オフィスは常に危ない環境だったと明かす
ドクター・ドレーやスヌープ・ドッグが所属したレーベルの栄枯盛衰 西海岸ベテランが当時を語る
2023.03.10 20:15
Doggystyle/All Eyez on Me
2023.03.10 20:15
西海岸ヒップホップのパイオニアの一人として知られているDJクイック。ソロアーティストとしてだけではなく、多くのラッパーたちのプロデュースも務めてきたベテランだが、〈Death Row Records〉に所属していた頃の思い出をポッドキャスト「All The Smoke」の最新回で語った。
ドクター・ドレーの『The Chronic』や、スヌープ・ドッグの『Doggystyle』など、ヒップホップ史に欠かせないアルバムをリリースしてきた〈Death Row Records〉。代表のシュグ・ナイトの暴力的な行動が有名なレーベルについて、DJクイックは以下のように語っている。
「たまにクールなときもあるけど、またストリートに戻る瞬間があった。成功をして逃れたと思ったギャング活動とかが、オフィスで行われていて、またそのようなことを経験することになった。オフィスがフッドのようになっていた。あいつらは、他人の恐怖に感づいてくるから、自分もストリートである必要だった。彼らはお前がビビってるかどうかを試してくるし脅してくる。そのようなエネルギーは曲作りする環境に向いていない。曲作りは美しいプロセスだし、たくさんのことを考えないといけないのに、ギャング活動をして、脅してくるやつばかりだった。
危ない環境だった。その時点では、既に世界で最も素晴らしいレーベルだったし、危ない環境である必要なんてなかったのに。特にボスであるシュグ・ナイトのエゴがすごかった。皆が何かを心配して、ずっと緊張していた。皆脅されないように、強がっていた。そうあるべきじゃないのに。俺は既に自分のレーベルもやってたし、既に売れてたのに“なんでこんなところにいるんだろう? ”って思っていた」
オフィスが音楽活動をするのに適してない環境だったと明かしたDJクイック。しかし良い点もあったようで、2Pacがスタジオでレコーディングしているときや、ドクター・ドレーがスヌープ・ドッグの『Doggystyle』の作業をしているのを見るのは良い経験になったとコメントしている。
その後、ドクター・ドレーもスヌープ・ドッグもレーベルの環境から抜け出すために脱退をし、ドクター・ドレーは〈Aftermath Entertainment〉で独立をし、スヌープ・ドッグはマスター・Pの〈No Limit Records〉に移籍をした。