向井秀徳の主題歌流れる予告映像&本ビジュアルも公開
生田斗真主演映画『渇水』追加キャスト発表 宮世琉弥と吉澤健が水道料金滞納者に
2023.04.05 07:00
©「渇水」製作委員会
2023.04.05 07:00
6月2日(金)より全国公開される生田斗真主演映画『渇水』から追加キャスト、予告映像、本ビジュアルが公開された。
原作は1990年に第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林満による同名小説。生の哀しみを鮮烈に描いた名篇が、『孤狼の血』シリーズ(2018年、2021年)などで知られる白石和彌監督初のプロデュースにより刊行から30年の時を経て映画化された。
監督は、相米慎二、市川準、阪本順治、森田芳光、宮藤官九郎ら錚々たる監督作品で助監督としてキャリアを重ねた髙橋正弥。主人公の水道局員・岩切俊作を『湯道』(2023年)や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年)など多彩な役を変幻自在に演じ分ける生田斗真が演じ、門脇麦、磯村勇斗、尾野真千子ら実力派俳優が脇を固める。
さらに新たなキャストとして、水道料金滞納者・今西を宮世琉弥、同じく水道料金滞納者・坂上を吉澤健、岩切が出会う姉妹の母親・有希(門脇麦)の“今度の人”大林を篠原篤、小出家の近隣住民・竹内を柴田理恵、熱帯魚店店長・石川を森下能幸、スーパーマーケット店長・細川を田中要次、岩切が関わることになる刑事・加東を大鶴義丹が演じることが決定した。
公開された予告映像では、岩切と同僚の木田拓次(磯村勇斗)が水道料金を滞納する伏見(宮藤官九郎)の家を訪れ、水道を停止する場面から始まる。「町中カラッカラだってのに弱いものいじめというか…」と疑問を呈す木田に対し「支払いが滞れば水道を止める、払えば開ける、俺たちにできるのはそれだけだ」と規則に則り粛々と業務を遂行する岩切の“渇ききった日常”が映し出されている。
そしてある日、岩切は家に残された幼い姉妹(山﨑七海、柚穂)に出会う。葛藤を抱えながらも「規則だから」と水道を停める岩切だったが、その姉妹が厳しい生活を強いられていく様子を目の当たりにすることになる。母親の有希に「それでも親か?」と投げかける岩切だったが「あんたの家族は幸せなの?」と返され言葉を失う。岩切は妻と幼い息子との関係に問題を抱えていた。「このままじゃダメなんだよ」と苦悶の表情で叫ぶ岩切。「大雨降らせてやろうな、カラッカラの町に」という最後の言葉が気になる映像となっている。
予告編前半には向井秀徳が書き下ろした主題歌「渇水」も印象深く登場する。向井は「人間は常に苛立っている。絶望している。そうなのか。そうではない。そうではないはずだ、と、この映画は俺に問いかけている。そんなことを思いながら「渇水」という曲を作りました」と作品に通じた楽曲の仕上がりを振り返った。
また、本ビジュアルは“渇いた世界に、希望の雨は降るのか――。”というコピーとともに、大雨を全身で受け止める岩切の表情、そして岩切を取り巻く登場人物たちの姿も印象的に仕上がっている。
向井秀徳 コメント全文
人間は苛立っている。
暴力的な真夏の陽射しが地方都市に降り注ぐ。
アスファルトに撒いた水道水は瞬時に蒸発して発光する。
そのギラつきが、匂いが、フィルムに刻まれている。
人間は常に苛立っている。絶望している。
そうなのか。そうではない。
そうではないはずだ、と、この映画は俺に問いかけている。
そんなことを思いながら「渇水」という曲を作りました。