2023.05.30 15:00
©YAMAONNA FILM COMMITTEE
2023.05.30 15:00
2023年6月30日(金)より全国で順次公開される福永壮志監督の映画『山女』から本編映像が解禁された。
本作の舞台となるのは、18世紀末の東北の寒村。冷害に苦しむ18世紀末の村を舞台に、過酷な運命に翻弄されながらも、たくましく生きる女性を描くストーリー。
今回公開された映像では、主人公の凛(山田杏奈)と弟の庄吉(込江大牙)が、父親の伊兵衛(永瀬正敏)が寝静まった夜、囲炉裏のわずかな火を頼りにわらじを編む日常が描かれている。
家の前に落ちてきた雀の雛を埋めたと告げる庄吉は「その時思ったった、こいづはこれで終わりなんだべかどて。早池峰山さ行がねぇのがな?」と凛に問いかけ、「あそごさ行くのは人間の魂だけだ」と答える。庄吉が「人間なら、みんな行けるのが?」とたずねると、「罪人も善人も、貧乏人も金持ちもみんなだ。早池峰の女神様は誰だって迎えでくれんだもの」と穏やかな表情を浮かべながら凛は話す。
彼女がどんな理不尽な逆境の中でも早池峰山を心のより所として、ひたむきに一家を支えてきたことがうかがえるシーンであることが分かる。これらのセリフは全て岩手県遠野市の方言である遠野弁。
福永監督が脚本の段階でセリフを遠野弁にし、「遠野弁の方言のセリフを方言の先生に発音してもらったものを録音して、俳優の皆さんと共有して、撮影前にしっかり準備してもらいました」と方言へのこだわりをみせた。福永監督はこの“遠野弁”が作品の世界観を構築するための重要な要素であることを明らかにした。これに対して山田杏奈は、「遠野弁のセリフを話すことで、あの時代のあの世界に生きている子だという自覚も芽生えた」と話した。