2023.05.17 12:00
©2022 映画「波紋」フィルムパートナーズ
2023.05.17 12:00
5月26日(金)より公開される荻上直子監督の最新作『波紋』から本編映像と場面写真が公開された。
本作は荻上監督のオリジナル最新作にして、監督⾃⾝が歴代最⾼の脚本と⾃負する絶望エンタテインメント。主演に筒井真理子を迎え、光石研、磯村勇斗、柄本明、キムラ緑子、木野花、安藤玉恵、江口のりこ、平岩紙が出演する。
須藤依子(筒井真理子)は“緑命会”という新興宗教を信仰し、日々祈りと勉強会に勤しみながら、ひとり穏やかに暮らしていた。ある日、長いこと失踪したままだった夫・修(光石研)が突然帰ってくるまでは。自分の父の介護を押し付けたまま失踪し、その上がん治療に必要な高額の費用を助けて欲しいとすがってくる夫。障害のある彼女を結婚相手として連れて帰省してきた息子・拓哉(磯村勇斗)。パート先では癇癪持ちの客に大声で怒鳴られる。自分ではどうにも出来ない辛苦が降りかかる依子。彼女は湧き起こる黒い感情を、宗教にすがり、必死に理性で押さえつけようとした。
監督は須藤家を通して、現代社会の闇や不安と女性の苦悩を淡々と、ソリッドに描き出す。放射能、介護、新興宗教、障害者差別といった誰もがどこかで見聞きしたことのある現代社会の問題に次々と翻弄される須藤家はまさに社会の縮図と言える。
解禁された本編映像は、筒井真理子演じる依子が心の拠り所とする“緑命会”で信者とともにホームレスに炊き出しのボランティアをするシーン。そこで依子の夫・修が癌であることを知った信者・小笠原ひとみ(江口のりこ)と伊藤節子(平岩紙)は、依子の本心を知らずに労わる。挙げ句の果てに修を“緑命会”の勉強会に誘うという話までも。修は“緑命会”に「騙されているんだよ」と語るが、江口と平岩の演技がまるで本当の信者にしか見えない映像となる。