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INTERVIEW

⼩路紘史監督の新作ノワール『辰巳』で掴んだ手ごたえとは

遠藤雄弥×森田想、優しさで乗り越えた“邦画の壁”

2024.04.21 17:00

2024.04.21 17:00

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寒さもアクションも楽しさで乗り越えられた

──経歴を辿るとお二人は初めて映画に出られた年齢がほぼ同じなんですよね。

森田 私は最初『鈴木先生』かな?

遠藤 『鈴木先生』なんだ、すげえな!

森田 でもほんとワッてくらいです(笑)。

遠藤 そうなんだ。僕も13歳のときの『ジュブナイル』という映画でした。じゃあ想ちゃんは、『辰巳』のときには映画に出るようになって6年目とかだったんだ。

森田 でも短くないですか?

遠藤 いやいや(笑)19歳の時点で6年目って!

森田 バグってますね(笑)。不思議ですね、遠藤さんも長い間やられていて。

遠藤 長いだけ(笑)。

森田 でもうちもよく「長いだけなんだよね」って言う(笑)。

──現場で互いに影響を与え合ったことはありましたか?

森田 本当に真面目だな〜って思います(笑)。

遠藤 つまんねえ男だな!(笑)

森田 私は「?」が浮かんだときに「まあいいや、解決できる!」って聞かないことが多いんですけど、遠藤さんは小路さんと話すことによって役を作り上げる。辰巳という人物像について喋っている2人の風景がすごく記憶に残っているので、役に対しての思い入れもですし、向き合い方が本当にまじめな方なんだなと思いました。辰巳とはそんなに似てるところはないだろうから、葵よりも基盤的なものを作る作業が多かったと思うんですよね。

遠藤 僕は、逆に19歳の想ちゃんに胸を借りたというか。どうしても物理的に髪をつかんだりとか、突き飛ばしてしまったりとか、胸がきゅっとなるようなお芝居の中での表現が多い中で、文句一つ言わないんですよ。ただでさえ気を遣って演じなくてはいけないところを、それ以上気を遣わせない気持ちよさみたいな。それを僕はずっと現場で感じていて、いろんな素晴らしいところはあるけど、とにかく森田想っていうアーティストとのやりやすさ。本当に芝居がやりやすかったですね。

森田 アーティスト(笑)。キャストさんが全員一人残らず優しいんですよ。こんなに優しい人が集まることないくらい優しいんです。だから何しても誰かが受けてくれて、誰かがリカバリーしてくれる。

遠藤 そうだね。安心する感じがありましたね。

──強調しておいた方がいいですね。優しい人たちが集まって作られてるバイオレンス映画なんですって(笑)。

遠藤 (笑)小路さんが優しいからなあ。

──役者間のグルーヴのよさを感じたのも、優しさがあったからこそなのかもしれないですね。

遠藤 あと、あざとか作ってたわけですよ。膝擦りむいたりとかしてて。それでもデンとかまえて現場にいてくれたっていうのは、僕としては本当にありがとうございますって感じでしたね。

森田 楽しかったです。楽しいが第一に先行したので。

映画『辰巳』より ©⼩路紘史

遠藤 僕だけじゃなくて松本亮くんとか、もちろん倉本(朋幸)さんとかともアクションシーンはあったわけじゃないですか。寒かったりしてさ。すごいよね。

森田 乗り越えましたね。

遠藤 渡部(⿓平)さんともあるし、後藤さんともあるし。本当にみんなとだよね。

森田 辰巳はいつも仲裁的な役割でしたもんね。暴力じゃなくてオーラでかき消すみたいな。

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この作品に担ってほしい邦画の夢とは

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作品情報

辰巳

『辰巳』ポスタービジュアル ©⼩路紘史

『辰巳』ポスタービジュアル ©⼩路紘史

辰巳

2024年4⽉20⽇(⼟) 渋⾕ユーロスペースほか全国順次公開
⽇本|2023年|108分|カラー|シネスコ|R15+

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

遠藤雄弥 森⽥想
後藤剛範 佐藤五郎 倉本朋幸 松本亮
渡部⿓平 ⿔⽥七海 ⾜⽴智充/藤原季節
監督/脚本:⼩路紘史
撮影:⼭本周平 照明:⿃内宏⼆ 録⾳:⼤野裕之 美術:吉永久美⼦
リレコーディングミキサー:野村みき サウンドエディター:⼤保達哉 スタイリスト:⼊⼭浩章
⾐装:梶⼭ゆめ乃 メイク:齋藤美幸 特殊メイク:中垣瑛利加 ⾳楽:岡出梨奈/岩本裕司
編集:古川達⾺/⼩路紘史 助監督:芳賀直之 制作:梶本達希 原⽥康平
プロデューサー:鈴⽊⿓

1987年3月20日生まれ、神奈川県出身。2000年に映画『ジュブナイル』(山崎貴監督)で主人公の少年時代を演じ、映画デビュー。その後、連続テレビ小説「ちゅらさん」(01/NHK)など多くのドラマ・映画・舞台に出演。近年の主な出演作品として、映画『泣き虫しょっ たんの奇跡』(18/豊田利晃監督)、『空母いぶき』(19/若松節朗監督)、『無頼』(20/井筒和幸監督)などがあり、2022年には、第47回セザー ル賞オリジナル脚本賞を受賞した『ONODA 一万夜を越えて』21/ア ルチュール・アラリ監督)に主演。以降、『の方へ、流れる』(22/竹馬 靖具監督)や『ゴジラ- 1.0 』(23/山崎貴監督)ドラマ『虎に翼』( 24/NHK)など、多彩な作品に出演、今後も映画『室町無頼』(入江悠監督)他 出演作を多数控えている。

2000年2⽉11⽇⽣まれ、東京都出⾝。
2013年に『鈴⽊先⽣』(河合勇⼈監督)で映画デビュー。その後、『ソロモンの偽証<前篇・事件>/<後篇・裁判>』(共に15/成島出監督)や『⼼が叫びたがってるんだ。』(17/熊澤尚⼈監督)などに出演。2018年には、松居⼤悟監督の『アイスと⾬⾳』で初主演を務める。以降も『朝が来る』(21/河瀨直美監督)、『タイトル、拒絶』(21/⼭⽥佳奈監督)、『わたし達はおとな』(22/加藤拓也監督)、『THE LEGEND & BUTTERFLY』(23/⼤友啓史監督)など多くの作品に出演し、2023年には『愚純の微笑み』(宇賀那健⼀監督)で主演を務め、同年の主演映画『わたしの⾒ている世界が全て』(佐近圭太郎監督)では、マドリード国際映画祭外国映画部⾨にて主演⼥優賞を受賞している。2024年6月21日公開の映画『朽ちないサクラ』(原廣利監督)他、公開待機作多数。メインキャストで出演中の連続ドラマ『シークレット同盟』(ytv)が4月4日から、『滅相も無い』(MBS)が4月16日から、それぞれ放送中。

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