メタルバンドBody Countのボーカリストとしても活動
ヒップホップは変わった?ベテランラッパーのアイス-Tがヒップホップが“間抜けになった”と語る
2023.02.27 21:00
Photo by Stefan Bollmann
2023.02.27 21:00
アメリカの西海岸で初めてメジャーデビューしたラッパーであり、ギャングスタ・ラップの先駆者としても知られているアイス-T。メタルバンドBody Countのボーカリストや俳優としても活躍しているベテランだが、彼は2000年代中盤にヒップホップが変わったと語っている。
Variety誌のインタビューに出演したアイス-Tは、ラッパーとしての最後のアルバム『Gangsta Rap』を2006年にリリースして以来Body Countとしての活動にフォーカスしており、その理由を以下のように答えている。
「ヒップホップは変わって、間抜けに見えるようになってしまった。子供たちも変な格好をしはじめたし、私にとって心地よいものではなくなった。自分の作品がたくさん売れているときもあったが、それも冷めてしまい、色々感じることがあったんだ。
そして、パブリック・エネミー、ラキム、ビッグ・ダディ・ケイン、ウータン・クランなども売れなくなってきたことにも気がついた。ヒップホップにパラダイムシフトが起こったんだ。若い子たちはもっとソフトになり、私はファンにソフトなものを与えることはできない。ヒップホップの“ヒップ”という意味を考えると、10年以上何かがヒップであることなんて難しいんだ。私は“Art of Rap”の番組をまだやっているから、それが私のヒップホップでのレガシーでもある。フランク・シナトラのような存在だ。たまにはクラシックも聴きたいだろう」
ヒップホップが2000年代中盤から変わったとコメントしたアイス-T。彼はヒップホップの“ヒップ”という言葉の定義からも、自分がヒップホップで最前線を走り続けることの難しさを感じたようだ。
アイス-TはメタルバンドBody Countのボーカリストとして1991年から活動しており、7枚のアルバムをリリースしている。Body Countは2020年のグラミー賞で、最優秀メタル・パフォーマンス賞を受賞しており、スラッシュメタルにヒップホップの社会的なリリックを組み合わせたスタイルが高く評価されている。