2024.01.16 19:45
出典:Luminate | 2023 Global Music Year-End Webinar
2024.01.16 19:45
ストリーミングサービスの普及により、新譜だけではなく過去のカタログ作品もほぼ無限に聴くことが可能になった。毎日大量に新曲がリリースされ、莫大な曲数が公開されているSpotifyやApple Musicのようなストリーミングプラットフォームだが、その多くが一度も再生されていないようだ。
音楽の聴かれ方をリサーチし、Billboardチャートにデータを提供している企業Luminateが先日公開した2023年のまとめデータによると、昨年リリースされた曲のなかで10億再生を突破したのは10曲のみ。そのデータに対して、全1億8400万曲のなかで再生数が10回に満たなかった曲が7950万曲も存在した。さらに驚くことに、全体の25%にも及ぶ4560万曲が2023年に一度も再生されなかったとのデータも公開されている。
また、2023年に100万再生以上ストリーミングされた曲は33万9410曲で、全体の0.18%となっている。膨大な曲数が公開され、聴く候補が無限にあるようにも思えるストリーミングプラットフォームだが、カタログ全体の82.7%が1,000再生に満たなかったようで、実質聴かれているのは全リリースのトップ数%のみということがわかる。
昨年の11月には、ストリーミングプラットフォームのSpotifyがアーティストに支払うロイヤルティの基準を見直すと発表しており、「過去1年間で1,000回以上再生された楽曲のみがロイヤルティ配分の対象になる」とのポリシーを公開していた。より多くの額をアーティストに還元するための施策だとSpotifyは答えているが、大半を占める規模感が小さめのアーティストが受け取るべきロイヤルティを人気アーティストに配分する形になるとの批判もアーティストからは集まっている。