2024.01.26 16:00
『最高の家出』ポスタービジュアル
2024.01.26 16:00
2024年2月4日(日)より上演されるパルコ・プロデュース2024『最高の家出』の劇伴をceroのメンバー荒内佑が担当することが決定し、劇中曲デモ音源と稽古シーンが公開された。
本作で主演を務めるのは、2023年に結成15周年を迎えたももいろクローバーZのメンバーで、今回単独での舞台初出演となる高城れに。共演には祷キララ、東島京、尾上寛之、また劇団ロロからは板橋駿谷、亀島一徳、篠崎大悟、島田桃子、劇団ロロ常連の重岡漠が名を連ねた。
高城が演じるのは、結婚生活に疑問を感じ、家出をした立花(たちばな)箒(ほうき)。道中、無一文になり途方に暮れていたところ、出会った藤沢港(東島京)に「住み込みの働き手を探している劇場がある」と聞き、劇場を訪れる。そこで与えられたのは、舞台上に作られた“模造街”で、ある役を演じる仕事だった。
その劇場では1人の観客のために7ヵ月間かけてひとつの物語を上演しているのだが、港が家出したせいで箒は代役を務めるハメになり、舞台の主演蒔時アハハ(祷キララ)と箒はチグハグな関係のまま芝居を続ける。演劇と現実の区別がつかなくなった男、眠りを忘れて働き続ける裏方、舞台上だけ雄弁な言葉を失った俳優など、箒は奇妙で愉快な面々に振り回されながら次第に劇場での暮らしに心地よさを覚え、アハハとの友情を深めていく。そんなある日、劇場に箒の夫・向田淡路(尾上寛之)が現れ、さらに港も戻ってきて、“模造街”の秩序が崩れはじめる。
それぞれの”家出”が重なり合う本作の演出を手がけたのは、2009年に劇団ロロを立ち上げ、古今東西のポップカルチャーをサンプリングしながら描く世界観がジャンルを超えて注目される三浦直之。近年はドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』や映画『サマーフィルムにのって』の脚本、舞台『SLAPSTICKS』の演出を担うなど活動の幅を広げている。なお三浦は今回の書き下ろし最新作がパルコ・プロデュース公演初登場となる。
また、ceroの荒内が演劇の劇伴を作曲するのは初めての挑戦となり、楽曲数は全5曲を予定。ceroはメンバー3人それぞれが作曲、アレンジ、プロデュースを手がけ、声優の坂本真綾などに楽曲提供、Remixも行うなど、幅広く活動をしている東京発のポップバンド。以前劇団ロロの公演アフタートークのゲストとしてメンバーの高城晶平が参加するなど親交が深く、今回初のコラボが実現した。三浦直之もceroのライブを観て「曲ごとの情景の立ち上がりや、ライブを通しての物語の浮かび上がり、いたく感動した」と語っている。
三浦の作り出す現実と虚構の”家出”が入り交じる不思議な世界観を、ceroの多くの楽曲で作曲も手掛ける荒内佑が音楽で盛り上げていく。
荒内佑(cero)コメント
本作は様々な家出をモチーフにしつつ、「故郷の喪失」が物語の大きな基盤になっています。そして、故郷がどこでもない場所になってしまう、という経験を私たちは様々なレヴェルで日々しています。再開発によって、市町村の統廃合によって、震災によって、紛争によって、などです。全く今日的なテーマだと思います。ですが、解釈に溺れる前に、みなさんが客席で多く感受するのは舞台に溢れるユーモアだと想像します。ユーモアがこの物語の大きな駆動力になっている、といってもいいかもしれない。それが三浦さんのスタイルなのだと思います。音楽は、その一助になれていたら幸いです。
作・演出:三浦直之 コメント
前からceroの音楽のなかで演劇をつくるのは夢のひとつだったので、今回ceroの荒内さんが参加することが決まりサイコーに嬉しいです。歪さと可笑しさと懐かしさが入り交じる音楽を早く劇場で聴きたい! スーパーストレンジな音のなか、俳優たちが彷徨う姿を是非目撃しにきてください。