©2023「花腐し」製作委員会
2023.10.06 13:00
11⽉10⽇(⾦)より全国公開される綾野剛主演映画『花腐し』から新たなシーン写真が公開された。
本作は『赫い髪の女』(1979年)、『キャバレー日記』(1982年)など日活ロマンポルノの名作から、『ヴァイブレータ』(2003年)、『共喰い』(2013年)などの脚本を手がけてきた荒井晴彦による監督作品の4作目。芥川賞受賞の松浦寿輝による同名⼩説に“ピンク映画へのレクイエム”という荒井ならではのモチーフを⼤胆に取り込み、2人の男と1人の女が織りなす湿度の高い男女の物語を描く。
主人公・栩⾕(綾野剛)は監督だが、斜陽の⼀途にあるピンク映画業界でもう5年も映画を撮れていない。梅⾬のある⽇、栩⾕は⼤家から、とあるアパートの住⼈への⽴ち退き交渉を頼まれる。その男・伊関(柄本佑)は、かつてシナリオを書いていた。映画を夢⾒た2人の男の⼈⽣は⼥優・祥⼦(さとうほなみ)との奇縁によって交錯していく。
公開されたシーン写真は、いずれも降り続く⾬の中を彷徨う栩⾕の姿を捉えた5点。荒井晴彦の前監督作『⽕⼝のふたり』(2019年)の劇中で使われたモノクロ写真も⾼い評判を呼んだ写真家・野村佐紀⼦が撮影した。タイトルに引⽤された万葉集の和歌「花腐し」とは、きれいに咲いた卯⽊の花をも腐らせてしまう、じっとりと降りしきる⾬を表現しているが、シーン写真はそれを体現するかのように美しくも憂いを帯びている。