Bezzy[ベジー]|アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

REPORT

会見では自宅に暗室を作るほどの溢れるカメラ愛を語る

稲垣吾郎主演、写真館を舞台に幾重に重なる人生と心模様描く『多重露光』開幕

2023.10.09 13:00

2023.10.09 13:00

全ての画像・動画を見る(全21点)

稲垣吾郎が主演する舞台『多重露光』が10月6日に東京・日本青年館ホールにて開幕した。

フィルムカメラで写真を撮影する際、1枚撮影するたびにフィルムを巻き上げる必要があるが、それをあえて、もしくはうっかり、巻き上げずにもう一度シャッターを切ることで、1コマの中に2枚以上の複数枚の画像を重ねて写すことができる。全く違う写真の重なりが物語を感じさせる。予想外の写真を生む技法が、今回公演名に冠された「多重露光」だ。

稲垣吾郎(舞台『多重露光』公開舞台稽古より)

海の写真に人物を重ねると、海の中に人が浮かんでいるような写真が完成する。親子2人を撮った写真に、友人2人で撮った写真を重ねると……3人もしくは4人の家族写真のように見える。交わらないはずの人同士が、ふとしたきっかけで出会い、生まれるストーリー。自分で選んでつかんだ未来もあれば、想像していたものとは違う未来もある。人生も「多重露光」のようなものもかもしれない。

相島一之、稲垣吾郎

本作は横山拓也が書き下ろしたオリジナル作品で、眞鍋卓嗣が演出を手掛ける。稲垣演じる写真館の2代目店主・山田純九郎は、戦場カメラマンだった父(相島一之)には会ったことがなく、町の写真館の店主として人気のあった母(石橋けい)からは理不尽な期待を背負わされてきた。そんな純九郎が家族や愛を追い求める人生が描かれる。

稲垣吾郎、石橋けい

舞台は写真館の暗室からスタート。純九郎の過去と現在が順に描かれ、まさに“多重露光”のように純九郎という人物像が浮かび上がってくる。母親から「私のような人になるな。父親のようなすごいカメラマンになれ」と言われながらも、写真館の店主として、中学校の行事の写真などを撮る日々の中で“撮りたいもの”を探す純九郎。純九郎の苦悩は、ときに切実な語りで伝えられ、ときに相島と石橋との掛け合いで伝えられる。

写真館にやってきた菱森麗華(真飛聖)と息子・菱森実(杉田雷麟/※小澤竜心とWキャスト)と共に“多重露光”の写真を撮影したことで、物語はさらに加速。幼馴染(竹井亮介)や、取引先の中学校教員(橋爪未萠里)との軽妙なやりとりで笑いを誘う場面もあれば、純九郎が苦しみの先に写真を燃やす切実な場面も。家族とカメラを愛し、同時にそれらに悩まされる純九郎は、果たして撮りたいものが見つけられるのか。

真飛聖

会見では稲垣のカメラ愛が爆発

初日公演の前に行われた会見には稲垣、相島、真飛、そして演出の寘鍋卓嗣が登壇。眞鍋の演出を初めて受けたという稲垣は、ワークショップを受けるのも初めての体験だったと言い「ちょっと恥ずかしかった。でも経験がなかったので楽しかったです」と振り返る。また眞鍋の演出について真飛が「私たちが出したものを否定せず、プラスアルファで提案をしてくださるので、自信にもつながる。道しるべをくださるという感じなのですごくやりやすかった。みんなを大きな船に乗せて揺らしてくださっているような……」と例えれば、相島は「……で、気がついたら世界が立ち上がっているんだよね。これが“眞鍋マジック”だと思った。ちょっとびっくりした」と眞鍋の演出を説明した。そんな俳優陣の言葉を聞いた眞鍋も「今、お話にあったように、皆さん一緒になっていろいろ考えてくださって非常にやりやすかったです。人柄も良くてチームワークもばっちりです」とコメントした。

舞台『多重露光』初日前会見より

そのチームワークの良さは、会見での4人の和やかで自由なやりとりからも伝わってくる。MCから「カメラにまつわる思い出」を聞かれた際、相島が稲垣について「すごいんですよ」と言うと、そこから稲垣のカメラ好きが爆発。自宅に現像用の暗室があると明かせば、さらに相島が舞台小物として手にしていたライカを触って大興奮。稽古中には“稲垣吾郎カメラ講座”が始まることもあったそうで、演出の眞鍋は「助かりました」と感謝していた。稲垣のカメラ好きの一面に限らず、横山がキャスト陣に当てるように書いたという脚本は、本作の魅力の1つだ。

また役名の「純九郎」はズミクロンレンズを、「麗華」はライカをもじったもので、横山もカメラ好きだからこそのこだわりも詰まっている。稲垣はさらに「この劇を見て、フィルムで撮る楽しさにも興味を持っていただければ」とカメラ好きならでの目線でもコメント。会見の最後には稲垣が「僕が思うには誰もが抱えている過去への思いみたいなものに優しく寄り添ってくれる物語だと思いますし、改めて家族の大切さとか何より自分を愛することの大切さを感じられる作品になっていると思います」と本作の魅力をアピールした。舞台『多重露光』は、10月22日まで上演される。

演出の寘鍋卓嗣、真飛聖、稲垣吾郎、相島一之

全ての画像・動画を見る(全21点)

作品情報

モボ・モガプロデュース『多重露光』

『多重露光』チラシビジュアル

『多重露光』チラシビジュアル

モボ・モガプロデュース『多重露光』

【公演日程】2023年10月6日(金)~10月22日(日)
【会場】日本青年館ホール
【入場料金】S席12,500円/A席7,500円(税込・全席指定)
【企画・製作】(株)モボ・モガ

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

脚本:横山拓也
演出:眞鍋卓嗣
出演:稲垣吾郎/真飛聖 杉田雷麟・小澤竜心(ダブルキャスト) 竹井亮介 橋爪未萠里/石橋けい 相島一之 他

RANKINGランキング

RELATED TOPICS関連記事

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram

COLUMN & SPECIAL連載&特集

ALL SERIES

RANKINGランキング

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram