リリース当時ファンの反応を見て泣いたと明かす
ナイル・ロジャースがダフト・パンクとコラボした「Get Lucky」で得た“学び”を語る
2023.10.26 18:00
Daft Punk - Get Lucky (Official Audio) ft. Pharrell Williams, Nile Rodgers
2023.10.26 18:00
1977年にベーシストのバーナード・エドワーズと共にファンクバンド、シックを結成し「Everybody Dance」「Le Freak」「I Want Your Love」「Good Times」などのヒット曲をリリースしてきたギタリスト、ナイル・ロジャース。2013年にリリースされたダフト・パンクの『Random Access Memories』に収録された「Get Lucky」「Lose Yourself to Dance」「Give Life Back To Music」にもギタリスト/ソングライターとして参加した彼だが、同アルバムの10周年記念インタビューシリーズの最新動画で当時を振り返った。
「ダフト・パンクの2人がニューヨークにきて、僕の家に遊びに来たんだ。みんなでとても楽しい時間を過ごして、そのときに言われた“Random Access Memories”のコンセプトに驚いた。彼らは、“まるでインターネットが存在していないかのような手法でアルバムを作りたい”と言っていて、僕は“オールドスクールなやり方だ。スタジオに入って演奏をする。いいね”って思った。それが僕の好きなやり方でもあった」
その後ダフト・パンクの2人と、かつてジミ・ヘンドリックスが所有していた伝説的なスタジオ「Electric Lady Studio」に入ったナイル・ロジャース。彼はダフト・パンクのトーマ・バンガルテルに通常のギターではなく、所持していた“プレキシガラス(アクリル樹脂)”のギターを持ってくるようにリクエストされ、その特徴的なサウンドがきっかけで「Get Lucky」のフレーズが生まれたとも明かしている。
その後リリースされた「Get Lucky」は瞬く間に広まり大ヒットとなったが、ナイル・ロジャースはリリース当初は同曲が残すインパクトに気がついていなかったともコメントしている。
「リリースされたとき、僕は自分のバンドでツアーをしていたんだ。でも“Get Lucky”があそこまで大きくなっていると気がついていなかった。ダフト・パンクが先にライブで披露するまでは、僕も“Get Lucky”もライブでやらないつもりだった。僕が先にライブでやってしまうと、シックのスタイルになってしまうから。
でも当時グラストンベリーでライブをした後、観客が僕の名前を何度も呼び、アンコールを求めたんだ。そしたらPAの人が、スピーカーから“Get Lucky”を流し始めた。僕らのセットには組み込まれてなかったけど、観客の全員が“Get Lucky”を合唱したんだ。その瞬間に涙が出てきて、僕はまるで赤子のように泣いたよ。僕は自分のことをロックスターのような存在だと思っていなかったけど、みんなはそう思ってくれていた。僕はみんなを心地よくさせるために音楽をやっているんだけど、それが一周回って、みんなが僕を心地よくしてくれたんだ。今までそのような体験はしたことがなかった」
「Get Lucky」はナイル・ロジャースにとって初のグラミー賞となり、彼は「ここまで自分の人生にとって大きなプロジェクトに参加できて達成感がある。初のグラミー賞は素晴らしく、もっと若いアーティストとコラボをする重要性を学んだ」と、同曲が開いた新たなドアも語った。