの高い人とお仕事されているイメージが強かったから、現場もレベル高いんだろうなとか、そういうことを考えて、ちょっとドキドキしました。
松居 他の現場でどういうお芝居のつくり方をしているのかはわからないので、じゅんという役だからだったのかもしれないですけど、寛太は最初、役を演じ分けなければという意識が強く見えたんですね。作品のために一生懸命そうしようとしているのはわかる。でも、僕自身は、そういうことは必要ないと思っていたので、今回はまず用意してきた鎧を剥がすところからのスタートでした。
──鎧を剥がすとは?
松居 この役だからこういう動きで、こういう仕草で、と彼が考えてきたものに対して、「いいんだけれど、もう一回」を繰り返して。そうやって全部の引き出しを開けて、もう他に開ける引き出しがなくなったところで、やっと“らしさ”が出てくる。
佐藤 もうわけがわからなくなっていくんですよ。
松居 そのわからなくなったところが自分らしさだから。それが出てきたら、次に行けるというか。今回は、そうやって役をつくっていきました。
佐藤 懐かしいですね。ということは、ファーストテイクより最後のテイクをオッケーテイクとして使うことが多かったですか。
松居 じゅんに関しては、そっちが多かったと思います。
佐藤 現場にいたときは、鎧を剥がされているという感覚はまったくなくて。だから、完成した映画を見て、ちょっと恥ずかしくなりました。俺、こんな感じだったんだって。
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