2024.05.05 17:00
2024.05.05 17:00
映画『青春18×2 君へと続く道』リレーインタビュー第2弾は、ヒロイン・アミ役を演じた清原果耶が登場。
カメラの前では神秘的な空気をまとう彼女だが、話しはじめると、よく笑い、くるくると表情が変わる。この瑞々しい感情表現が、つくりものであるはずのキャラクターに命の息吹をもたらしているのかもしれない。
主人公・ジミーの前に現れた日本人バックパッカーのアミ。清原が体現した淡く眩しいヒロイン像は、多くの人の心に息づく初恋の面影そのものだった。
アミとはスムーズに感情を共有できた
──アミはなぜ台南へ赴いたのか。実際に現地で撮影をして、台南の空気を感じることで、アミが台南に惹かれた理由を感じることはできましたか。
行ってみて思ったのは、台南って台北とも台中ともまた空気が違うんです。台北は賑やかで、台中は穏やか。そのいいとこ取りをしているのが台南という印象で。観光客の方いるけど、多すぎないからゆったりできる感じでした。私自身、いちばん馴染みが良かったのが台南でしたし、いろんなところに行って絵を描きたいというアミにとっても、その夢の温度感といちばんマッチするのが台南だったんだろうなと思いました。
──演じ手にとってロケーションは重要な材料の一つです。台南でお芝居ができたからこそ、アミらしく息を吸えたなと感じたところもありましたか。
あったと思います。私の撮影初日は日本だったんです。まだ台南にも行ってないのに、台南での日々を思い返さなければいけなくて、すごく難しかったんですけど。その後、実際に台南に行ってみたら、なるほどと腑に落ちる部分がとても多かったです。
街並みも人も温かくて。きっとアミはここで無理なく生きていたんだろうなと思えました。実際に台南で撮影した日々は、本当に贅沢な時間でした。
──ジミーに感情移入しながら観たからだと思いますが、清原さんの演じたアミはいろんな人の記憶に眠る初恋の面影のようでした。アミとしてカメラの前に立つ上で大切にしたことは何ですか。
喜怒哀楽をちゃんと表現するところが、アミの魅力。そこが周りの人からアミが愛される理由だと思ったので、アミとしてダイレクトに感情を受け取って、ダイレクトに感情を出すというのは意識していました。
──とても明るくて溌剌としていましたね。
たまに自分の性格を越えた明るさを持った役に出会うと、どうしようと悩むんですけど、アミとはスムーズに感情を共有できました。無理なく笑って楽しむことができたので、素敵な役に出会えて良かったなと思います。
──ジミー役を演じたシュー・グァンハンさんとのお芝居はいかがでしたか。
すごくナチュラルで穏やかで、丁寧に作品づくりをされる方だなと思いました。丁寧というのは、スタッフのみなさんとのコミュニケーションももちろんなんですけど、それ以上に感じたのが役への向き合い方。私が言うのもおこがましいですが、ジミーという役をちゃんと大事に愛していることが現場でお芝居を交わしていて伝わってくるんです。そういう方と出会うと、私も何ができるんだろうと考えさせられます。だから、毎日現場で会うのが楽しかったです。
──グァンハンさんとのお芝居だからこそ引き出された感情はありましたか。
全部だと思います。ジミーとアミの出会いに似たところがきっとあるんだろうなと思っていて。休憩中、ずっと他愛のない雑談をしていただけなんですけど、そんな時間もすべて作品につながるんだろうなと思いながら過ごしていました。
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