スティング(Photo by: Eric Ryan Anderson)
2023.05.19 17:30
ポリスのベーシスト兼ボーカルとして活躍し、ポリス活動休止後はソロアーティストとして数々の功績を残してきたスティング。世界中で人気を誇る伝説的なアーティストだが、音楽作品におけるAI技術の使用を批判した。
近年オアシスの再結成を望むファンがAI技術でリアム・ギャラガーの声を再現した架空のアルバム『Aisis』が話題になったり、〈ユニバーサル・ミュージック〉がAIによって生成されたザ・ウィークエンドとドレイクの偽の楽曲の販売停止を申し入れたり、毎日のようにAI技術が話題になっている。先日BBCに出演したスティングは、人間の財産を守らないといけないとコメントしている。
「音楽を作る基礎は私たち人類のものだ。これから数年で私たちはAIから人間の財産を守るために闘わないといけないだろう。CGを多用した映画を見る感覚に似ていて、心は動かされない。CGで作られた画像や映像を見るとすぐに飽きるんだ。だからAIによって作られた音楽に対しても同じような感覚になるんじゃないか。もしかしたらEDMのようなジャンルだったら上手くいくかもしれないけど。でも感情を表現する歌の場合、AIが作ったものには心は動かされないだろう」
AI技術の音楽使用について語ったスティング。ペット・ショップ・ボーイズのフロントマンであるニール・テナントは以前、「AIは人間がスランプを抜け出すためのツールにもなる」と発言していたが、その発言に対してスティングは「ツールは便利だけど、そのツールを操作して運転するのは私たち人間じゃないといけない。機械にコントロールさせてはいけないし、我々は気をつけないといけない」とコメントしている。